イギリスで上映中のサスペンス・コメディ舞台「THE BANK ROBBERY!(ザ・バンクロバリー!)~ダイヤモンド強奪大作戦~」が2日、東京の新国立劇場中劇場で開幕した。同日に行われたゲネプロの様子をお届けする。
舞台は1958年夏、アメリカ合衆国ミネソタ州。ミネアポリス都市銀行はハンガリーの国王子から高価なダイヤモンドを預かることになる。
囚人のミッチ・ラスチッティはダイヤモンド窃盗のため、刑務所の看守、ニール・クーパーと協力しながら脱獄する。
▲ミッチ・ラスチッティ(左:元木聖也)とニール・クーパー(右:尾上寛之)
ミネアポリス都市銀行頭取のロビン・フリーボーイズ(大堀こういち)の娘で、結婚詐欺師のカプリス・フリーボーイズ(桜井玲香、乃木坂46)は、ミネアポリス中の男たちを手玉に取る。
▲「あなた以外に頼れる人がいないの」と男たちに甘えるカプリス
スリの名人のサム・モナハン(原 嘉孝、宇宙Six/ジャニーズJr.)はカプリスに一目惚れする。サムのことを弁護士、牧師、医者だと思い込んだカプリスは、サムとデートを繰り返す。
カプリスの部屋に招かれたサム。そこにミッチが訪ねてくる。ミッチとの鉢合わせを避けようと、慌てふためくサム。次第にダイヤモンド強奪計画に巻き込まれていく。
▲ミッチは強奪計画を進めるため、ロビンに取り入ろうとする
サムは「修理工」として、ミッチ、カプリスとともにダイヤモンドを奪うためにミネアポリス都市銀行に侵入する。
▲ダイヤモンド強奪計画を進めるが、次々とトラブルが起こる
サムたちが銀行内の通気口を移動するシーンでは、天井から眺めたように舞台が作られている。重力に逆らいながら移動するロビンと、ウォーレン・スラックス(市川しんぺー)のコミカルな演技が笑いを誘う。
サムたちはダイヤモンドが保管されている金庫室に到着する。ミッチはバク宙をしながら部屋中に張り巡らされた警備用の赤外線センサーをかいくぐる。
▲ダイヤモンドに近づこうとするミッチ
▲バイクで駆けるミッチ
ミッチがダイヤモンドを手にしようとした途端、警報が鳴り響く。ダイヤモンドはいったい誰の手に渡るのか。サムとカプリスの恋の行方は――。
キャストコメント
――それぞれの役について教えてください。
原 嘉孝〈宇宙Six/ジャニーズJr.〉(サム・モナハン役):スリの名人で、ほかの登場人物に比べて意外と普通の男の子。ついつい癖で財布を盗んじゃうくらいの感覚で演じています。普通に恋もするしお母さんのことが大好き。他と違った面を演じられたらなと思っています。
桜井玲香〈乃木坂46〉(カプリス・フリーボーイズ役):結婚詐欺師の役で、かわいらしい部分もありつつ、詐欺師らしい素が出る瞬間がある。うまく強弱つけて表現できたらいいなと思います。
田中要次(ランダル・シュック捜査官役):FBI捜査官のシュックという役です。この格好はルパン三世の銭形警部に憧れている人だと思う。
元木聖也(ミッチ・ラスチッティ役):この作品の中で一番悪い役。簡単に人も殺しちゃうし。ダイヤモンドを盗むためだったら人を殺すことも厭わない極悪人ですね。サムのことを修理工の人としか思ってないです。人としても思っていないかもです。
原:僕はただただ怖がっています(笑)。目の前で人を殺そうとする場面を見ているので。
元木:何回も何回もね。
――いよいよ初日ですが、小林さんいかがでしたか。
小林顕作(演出):今日の出来はかなりテクニカルも含めていい。ロンドン版よりいろいろ大変だろうと思ったが、スタッフを含めて、キャストもチームワークがいいので、思っていたよりすごく出来がいいなと。自画自賛するわけではないですけど。今日のゲネプロだったらお客さんに見せられるなというところまで仕上がりました。
――原さん、単独初主演のプレッシャーは。
原:稽古場の雰囲気がすごくよくて。笑いが絶えない。緊張がほぐれる感じで。みんなラフな感じで。
小林:だんだん保育園みたいな感じになっていました。稽古時間が始まっているのにどっか行っちゃてて。やるよーって言わないと笑。と言ってもたらたらと(笑)。
元木:それ顕作さんもでしょ。顕作さんも一緒にUNOとか将棋とかやってました。
小林:この現場だと一番遅いのは要次さんでしたね(笑)。
(一堂笑う)
――アドリブも入ったりするんですか。
原:第一幕の最後のカプリスの部屋のシーンはその場の空気でやりました。
元木:いや、いろいろある。今日も本当はあっちゃいけないものがあったりする。(カプリスの部屋のシーンで)ズボンが落ちてたんですけど、本当は落ちてないんですよ。たまに事件が起きるんですよ。カプリスに「これ何だ」って言ったら「これはこうよって」(笑)。けっこう(アドリブ)あるんです。その場でいろんなことが起きるんです。
――怖い舞台ですね。
元木:でもそれが楽しくて。自分もこれ言ったら(相手が)何て言うかなと思ってやってますから。
桜井:怖いよー。
――余裕ありますね、原さん?
原:いや僕はそのとき、上で隠れて寝てるだけですから。
元木:原くんずっとクロロホルムを嗅がされて寝てるから(笑)。
原:そうそう。2人のやりとりを楽しんでいます。
――最後に見どころを。
原:コメディーということで老若男女誰にでも楽しめる作品。その場のお客さんとの空気のやりとりを僕たちも楽しみつつ、演じていきたいです。
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