レポート

目が足り…た!?2.5次元10年選手のライターがVR版・舞台「光芒のマスカレード」を見て驚いたこと

画像一覧はこちら

広告

広告

大好きな舞台作品のゲネプロが、公式から動画でフル配信されるとしたら。

それも、VR映像で360度好きな視点から鑑賞できるとしたら……。

ほんの数年前まで夢物語だったこのシチュエーションが、今や現実のものとなっている。

だが読者の中には、「VRってどんなもの?」「イメージがいまいち掴めない」と、視聴をためらってしまう人もまだまだ多いのではないだろうか。

そこで今回は、家庭用VR初体験のライターが、舞台『光芒のマスカレード -月光仮面異聞-』のVR版ゲネプロ映像を実際に視聴してみた。

2.5次元を10年以上愛してやまない人間の視点から、VRのゲネプロに触れて感じた感想を率直に綴ってみたいと思う。

舞台「光芒のマスカレード」ゲネプロを、VRで体験してみた

2019年8月13日から360Channelにてフル配信を開始した、舞台『光芒のマスカレード -月光仮面異聞-』のゲネプロ映像。

▲舞台『光芒のマスカレード -月光仮面異聞-』ゲネプロが、VRで配信中

内容はもちろん、全てVR映像である。と言っても特殊なゴーグルや眼鏡は不要だ。

視聴するために必要なものはパソコンやスマートフォン、タブレットといった身近なツールのみ。これだけで360度の視界を楽しめると言う(ヘッドフォンがあれば、より没入感が高まるだろう)。

販売価格は3240円(税込)とリーズナブルで、特典映像も2種類同梱。かなり太っ腹な企画だ。

家庭用VR動画は初体験の筆者だが、「必要なのはパソコンだけ」と聞いて早速体験してみた。

▲最前列センター席の視界は、やっぱり気持ちいい!

VRの視点は、最前列のセンター席。毎公演1名しか座ることの出来ない「神席」を、いつでも何度でも体感できる。

視点をぐるりと回転させて真後ろを振り返ってみると、そこには実際の劇場には存在しない平面スクリーンが広がっていた。

▲背後の平面映像はライビュ感覚で楽しめる

この背面のスクリーンは平面映像で、ライブビューイングのように見ることができる。これでキャストのアップ映像もバッチリだ。

最前列からの視界と、ライビュのような整った映像。その両方を好きなだけ楽しめるという、まさに夢のような空間である。

 

今回視聴した舞台『光芒のマスカレード -月光仮面異聞-』は、特撮テレビヒーローの元祖と呼ばれる『月光仮面』(原作:川内康範)を現代版にアレンジした作品。

「相手が悪者でも、決して殺しはしない」という信念を貫く月光仮面と、ライバルの新月仮面との攻防や友情を描く物語だ。

そのストーリーをたどりながら、筆者が「これはVRならではのものだ」と感じた特徴やメリットをご紹介していこう。

最前列センターで、ゲネプロを見る感動

映像がスタートすると、画面上に小さな丸いコントローラーが表示される。視界を上下左右に動かすには、このコントローラーを使うか、もしくは画面を直接ドラッグすればOK。

どちらも感覚的に操作でき、難しい知識は全く要らない。

ストーリーは、巷を賑わすヒーロー「月光仮面」の噂から始まる。

月光仮面は正義の味方。権力者から子どもを守り、弱い者に手を差し伸べる。ただし、どんな悪者であっても命を奪うことはしない。あくまでも警察の逮捕に協力するのみ、というのが彼のポリシーだ。

▲月光仮面こと、桐生 社(演・鷲尾修斗)

そんな月光仮面に、ライバルが現れる。月光仮面とよく似た仮面をつけたライバルは、悪者の命を奪うことにためらいがない。その装いと振る舞いから、彼は「新月仮面」と呼ばれ始める。

▲新月仮面こと、神代 誉(演・伊阪達也)(左)

純白の衣装に身を包み、世の中を明るく照らす、月光仮面。

そして漆黒の衣装に身を包み、容赦なく悪を斬る、新月仮面。

運命に導かれるように出会ったふたりの男……じつは彼らは、同じ軍大学校に所属する、仲の良い友人同士でもあった。

同期生の誰もが「彼らなら上を目指せる」と太鼓判を押す優等生のふたりだが、それぞれの家庭事情は複雑だ。

月光仮面こと桐生 社(演・鷲尾修斗)は、みなしごを集めて面倒を見ている月ノ輪サーカスの一員。優秀だが心の奥底に満たされない何かを感じている。

▲才色兼備な主人公・社(やしろ)、憂いのある表情も優雅だ

そして新月仮面こと神代 誉(演・伊阪達也)は、権力者の実弟。両親を早くに亡くしたためか、兄の神代 勲(演・成松慶彦)から少々過保護すぎるほどの干渉を受けている。

互いの正体を知らないまま二重生活を続けるふたりだったが、とある事件をきっかけに深く関わることになる。

その事件とは、月光でも新月でもない新たな仮面の出現だった。

「支配の仮面」と名付けられたその仮面は、装着した人間の心を支配し、意識を操り、最後には命まで奪ってしまう。

W主演の月光仮面・新月仮面を中心に、物語は不穏な方向へ展開していく。

「家族」と呼び合う月ノ輪サーカスの仲間たち、軍大学校に通う気の良い同期生たち、そして事件の裏に暗躍する「救世党」と呼ばれる組織。

正義とは何なのか?

試練に直面した月光仮面は、「殺さず」を貫くことができるのか?

熱い物語をぜひ最後まで見届けてほしい。

VRだけの魅力はコレ。劇場と円盤の「いいとこ取り」

家庭用VR初体験の、筆者。

最初に感激したのは、やはり「自分の視界を動かして、好きなときに好きな場所を見ることができる」という点だ。

これができると、円盤(Blu-ray、DVD)では叶わない次のような願いが現実になる。

・ステージの端っこにいるときも、推しを見続けることができる
・2箇所以上で行われているアクションを、どちらも自由に堪能できる
・集団でダンスするシーンでは、キャラクターひとりひとりの個性を思う存分チェックできる

そしてもちろん円盤同様、「巻き戻し」や「繰り返し視聴」も可能だ。

観劇が好きなあなたなら、「劇場では目が足りないし、円盤では推しの出演シーンの一部しか映っていない(むしろ端っこにいるときのちょっとした仕草を見たいのに!)」……と、もどかしさを覚えた経験があるのではないだろうか?

そんなあなたにとって、VRは痒いところに手が届くツールと言える。

映像特典は、円陣と「ネコ視点」のファンサ!

今回のゲネプロ映像には、2種類の特典映像がついてくる。

1つ目は、360Channelの大人気コンテンツ「君は僕のネコ」(通称キミネコ)とコラボした、ネコ視点のVRショートムービーだ。

▲正義の味方・月光仮面には、あなた(ネコ)にしか見せない表情がある

映像の中で、あなたはネコの視点を手に入れる。月光仮面(鷲尾修斗)と新月仮面(伊阪達也)、ふたりのヒーローがあなたを見つけてしゃがみ込み、目線を合わせて優しく語りかけてくれるのだ。

▲月光仮面と新月仮面、ふたりのやり取りをこっそり見守る瞬間も…

VRなのでもちろん自由に視線を動かすことができる。この臨場感は不思議な体験だ。視点をくるくる動かしているうちに、なんだか本当にネコになって、たまたま通りかかった俳優と接しているような気持ちになれる。

自分がどの角度を向いても相手の役者ときちんと目が合うようにできているのが、また凄い。

鷲尾・伊阪のコンビも、「ネコを見つけて話しかける」というシチュエーションを完璧に演じきってくれている。

▲普段クールな新月仮面も、小さなネコにはメロメロなのだ

ネコに語りかけるふたりの演技力は、控えめに言って「最高」である。おかげで、俳優のファン以外にも充分楽しめるコンテンツになっている。

もう1つの特典は、ゲネプロ前の円陣の様子を収めた映像だ。

W主演の鷲尾・伊阪、そして東雲完爾役および演出を務める樋口夢祈による、円陣前の挨拶も聞くことができる。

実際に視聴してみた結果、筆者が抱いたのは「このコンテンツをできるだけたくさんの人に見てほしい」という純粋な気持ちだった。

作品やキャストのファンだけでなく、2.5次元舞台・ミュージカルが好きな人に広く視聴してほしい。

なぜなら、(作品自体の質が良いというのはもちろんだが)こうした革新的な試みに多くの人が触れることで、業界全体がより良い方向へ進化していくことができるのではないか、と感じたためだ。

IT技術の進歩に合わせ、舞台の世界もどんどん進化している。今後も新しい楽しみ方が続々登場してくるだろう。

進化したコンテンツに実際触れた人が、「ここが素晴らしかった」「もっとこういう機能も欲しい」と積極的に語り合うことで、2.5次元作品全体がブラッシュアップされていくのではないかと思う。

そもそもゲネプロを動画でフル視聴できること自体が貴重な体験だが、VRなら、その楽しみをさらに奥深いものにできる。今回の体験視聴で、それをしみじみと実感できた。

劇場とも円盤とも異なる新しい感覚が、ここにあることは間違いない。

興味が湧いた人はぜひ実際に一度体験し、この感覚を味わってみてほしい!

舞台『光芒のマスカレード -月光仮面異聞-』詳細

特撮テレビヒーローの元祖と呼ばれる『月光仮面』(原作:川内康範)を現代版に変え舞台化した作品。

主演である正義の味方 月光仮面役には鷲尾修斗、W 主演となる月光仮面のライバル、舞台オリジナルキャラクター 新月仮面には伊阪達也、他にもミュージカル「忍たま乱太郎」食満留三郎 役、ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」澤村大地 役で活躍する秋沢健太朗、ANB「仮面ライダーディケイド」の仮面ライダーギャレン 役や、舞台「刀剣乱舞」日本号役の成松慶彦が出演した。

チャンネルおよび動画概要
■チャンネル名:舞台『光芒のマスカレード -月光仮面異聞-』
■チャンネルURL:https://www.360ch.tv/channel/273
■動画: 【VR舞台】キミネコ付き!舞台『光芒のマスカレード -月光仮面異聞-』本編フル
■販売価格:3240円
■視聴期限:2019年12月31日
■動画URL:https://www.360ch.tv/video/show/2416

現在8月中の購入者限定で、VRゴーグルのレンタルが安くできるキャンペーンを実施中。
詳細は公式Twitterをチェック!

広告

広告

画像一覧

  • 目が足り…た!?2.5次元10年選手のライターがVR版・舞台「光芒のマスカレード」を見て驚いたこと イメージ画像
  • 目が足り…た!?2.5次元10年選手のライターがVR版・舞台「光芒のマスカレード」を見て驚いたこと イメージ画像
  • 目が足り…た!?2.5次元10年選手のライターがVR版・舞台「光芒のマスカレード」を見て驚いたこと イメージ画像
  • 目が足り…た!?2.5次元10年選手のライターがVR版・舞台「光芒のマスカレード」を見て驚いたこと イメージ画像
  • 目が足り…た!?2.5次元10年選手のライターがVR版・舞台「光芒のマスカレード」を見て驚いたこと イメージ画像
  • 目が足り…た!?2.5次元10年選手のライターがVR版・舞台「光芒のマスカレード」を見て驚いたこと イメージ画像
  • 目が足り…た!?2.5次元10年選手のライターがVR版・舞台「光芒のマスカレード」を見て驚いたこと イメージ画像
  • 目が足り…た!?2.5次元10年選手のライターがVR版・舞台「光芒のマスカレード」を見て驚いたこと イメージ画像
  • 目が足り…た!?2.5次元10年選手のライターがVR版・舞台「光芒のマスカレード」を見て驚いたこと イメージ画像
  • 目が足り…た!?2.5次元10年選手のライターがVR版・舞台「光芒のマスカレード」を見て驚いたこと イメージ画像
  • 目が足り…た!?2.5次元10年選手のライターがVR版・舞台「光芒のマスカレード」を見て驚いたこと イメージ画像
  • 目が足り…た!?2.5次元10年選手のライターがVR版・舞台「光芒のマスカレード」を見て驚いたこと イメージ画像
  • 目が足り…た!?2.5次元10年選手のライターがVR版・舞台「光芒のマスカレード」を見て驚いたこと イメージ画像
  • 目が足り…た!?2.5次元10年選手のライターがVR版・舞台「光芒のマスカレード」を見て驚いたこと イメージ画像
  • 目が足り…た!?2.5次元10年選手のライターがVR版・舞台「光芒のマスカレード」を見て驚いたこと イメージ画像
  • 目が足り…た!?2.5次元10年選手のライターがVR版・舞台「光芒のマスカレード」を見て驚いたこと イメージ画像
  • 目が足り…た!?2.5次元10年選手のライターがVR版・舞台「光芒のマスカレード」を見て驚いたこと イメージ画像
  • 目が足り…た!?2.5次元10年選手のライターがVR版・舞台「光芒のマスカレード」を見て驚いたこと イメージ画像
  • 目が足り…た!?2.5次元10年選手のライターがVR版・舞台「光芒のマスカレード」を見て驚いたこと イメージ画像
  • 目が足り…た!?2.5次元10年選手のライターがVR版・舞台「光芒のマスカレード」を見て驚いたこと イメージ画像

公演情報

WRITER

豊島 オリカ
 
							豊島 オリカ
						

観劇好きのフリーライター。2.5次元が大好きです。頂いた日々の活力、勇気、心を揺らす奇跡のような感覚に、どうにか恩返しできないものかと願いながら執筆しています。カーテンコールで拍手することと、鼻ぺちゃな犬も大好きです。

このライターが書いた他の記事も読む