conSept Musical Drama #7 『SERI~ひとつのいのち』が10月6日(木)~10月16日(日)に東京・博品館劇場、10月22日(土)~10月23日(日)に大阪・松下IMPホールで上演される。
本作は、倉本美香の『未完の贈り物』のミュージカル化。目が見えず、話すこともできない少女「千璃(セリ)」を巡る実話が描かれる。
千璃役には山口乃々華、千璃の母・美香役には奥村佳恵、千璃の父・丈晴役には和田琢磨、産科医オオクボ役には植本純米、オオクボを弁護するセガール弁護士役には小林タカ鹿、オオクボ告訴を相談されるミラー弁護士役にには樋口麻美、オオクボと美香に事情聴取を行う書記官役には辰巳智秋、千璃に整形手術を進める整形外科医役には内田靖子、オオクボと美香の示談交渉を仲介するメディエーター役には長尾純子、千璃が通う特殊学校の先生役には小早川俊輔が出演する。
脚本・作詞:高橋亜⼦ コメント
この作品は⽣まれつき両目の眼球がない少⼥の実話を元にしています。少女の母が書いた⼿記を読んだ時、胸に刺さった言葉がありました。それは「No Eyes」。アメリカで出産した母が、娘の障害を医師に宣告された時の言葉です。もちろん「眼球がない」ことを告げた⾔葉ですが、私の頭にはもっと広義の考えが巡りました。目を持たないとは何か? 見えないとは何か? たとえ眼球があろうと、自分の視点でしか見ない⼈、見たくないものを⾒ないこと…それもまた「No Eyes」ではないか。そんな観点から、人が認め合うことを描く作品にしたいと思いました。1人の少女を巡り、それぞれの視点でぶつかり合い、認め合う人々の姿が見えてくれば良いなぁと思っています。
作曲・⾳楽監督:桑原まこ コメント
今回はピアノ・ギター・マルチリード・チェロの4⼈で音を奏でることにしました。変わった編成だと思います。この編成でいこうとひらめきが私に届いた時、理由は⼀緒には届きませんでした。原作と台本を何度も読み、私に挑めるのかと悩む中で、その理由が私に教えてくれました。「千璃ちゃんがこの作品を観てくれたとき、音がカラフルであってほしい」と。音楽ができることは無限にあると信じていますが、どうしたって自分以外の気持ちの真実は、その⼈にしかわからないものです。だから最⼤限の想像力と優しさを持ってシンプルに。私らしく向き合っていきたいです。
演出・振付:下司尚実 コメント
SERIは実在する女の子とそのご両親のお話です。SERIさんがいるということ、彼女が住んでいる場所と日本は離れているけれど、同じ地球で私たちは今⼀緒に生きているということ。そしてそこに生まれた愛を、歌はもちろんですが、身体もめいっぱいに使って丁寧に描いていきたいと思います。私自身さまざまな縁に恵まれて今ここに立っています。彼女の過ごした時間を舞台上に凝縮することは難しい作業だと思いますが、彼女とご両親が重ねたご縁のように、集まってくださった⼼強いキャスト、スタッフと共にパワフルに挑戦していきたいと思います。
⼭⼝乃々華 コメント
はじめまして。千璃役を演じさせていただきます、山口乃々華です。以前、同じ原作を題材にしたリーディングミュージカル『ダスク』を観劇させていただいたことがあり、その際には、深く感情移入し、今でも鮮明に思い出せるほどの、張り詰めた空気を感じていました。今回お話をいただいたときはご縁を感じましたが、それと同時にお受けするのに勇気がいりました。決して目を逸らすことをせずに、作品に向き合い続ける心が必要だと感じています。両眼性無眼球症という難しい役ですが、想いを届けられるように演じていきたいと思います。
奥村佳恵 コメント
私は、ここまで向き合えるだろうか。分身である我が子と、パートナーと、家族と、世界と。そして、他でもない自分自身と。愛おしさも苦しみも、喜びもおそれも、心に降りかかるさまざまな思いを受け止めきれるだろうか。誰かの心の中を見ることなんてできないし、誰もお互いを完璧に理解できない。だけど孤独だからこそ、他者との繋がりをより温かく感じることができる。私たちは誰かの存在の延長線上で、助け合って生きている。光を手にするため、暗闇の中で途⽅もない闘いに挑み続けた美⾹さん。圧倒的な当事者である彼女を、何もかも経験したことのない傍観者の私が演じるということ。想像して、想像して。身体と声と心を器にして光を探したいと思います。
和⽥琢磨 コメント
丈晴役を演じます和⽥琢磨です。今回の作品「SERI」の台本を読んで、率直に胸が締めつけられました。容姿での優劣や世間に対するみえ、夫婦の価値観、家族を取り巻く普遍のテーマが随所に織り込まれてます。ついつい⽬を伏せがちなものばかりですが、同時にどれも身近なものであります。たくさんの方にご覧いただきたいと思える作品に携わることができて光栄です。私自身、久しぶりのミュージカルですが精⼀杯努めたいと思います。ぜひ劇場にお運びください。
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