インタビュー

上山航平「すべて自己責任で」さらなる飛躍を誓う 今、見える景色とは

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サンリオピューロランドのミュージカルショー「MEMORY BOYS~想い出を売る店~」に出演以来、アイドル系舞台作品、劇団「ハイキュー!!」旗揚げ公演などに出演してきた上山航平。5年間在籍した事務所を離れ、9月からはフリーとして活動を始めた。

2.5ジゲン!!では、上山にインタビューを実施。それぞれの現場で学び、身につけてきたことを1つひとつじっくりと振り返りながら、今後のビジョンについても話を聞いた。

※初掲時より一部内容を修正しております。

――まず、芸能のお仕事を始めたきっかけからうかがいます。どのような経緯だったのでしょうか?

小学1年生~中学3年生まで続けていた野球を高校でやめてしまったのがきっかけでした。「野球のない生活ってこんなに何もないものなんだ…」と思いながら日々を過ごしていたのですが、ふと周りを見てみたら、特に芸能系の学校でないにも関わらず芸能の仕事をしている人が何人もいたんです。

もともとドラマや映画が好きだったこともあって「自分もやってみようかな」と。そして高校1年生の終わりごろに養成所に入り、事務所に声をかけていただいてお仕事を始めました。

――初めての大きなお仕事はサンリオピューロランドでの「MEMORY BOYS~想い出を売る店~」(2019年6月~2020年2月/セレナーデ役)でしたね。ここではどのようなことを経験されましたか?

その前に1度だけ小劇場で舞台に立たせていただいていたものの、「MEMORY BOYS」は、ほぼ何も分からない状態からのスタートでした。お叱りとご指導をたくさんいただいて、人の前に立つ心構えなど多くのものを教わりました。

約9カ月間、多いときは1日4公演をこなし続けましたね。でも、それだけ長い間公演を続けていると、どうしても悪い意味での“慣れ”が出てきてしまうときがあって…。その“慣れ”やゆるんだ気持ちを演出家の方に指摘していただいて、チームのみんなと「どうしたらもっと良くなるだろう?」と何度も話しました。そして、脚本は同じでも、公演のたびに違うものを発見しよう、相手の芝居を感知して自分の芝居に反映しよう、と。

公演期間が長かったからこそ、わずかな違いでも見逃さないように緊張感を持って公演に臨む努力を重ねました。あの9カ月は、今の僕の土台になっていると感じています。

――今年の11月からはミラクル☆ステージ『サンリオ男子』にも出演されますし、サンリオとのご縁が深いですね。

そう思います! 「MEMORY BOYS」に出演する前はサンリオに詳しくなかったのですが、休演日にキャストとプライベートでピューロランドへ遊びに行くくらいサンリオが大好きになりました。Miracle Gift Parade(ミラクルギフトパレード)やKAWAII KABUKIもすてきですし、観ていると心が癒やされるんですよね。現実とは違う世界へ連れて行ってくれるように思えます。

――2.5次元ダンスライブ「SQ」ステージ(2023年~/和泉柊羽役)などを経て、先日は劇団「ハイキュー!!」旗揚げ公演(2023年8月/松川一静役)へ出演されました。これまでとはまたひと味違った“部活感”の強い現場だったと思うのですが、いかがでしたか?

学生時代の部活を思い出すような、青春でいっぱいの作品でした。皆で汗をかいてバレーをして、筋トレして稽古して「また明日!」と別れる。毎日が充実していて楽しかったです。劇団「ハイキュー!!」では、僕は青葉城西高校のキャラクターだったので、主人公とはいわば“敵対校”なのですが、敵味方関係なく仲のよい座組で。

この作品の演出は、役者でもある須賀健太さんでした。役者目線でつけてくださる演出や伝え方が、とても分かりやすくてやりやすかったです。

須賀さんからは「演じる役の人物がどう見えるかだけではなく“青城チームがどう見えるか”にも気持ちを置いて」とよく言われました。チームとしての共通認識を持って役を作る。少し引いて全体を見ているような役柄だったのもあり、ようやく自分も全体を俯瞰で見られるようになってきたな、と感じました。兼役が多かったので遊べるポイントが多くあったのもよかったです。

お芝居への考え方やアプローチの仕方にも変化が生まれました。

稽古中に須賀さんが「君たちならこのシーンをどうやって表現する?」と、3人1組になって1つのシーンを作り上げるワークショップのような機会を何度も作ってくださったんです。与えられたセリフの中でどう表現していくか。中には「それいいね!」と一部採用されたシーンもあったので、やりがいもありましたし、大きく成長できたと感じています。お芝居に対して積極的に関わっていく姿勢が身につきました。

それから、周りを見られるようになったおかげで、スタッフの皆さんのありがたさやすごさをあらためて肌で感じられるようになりました。1つの作品を作り上げるための現場の力が、役者の僕たちを巻き込んでさらに大きな力になっていくんだ、と。演劇「ハイキュー!!」から引き継いでのスタッフの方が多かったこともあったのですが、この“カンパニーとしての一体感”は決して忘れてはいけない、これから先の現場でもこうありたい、と強く感じました。

――そして現在は『サンリオ男子』として出演するライブイベント(いろいろドルフェス2023)などの準備中ですね。11月の公演に向けてお気持ちはいかがですか?

『サンリオ男子』の現場は、愛にあふれたおだやかな空気でいっぱいなんです。お話自体が「好きなものは好きと言っていい」と、争いがなく平和で優しいストーリーだからでしょうね。稽古場では、それぞれが愛するキャラクターのTシャツを着たりしています(笑)。

『サンリオ男子』で僕が演じる源誠一郎はシナモロールが大好きな人物です。「MEMORY BOYS」ではマイメロディが相棒だったので、マイメロディ以外のキャラクターとはあまり関わりを持てずにいました。でも、キャストお披露目会のときにシナモロールと至近距離で対面して、あまりのかわいさに驚いてしまって! もともと「かわいいな」とは思っていたのですが、マイメロディへの愛はそのままに、シナモロールにも一気にぞっこんになりました(笑)。

今はまだ、各種イベントに出演させていただいている段階なので、源誠一郎としての役を深められるのはこれからです。11月の公演に向けてしっかりと役を作っていきたいと思っています。

――公演が楽しみですね。上山さんがお芝居をしていて「楽しい」と感じるのはどんなときですか?

「新しい発見をしたとき」ですね。稽古を重ねていくうちに、演じる人物のセリフが、心から発した“自分の言葉”になる瞬間がふと来る。役者は役を“演じる”ので、まるっきりその人物ではありません。相手と会話していても「なぜこの言葉が出てくるんだろう」など、どこかで心にひっかかりが生まれてしまいます。でも、役と自分が溶け合って“セリフ”が“言葉”になったとき、心にぐっとくるものを感じるんです。

役への視界が開けて心に1歩踏み込めた瞬間「お芝居をしていてよかった、楽しい」と感じます。そうやって階段を上っていくためにお芝居をしているんだと思っています。

――9月からフリーで活動を始められました。フリーになるにあたって、きっかけがあったのでしょうか?

「この環境に甘えていてはいけない」と感じたんです。すべて自己責任である場に身を置いてやってみよう、と。事務所に所属していれば、仕事を持って来ていただけるしスケジュール管理などさまざまなことをマネジメントしていただけます。でも、それらに甘えず自分の力でやってみたいなと考えて。

フリーになるにあたっては、もちろん不安もたくさんありました。

でも今は「これからどんな景色が待っているんだろう」と楽しみな気持ちの方が大きいです。フリーになることをSNSでお知らせしたとき、ファンの皆さんから「今後も変わらず応援していきます」との声をたくさんいただきました。応援してくださる皆さんのためにも、責任を持ってやっていかなければと改めて強く感じています。

――楽しみだというこれからについて、挑戦してみたいことや展望をお聞かせください。

舞台の世界では、お芝居はもちろん歌やダンスのスキルも非常に必要になります。今持っている能力の底上げと、それらをさらに磨いていくことに力を入れながら、声のお仕事やモデルにも挑戦したいです。ボイストレーニング、ダンスレッスン…やるべきことはたくさんありますね!

僕が今こうして頑張れているのは、ファンの皆さんからの応援のおかげです。舞台の公演中にいただくメッセージ、お手紙、SNSで寄せていただくコメントなど、すべての言葉が僕の力になっています。

これからは、そのご期待と応援してくださるお気持ちに応えていけるように精いっぱい頑張っていきます。変わらぬ応援をどうぞよろしくお願いします。

取材・文:広瀬有希/撮影:泉健也

各種概要
■出演
・ミラクル☆ステージ『サンリオ男子』~One More Time~
11月10日(金)~19日(日)
東京・I’M A SHOW

・初ファンミーティング開催
11月23日(木・祝)

■Twitter
@kohei_kamiyama

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WRITER

広瀬有希
							広瀬有希
						

金融・印刷業界を経てフリーライターへ。エンタメメディアにて現場取材・執筆の他、日本語・日本文化教育ソフト監修、ゲームシナリオ、ノベライズなどで活動中。感動が伝わる文章を目指して精進の日々を送っています。

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