音楽朗読劇「四月は君の嘘」が3月27日(月)に東京・飛行船シアターで開幕し、初日公演のオフィシャルレポート、植田圭輔、吉田綾乃クリスティー(乃木坂46)からのコメントが到着した。
アニメ・実写映画・舞台・ミュージカルとさまざまな展開を果たした、「四月は君の嘘」(講談社「月刊少年マガジン」所載)。完結から8年経った今もなお、色あざやかに輝き続ける本作の新たな展開として描かれる「音楽朗読劇」に、観客は会場に咲く桜を撮影しながら、期待に満ちた表情で足を運んでいく。
クラシックコンサートさながらに、バッハやショパンのBGMが静かに流れる中、ピアノ(演奏:松村湧太)&ヴァイオリン(演奏:小林修子)の生演奏によって開幕の音が鳴り響く。公生とかをりの初めての共演曲、サン=サーンス「序奏とロンド・カプリチオーソ」がオープニングとして奏でられ、冒頭から会場は大きな拍手に包まれる。ステージに美しい桜のマッピング映像が降り注ぐと、真っ白な衣装に黒メガネをかけた有馬公生(27日出演:植田圭輔)、真っ白で清楚なワンピースを身にまとった宮園かをり(27日出演:吉田綾乃クリスティー)が登場する。2人の朗読、ピアノとヴァイオリンの生演奏、そしてステージ正面のみならず、ステージ上方まで映し出された、プロジェクションマッピングが美しく重なり、開幕から目と耳で観客の心を魅了した。
母親の死をきっかけにピアノの音が聞こえなくなり、音楽から離れて過ごす、元天才ピアニスト・有馬公生。「ピアノの音が…聴こえないんだ…」と葛藤する公生のモノクロな心情を表すかのように、鍵盤や譜面をモチーフにした白と黒のマッピング映像が会場を包み込む。桜咲く春の中で出会った、ヴァイオリニストの宮園かをりは、“音楽”にすべてを託した情熱的な演奏と、心からの言葉で公生の心を動かしていく。「悲しくてもボロボロでもどん底にいても弾かなきゃダメなの! そうやって私たちは生きてゆく人種なの!」「弾ける機会と聴いてくれる人がいるなら、私は全力で弾く。聴いてくれた人が私を、忘れないように。その人の心にずっと住めるように。それが私のあるべき理由」「君はなんのためにピアノを弾くの?」と印象的な言葉の数々が、吉田綾乃クリスティーの透明感あふれる“声”を通して、観客の心をも響かせる。
かをりは、「友人A君を私の伴奏者に任命します」と、自身の大切なコンクールの伴奏に公生を使命する。ピアノから離れていた公生が再びステージに立つ苦悩を、植田圭輔が迫真の演技で訴えたかと思えば、楽譜にとらわれない、自由奔放な演奏をするかをりと、“ヒューマンメトロノーム”と呼ばれ、正確無比な演奏をする公生、真逆の個性を持ちながら、お互いに変化していく音楽を、ピアノとヴァイオリンの生演奏が見事に表現。ステージはモノクロからカラフルへ、心情に合わせた美しい映像に変容しながら、すべてがシンクロし、2人の初舞台がつくりあげられていく。
母親への想い、かつてのライバル・相座武士(出演:近衛秀馬)、井川絵見(出演:大橋海咲)との邂逅(かいこう)、コンクールへの再挑戦―。過去と向き合い、進んでいく中で、2人は「ガラ・コンサート」で再び共演の機会が与えられるが、かをりはステージに現れなかった。少女が秘めた、最も美しい嘘とは。そして、もう1度訪れる春。物語はどんな結末を迎えるのか―。涙なしでは語れない、少年少女の青春の行方、感動のラストシーンをお見逃しなく。
有馬公生役:植田圭輔
公演を終えて、出し切ったなという感覚がすごく強いです。限られた稽古の時間以上に自分の作品への愛があふれていて、どうつくりあげるか悩みましたが、作品から力や勇気をもらい、改めて大好きな作品だなと感じました。かをり役の吉田さんをはじめ、皆さんとご一緒できて、引っ張られる部分もあり、1人でつくっているんじゃないと改めて感じましたし、お互いに影響を与え合うことができた素敵な初日だったなと思います。また、生演奏の力によって役者の演じ方が変わるなと改めて思いました。ピアノとヴァイオリンのエネルギーを会場で直で感じられるのは、非常にみどころだと思います。
宮園かをり役:吉田綾乃クリスティー(乃木坂46)
初めて作品を見たときも涙がこぼれましたが、1人で台本を読んでいるときも、稽古でも、そして、本番でも、何度でも感動して、何度でも感情が動き続けることが、この作品の魅力だと改めて思いました。普段誰かと言葉を合わせるときは顔を見合わせたり、合図を送り合うことが多いので、公生と一緒に台詞を発するシーンでは、空気や呼吸で台詞を合わせることがいかに難しいか、“朗読劇”ならではの難しさを体感しました。
音楽朗読劇「四月は君の嘘」ダイジェスト映像《初日:植田圭輔・吉田綾乃クリスティー》
同舞台は、新川直司による漫画「四月は君の嘘」の音楽朗読劇化。全13公演が行われ、有馬公生と宮園かをりを演じるメインキャストは、公演ごとに異なる出演者、全9組総勢18人が登壇する。
正確無比な演奏で、数々のコンクールを制覇した元天才ピアニスト・有馬公生は母親の死をきっかけにピアノの音が聞こえなくなり、音楽から離れてしまう。あれから3年。幼なじみの澤部椿、渡亮太と穏やかな学生生活を過ごしながらも、彼の世界は“灰色”のまま、輝きを失っていた。新学期を迎えた、四月。桜舞う春の中、1人の少女・、宮園かをりと出会い…。
公演は4月2日(日)まで上演される。
(C)新川直司・講談社/エイベックス・ピクチャーズ株式会社
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