インタビュー

【推しの推し】輝山立が集めた60個超のポケモンぬいぐるみ ディープすぎる沼にハマった理由「どの現場でも布教しています!」

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普段はファンから「推し」と呼ばれる2.5次元俳優たちだが、彼らにも「推し」はいるのだろうか……。いや、きっといる。しかも、かなりの熱量を注いでいるはず。なぜなら、誰よりも「推し」の世界に浸っているのだから。

輝山立にとっての「推し」はポケモンだ。インスタグラムアカウント(@ryukiyama_ganbaryu)を覗くと“ポケカ”(ポケモンカード)の開封動画など「ポケモン愛」にあふれた投稿が多く見られる。

中でも圧巻は棚一面のぬいぐるみ。その数60個以上という。いったいポケモンの何が輝山立を虜にしたのか。お気にいりのぬいぐるみに囲まれた輝山に、たっぷり語ってもらった。

――まずは、ポケモンにハマった経緯からお聞きしていきます。小さい頃からポケモンはお好きだったのですか?

ポケモンのゲームやアニメは子どもの頃から触れていたし好きだったのですが、ハマったのは、ここ3~4年のことです。稽古終わりに、仲のいい先輩から「ポケモンカードをやろう」と誘われて。

「大人になった今、ポケモン?」と思いつつ始めてみたのですが、ものすごくおもしろくて、そこからすっかりポケモンの世界にハマってしまいました。

――きっかけはポケモンカードだったのですね。どこに「おもしろい!」と魅力を感じたのでしょう?

ジャンルとしての深さですね。(ポケモンは)いろいろな楽しみ方ができるんですよ。昔はただ漠然と「好き」だったのが、キャラクターを深掘りしたり、知識を付けたりした状態でデッキを組んでいく(カードゲームで手持ちの札を一揃え選ぶこと)ような、頭を使う楽しみ方もできることを知って。やればやるほどポケモンたちに愛着がわいてきて「カードゲームってこんなに深いところまで楽しめるものなんだ!」と。

そのうち、カードだけではなくNintendo Switch版のゲームや、スマホアプリの「ポケモンユナイト」(『Pokémon UNITE』)も始めました。

△輝山私物のポケカグッズ

――“ポケモンのゲーム”でもいろいろな種類があるんですね。

たくさんあります。僕が初めて買ってもらったのは、小学生のときに発売されたゲームボーイの“黄色”(『ポケットモンスター ピカチュウ』)、その続編の『ポケットモンスター 金・銀』は小さい頃に一番やりこんだかも…。

最近はSwitchで『ポケットモンスター バイオレット』と、先ほど言ったアプリの『ポケモンユナイト』をやっています。

――遊び方や内容もそれぞれ違うのですか?

『ユナイト』は、1人でもできますが、最大5人でパーティを組んでバトルをするゲームです。Switchの『バイオレット』はオープンワールドゲームで、自由にポケモンを探し回ったりストーリーを進めたりと、際限なく遊べます。

実は、この『バイオレット』で初めてポケモン図鑑を完成(すべてのポケモンを収集)させたんですよ!

『バイオレット』は『スカーレット』と対(つい)で発売されたゲームです。なので、『スカーレット』の世界で遊んでいる人と協力しないと図鑑を完成させられないんです。

――そうなると、誰かの助けが必要になるんですね。

そうです! 1人ではどうしても限界があるんですよ。

そこで、僕よりもかなり深いところまでやりこんでいる長江崚行くんに連絡して、冒険を手伝ってもらいました。そうじゃないととても全部のポケモンを集められなくて。

それから、武子直輝くんと小林竜之さんとも一緒にやりました。Switch版のゲームを始めた直後くらいに直輝に「どうやって遊んでいるの?」と聞かれて「何となく冒険してる」と答えたら、その後から一緒に遊んでくれるようになって。ポケモンのタイプや固体値、育て方などについても全部教えてもらいました。

僕はその頃はカードで遊ぶのがメインだったので、直輝のおかげでSwitch版も深掘りできて「(Switch版の)ゲームもこんなに楽しいんだ!」と感じることができました。

――師匠のようなものですね(笑)。教えてくれる人がいると、さらにハマってしまうのは分かります。

カードゲームもそうです。僕にポケカの遊び方などを教えてくれた先輩にも、師匠のように教えてくれた人がいて、知識の継承というのでしょうか(笑)。誰かから教えてもらったものを、別の誰かに伝えていく…、そうやってみんなでもっと強くなっていけばもっと楽しくなれる!

長江くんは、ポケモンだけではなくて他のカードゲームなどもかなりやり込んでいて周りにすすめていますし、文化を伝える人だと言ってもいいですね(笑)。

――輝山さんご自身も、そのときどきのカンパニーやお友達に広めているのでしょうか?

どの現場でも布教しています!(笑) 先日出演した忍ミュ(ミュージカル「忍たま乱太郎」)でも広めてきました。どの現場でも大体ポケカなどのカードゲームをやっているキャストがいるので、仲良くなるきっかけにもなっています。

――ポケモンは幅広い年齢層のファンがいますし、共通言語になりそうですね。

忍ミュの現場には子役もいるので、一緒にゲームをして仲良くなれました。通信で対戦したり、一緒に冒険に行ったり。子役の子たちもはじめは緊張していたようなのですが、ポケモンを通じて一気に仲良くなって、すぐに「立さん!」となついてくれて。

他の現場では、10歳年上の先輩と情報のやり取りをすることで絆が深まりました。先輩に話しかけに行くとなると、普段はやはり緊張してしまうのですが「あの方ポケモンやってるらしいよ」と事前に聞いていればすぐに話しかけに行けます(笑)。

作品が終わって毎日会わなくなっても、タイミングさえ合えばオンラインで会えますしね。ポケモンを始めて、コミュニケーションが取りやすくなったと感じています。

――現場でのコミュニケーションが取りやすくなった他にも、ポケモンにハマってよかったと感じることはありますか?

「趣味はポケモンです」と言えるようになったことです。これまで僕は「これが趣味です」と言えるものがなくて…。好きなことを仕事にさせていただいていますが、それとは別に好きなものがあるのはいいなと思いましたし、仕事を頑張る活力にもなっています。

それから、僕がポケモンにハマっているのをきっかけに、ファンの方が「私も好きになりました」と教えてくださるのもうれしいですね。

△ぬいぐるみはすべて輝山の私物

今、東京だとなかなかポケカが買えない状況なので、地方で買えた方が未開封のままお手紙に同封してくださることもあります。

以前、ファンの方がくださった中に、この(大事そうに出す)マリィのカードが入っていて! 未開封でいただいているので本当にたまたまだったのですが。とてもレアなカードで、ファンの方にいただいたもので自引きしたのが嬉しくて、額に入れて大事に飾っています。

△取材時も大切そうに額のまま持参してくれた「マリィ」のカード

***

――ポケモンのゲームをやっている役者さんはとても多いですが、輝山さんはぬいぐるみなどのグッズも多く集めている印象です。グッズを集め始めたきっかけは何だったのでしょうか?

ポケカを買いにポケモンセンターに行ったところ、ぬいぐるみが目に入って…。小さくてかわいいし、そんなに高いわけでもなくて。それでつい、カードを買ったついでに買うようになってしまいました(笑)。

それから、徐々にファンの方がプレゼントでくださったり、鷲尾修斗くんとゲームセンターに行ったときにクレーンゲーム機で取ってもらったりして。

そうしているうちにどんどんたまっていったので「飾るか!」と思い立って、ポケモンのぬいぐるみを飾るための棚を買ってしまいました(笑)。

――飾ってみてのご感想はいかがでしたか?

「いいな…!」と思いましたね。これまで収集癖はなかったのですが、好きなものに囲まれるのはいいな、と。フィギュアを部屋にたくさん飾ったり、“推し”のグッズをたくさん飾ったりする方の気持ちがわかりました。生活に張りが出ました!

今、お気に入りのキャラクターは(撮影にも使用した)ブラッキーです。強くてかわいい、最強ですね!

――ハマってみて、改めて感じるポケモンの魅力についてお聞かせください。

「いろいろなコンテンツがあってその人に合った楽しみ方ができること」と、そして「それらがすべてつながっていること」ですね。

例えば、Switchの『バイレオット』でポケモン図鑑を全部埋めたとして、その知識はカードゲームでも活かせるんです。『ユナイト』でもそう。どのポケモンがどんな能力を持っていて、どれだけ強いのかすでに知っているから「このカードはレアだな」「この子はこういう戦いで活かせる」などが理解できるようになります。

僕は、カードからポケモンにハマりましたが、その他にもポケモンのコンテンツはたくさんあります。テレビアニメ、映画、ゲーム、パンやお菓子…。どこからでも入れて、ハマればハマるほどそのすべてがつながっているのに気づいて楽しくなります。

映画やアニメが好きな人はそれだけでも楽しめるし、ゲームだけでももちろん楽しい。1つのコンテンツだけ楽しんでもいいし、“つながっている”のを意識して、さまざまなコンテンツを楽しむこともできます。

――とても奥の深いコンテンツですね。海外でも人気が高いのが分かります。

僕のInstagramのポケモン関連の投稿には「#pokemon」をつけているのですが、海外の方もいいねをたくさんつけてくださるんですよ。「“pokemon”は世界共通言語なんだ!」と感じました。

海外の方のポケカ開封動画もおもしろくて見ていますし、世界中の人がポケモンを楽しんでいるのはうれしいことですね。

今までは、海外の方の動画を見るなんていうことは考えもしなかったのに、自分の中の世界が広がっていっていると実感しています。

――最後に、この記事を読んでいる読者の方へメッセージをお願いします!

一般的には、ポケモンは子ども向けコンテンツという印象があるかもしれません。でも、子どもだけではなく僕のような大人も夢中になれるコンテンツなんです。

知識をつけてバトルゲームでどんどん勝っていったり、わくわくする冒険の旅のストーリーを楽しんでいったり…かわいいぬいぐるみに癒やされてもいいし、ポケモンを育てていく喜びを覚えてもいい!

アナログのカードゲームをみんなで楽しんだり、オンラインで対戦したり、ポケモンカフェでかわいいメニューを頼んで写真を撮ったりするのも楽しいです。

ゲームが発売されるごとにポケモンは増えていきますし、楽しみ方もどんどん増えて広がっていきます。僕がそうであったように何歳からでも入れますし、これからももっと広がっていくであろうポケモンの世界を、たくさんの人と一緒に楽しみたいです。

ぜひ、僕と一緒にポケモンの世界へ冒険に出かけましょう!

***

聞き手としてあえて事前に知識をつけず「素人へプレゼンしてもらう」という形で、好きなものを好きなように輝山に語ってもらったこの企画。目をキラキラと輝かせながらポケモンの魅力について熱く語る姿が印象的だった。この影響で、インタビューの数日後、サンシャイン劇場の帰りにポケモンセンターメガトウキョーへつい立ち寄ってしまった。

取材・文:広瀬有希/撮影:MANAMI
(C) Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku (C) Pokémon

各種概要
■出演

舞台「黎明の王」
7月20日(木)~23日(日)
東京・六行会ホール

劇団共働き 第2回公演「三木家、血を蹴る」
8月16日(水)~20日(日)
東京・サンモールスタジオ

■Twitter
@Ryuuukiyama
■Instagram
@ryukiyama_ganbaryu

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WRITER

広瀬有希
							広瀬有希
						

金融・印刷業界を経てフリーライターへ。エンタメメディアにて現場取材・執筆の他、日本語・日本文化教育ソフト監修、ゲームシナリオ、ノベライズなどで活動中。感動が伝わる文章を目指して精進の日々を送っています。

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