舞台『弱虫ペダル』THE DAY 1が8月4日(金)から東京・天王洲 銀河劇場で上演される。
本作は、渡辺航による漫画「弱虫ペダル」の舞台化。孤独なアニメオタク少年の小野田坂道が、総北高校自転車競技部の仲間とともにインターハイを目指し、その中でライバル校である王者・箱根学園(ハコガク)や京都伏見高校らのメンバーと切磋琢磨しながら成長していく姿が描かれる。
2.5ジゲン!!では、今泉俊介役の砂川脩弥と荒北靖友役の相澤莉多にインタビューを実施。出演が決まった際の気持ちやお互いの印象、歴代キャストから学んだことなどを語ってもらった。
――まず、ご出演が決まった際のお気持ちをお聞かせください。
相澤莉多:もともとファンの方々と同じように、荒北靖友と(演じていた)鈴木拡樹さんをカッコいいと思っていました。それを自分が演じさせていただくことになって、大丈夫なのかという緊張とわくわくとが入り混じって…。
鈴木さんのことをすごく尊敬しているので、先日稽古場にたまたま来られて実際に生でお会いできた時には、ファンのような気持ちになりましたね(笑)。尊敬している方が演じていた役を自分が演じることに恐れ多い気持ちもあるので、観てくださるお客さまに失礼にならないよう、しっかりと考えてやらなければと思っています。
砂川脩弥:実は役が決まるくらいのタイミングで、アニメの「弱虫ペダル」を観ていました。2.5次元作品に出演するようになってから、「どのキャラクターを演じたいか」と考えながらアニメを観るようになったのですが、今泉くんを演じたいと思っていたので運命的なものを感じましたし、嬉しかったですね。
ファンの皆さんのおかげで続編ができますし、1年の時を経て役者としてパワーアップした座組で今作をお届けできることが楽しみです。
――それぞれが演じるキャラクターの魅力や、役作りのポイントを教えてください。
相澤:僕は、最初にキャラクターの動きや考えが頭に入らないと演じられないので、いつも役に入りこむまでに時間がかかってしまうんです。
演出の鯨井さんが要所で「ここでこうなるよね? じゃあどういう風になるかな」「こんな時、荒北ってこうだよね」と声をかけてくださるので、日々新しい発見がありますね。自分が考えている荒北とはまた別の、鯨井さんの視点からのアドバイスで新しい荒北が生まれています。
僕にしかできないこと、鯨井さんからご指導いただいたことを取り入れながら頑張りたいと思います。
砂川:莉多は自分で役に入るのが遅いと言ってますけど、入ってからがすごいんです。急激に役に没頭して。そういうところがすごく素敵だと思います。
相澤:ありがとうございます! 荒北も、目の前のことに対する集中力がすごいじゃないですか。自分とリンクするところがあるんですよね。
それで言うと今泉も、とあるシーンで荒北からプレッシャーをかけられるところがあるんですけど、脩弥くんのそのシーンに対する理解度と圧がすごいんです! こっちが追い込んでいるはずなのに、後ろから追い込まれるくらいの気迫を感じるのが本当にすごくて…今話せてよかったです(笑)。
砂川:ありがとう。莉多は「こうやったらカッコいいだろうな」っていうことをしっかり考えて動きを作り込んでくるんですよ。それを見て、俺も頑張らなきゃと思いますし、ライバル関係にあるのかもしれないですね。お互い高め合っていきたいです。
今泉については、クールだけど「ここで熱くならなきゃ男じゃねえ」みたいな、内に秘めた熱いものがあるところが魅力的ですね。クールな時と熱くなった時の振れ幅の大きさも素敵です。熱くなるのは、荒北をはじめ人から何か影響を受けた時が多いので、周りの動きを意識するようにしています。
――それでは、お互いの第一印象をお聞かせください。
相澤:他の作品を拝見した時に、ビジュアルがカッコいいなと思っていたんですけど…実際にお会いして、すごく柔らかい方だと思いました。脩弥くん、いい意味で“死んだ目”ができるじゃないですか! それってできる人とできない人がいると思うんですけど、その雰囲気とは違って、すごく柔らかくて優しい方でした。今回、たくさん話せて嬉しいです。
砂川:莉多のこと、最初は寡黙なタイプだと思っていたんです。ビジュアルがいいのに自信家なこともなく、すごくストイックだし、謙虚だし。今は「可愛い奴だな」と思っています。まだ知らないこともあると思うので、これから知っていきたいですね。
――今回の舞台化にあたって、特に楽しみなシーンはありますか。
砂川:レースアシストのシーンですね。やっぱり自転車レースって“仲間に想いをつなげていく競技”だと思うのですが、レースアシストは最後に想いを届けるシーンなので、注目してほしいです。
相澤:レースアシストももちろんですし、他には御堂筋(演:新井將)が登場する時の異質感ですね。將くん、すごく研究して役を作っていると思います。
ほかにも、泉田塔一郎役の青柳塁斗くんは本読みの段階から台詞を全部覚えていて本当にすごかったんですよ。皆台本を持って読んでいたんですけど、塁斗くんはアツいシーンでは台本を放して胸筋ぴくぴくさせながら台詞を言っていました(笑)! 喋り方も何もかも、全部すでに作り上げているからこそですよね。
新キャストの作り込みにもぜひ注目してほしいですね。
砂川:確かに。御堂筋が登場した時とか、空気感が変わりますよね。泉田の筋肉も絶対生で見た方がいいと思うので、ぜひ楽しみにしていてください。
――歴代キャストさんが稽古場に来られたとお伺いしています。お会いしたご感想はいかがでしたか?
相澤:実は宮崎秋人さんとは別のタイミングでお会いすることがあって、その時もペダステに関するお話を聞いたんです。すごく素敵なエピソードをお伺いしたので、皆にも聞いてほしくて俺から伝えました。
稽古場に来てくださったときは、秋人さん、本当にすごいんですよ。べらべら喋るんじゃなくて、要所要所をしっかりお話してくださるんです。実演も凄くて…!
砂川:実演していただいた時、「(自転車が)見える」ってなりましたもんね。
相澤:ね!(笑) 自転車を漕ぐ時、乗る時の1つの動きをとっても秋人さんのお話を聞くことで色々考えることができました。ツールドフランスの映像を見直したり、ロードバイクに乗っている人を見たり、皆で研究するすごくいいきっかけにもなりました。
砂川:秋人さんに実際にお会いしてお話をお伺いして、役者としても得られるものがありました。お客さんに見せるだけではなくて色やにおい、景色をもっと表現できるんじゃないかと…。「役者としてここまでこだわることができるんだ」っていう気づきがあって、少し悔しさもありましたね(笑)。本当に勉強になりました。
今作では、新しい動きも取り入れるようになりました。「スタンプ」っていう足の動かし方なんですけど、皆初めてだったんです。そういうところについても、秋人さんだからこそのアドバイスをたくさんいただきました。
――最後に、意気込みとファンへのメッセージをお願いします!
砂川:前作もアツかったんですけど、今作もこの夏の暑さ以上の熱量でお届けしたいと思っています。ペダステでしか味わえない感動をぜひ体験していただきたいですし、いいものをお届けできる自信があります。いい景色を皆さんに見せられたらと思います、よろしくお願いします。
相澤:役者も演出も音楽も何もかも、新しいものができています。客席から僕も観たいという気持ちになるんですけど、観られないんですよね…。でも実は、皆さんには客席から観る権利があるんですよ(笑)! 素敵なものができあがっていると思います。観に来ていただけたら絶対に良さを伝えられる自信がありますので、よろしくお願いいたします!
取材・文:水川ひかる/撮影:ケイヒカル/ヘアメイク:Aki
広告
広告