歌、演技、ダンス、すべてを兼ね備えたパフォーマーであるミュージック・シアターアイドル(以下、ミュドル)が在籍する事務所「プラネット・プロダクション」。同事務所が2021年に突如として始動させた俳優系VTuberによる『プラネテ・プロジェクト』(以下、プラプロ)では選ばれた10名のミュドルたちがYouTubeやSHOWROOMを中心に活躍中だ。
発足から1年半経った今、ついにメンバー全員でのアニバーサリー公演『コヒーレンス-回帰誕-』(以下、コヒーレンス)の上演が決定。本公演はドラマCDという形で2022年8月31日(水)より一般発売中だ。
2.5ジゲン!!では、前編・後編に渡ってメンバー10名での座談会を実施。前編ではメフィスト・フォン・リド、猫華(まおか)、神納木 祥大(こうのぎ しょうた)、桂月夜(かげつ)、キララ・マーリンの5名が集い、リドを進行役にして落ち着いた雰囲気のなかスタートした。
桂月夜「収録のとき、ライバのブルーへの想いが重なって思わずうるっときた」
――まずは皆さんの自己紹介からお願いします。
メフィスト・フォン・リド(以下、リド):リドと申します。種族は悪魔です。我々は『REMINDs』というチームに所属しておりまして、応援してくださるファンの皆さまのことを『リング』と呼ばせていただいております。
私は一見メンバーのまとめ役のように映るかと思いますが、台本のない全員配信などでは場を散らかすことが大好きなんですよ。散らかすだけ散らかして他メンバーのミカエル(ミカエル・T・ウィロー)あたりが収拾してくれようとするところをさらに掻き乱すという、楽しい役どころですね。私はクラフトビールが大好きなので個人配信では素敵なビールを紹介しています。
猫華:獣人ネコ科だよ。配信ではキュンキュンするような朗読をしたり、歌を歌いながらキュンキュンするようなことを言ったり、美容についての質問にも答えてるよ。そうそう、猫華は明日ダーマペン行って美肌にしてくるの♪
神納木 祥大(以下、祥大):種族は人間、先日31歳になりました! 配信では弾き語りやゲーム実況がメイン。僕自身は怖がっているつもりなんですけど、周りからはそう見えないみたいで…ホラーゲームの実況のリクエストが多いんです。配信を見に来てください!
桂月夜:桂月夜といいます。年齢、種族を聞くのは野暮やで? 歌やゲーム、料理、占い、いろんな配信をやってます。リングのみんなが見たいこと聞きたいことをやってる感じです。
キララ・マーリン(以下、キララ):キララです! 種族は魔法使い。配信では朗読とか、基本的にはおしゃべりしていることが多いかな。メンバー内での立ち位置はツッコミ…なのかな? 日によって変わるかも? 特技は魔法です☆
――本作コヒーレンスや過去作品について、いつもどのようにして収録しているのでしょうか?
リド:実は収録は1人1人個別で行うことが多いです。コヒーレンスも個別でスタジオに入り、台本を見ながら行いました。立って動作を付けたり、座ったまま読み上げたりと作品や場面によっていろいろな収録の方法があります。
――収録中の雰囲気はいかがですか?
リド:スタッフ方はいつも褒めてくださるんですよね。必ず。気持ちよく演じさせていただいています。
猫華:やっぱり脚本のナス(ナスエリカ)さんをいかに満足させるか、だよね。
キララ:猫華、その言い方でホントにいいの(笑)?
一同:(笑)
猫華:物語も役も1番わかっている人なので、話し合いながら深めていく感じかな。
祥大:脚本家さんがすぐ側に付いてくれていてセリフを入れていける環境ってすごく幸せなことなんですよ。ナスさんがどういう意図で書かれたのか、僕がどういう想いでそれを読んだのか、ディスカッションしながら声入れをできるんです。
ナスさんは基本めちゃくちゃ優しいんですけど、こだわるところはしっかりと突き詰める瞬間があって。そうすると俺も「ここ、いくぞ!」と、ギアがもう1段階上がっちゃいます。ものづくりの現場としてもとても楽しいです。
キララ:コヒーレンスでは双子のパープルという生徒のキャラクターをやらせていただいたんですよね。リドが努める片割れのイエローの声はすでに収録済みで、その音源の一部を現場で聞くことができたので、僕はすごくやりやすかったんです。リドは大変だったかもだけど。
リド:私はパープルという役から「キララくんはきっとこういうお芝居してくるだろうな」という想像がある程度できていたので、やりづらいとかはなかったですよ。あとはナスさんと双子の微妙な違いやニュアンスを詰めていきました。
――コヒーレンスのお話で印象に残っているシーンやセリフがあればお聞かせください。
リド:本作は先生と生徒がペアとなって日常生活を送っている、というお話なのですが、作中にはそれぞれのペアごとに回想シーンが設けられているんです。そのシーンの「景色」と「先生と生徒の距離感」がとても面白かったですね。
キララ:俺も同じだわ~。ここって、魅せなきゃいけないシーンだったので、こだわって録らせていただきました。僕の回想シーンは、1回でサクッと録り終わったんですけど、たまたま機材トラブルが起きて、うまく録音ができてなかったんですよね。収録が再開したときに「もう1度一から録り直しませんか?」って僕のほうから提案させていただいて、このシーンをさらに深掘りさせてもらった記憶があります。
猫華:最初からどんどん引き込まれるような作品で。猫華の役どころ(クリスタル学長)でいうと最後の最後に「まじ?」っていう展開が用意されてるよ。
祥大:ギリギリを攻めるね(笑)。僕は主演となる生徒・ブルー役をミカ(ミカエル)が演じるっていうのが驚きでしたね。普段の彼のイメージと本作の役のイメージが似ているようで違うから、どういうふうになるんだろうって。
――桂月夜さんは準主演、先生・ライバという役どころでした。
桂月夜:全体としては「ご自身の中の低い声でお願いします」という指定があったんですよ。そこを追求させていただきました。クライマックスの、1番盛り上がるシーンでは、ボクの気持ちも高揚してしまうので、声が上ずってNGが多かったんです。何度もテイクを重ねた気がします。そこは苦労したし、印象に残っていますね。
――沙月ゆう先生によるキービジュアルも素敵ですね。
リド:まずですね、髪色がですね、まるっきり変わっちゃったんですよ。なかなかない経験だなと(笑)。自分でも見慣れなくて、全員集合のキービジュアル解禁の際には思わず探してしまいました。
本作に登場するキャラクターはもちろん普段の私たちとは別人ですが、見た目も大きく異なっているので、素敵なビジュアルとともにそういった「どこがどう変化したか」という部分も楽しんでいただきたいですね。
猫華:猫華が思ったのは、「祥大のマスクってどうなってんの?」ってところ。透けてるじゃんって(笑)。
祥大:そこは僕からお話しましょう。どうも、1周年を経て「ずっと顎にかけていたマスクを外すのか…!?」と思いきやガッツリ付けてくスタイルの神納木です。
一同:(笑)
祥大:今回SFに寄せた世界観になっておりますので、「こんだけ透けていてもウイルスは通さないぞ」という強い意志と近未来感? が如実に現れているかと思います。さらに! 蛍光カラーなので夜のお散歩も安心、というのがこの商品のおすすめポイントです。
リド:通販ですか?
一同:(笑)
――ねりきりさんの楽曲・凪さんの歌詞についての印象もぜひ。
リド:初めて凪さんの歌詞を拝見したときに、とてもアニバーサリー(公演)らしい素敵な内容だなと感じました。楽曲はねりきりさんならではの爽快感や、エモくなるような楽器の使い方をされていて、聞いているととてもワクワクしてきます。
猫華:それぞれのキャラクターが歌っているパートごとに重要な意味が隠されているので、そこにも注目しながら聞いていただけたらなって。
祥大:歌詞と脚本の両方に対して感じていたことなんですけれど、本作ってすごく重厚なお話なんですよね。「アニバーサリーのタイミングにこんな重たい話を持ってくるのか!?」って。メロディ自体はアップテンポで素敵なんだけど、歌詞でグッとくるというか。「こういう1周年の振り返り方もあるんだな」と思いました。改めて僕たちも、スタッフさんも「頑張ってここまでこぎつけたぞ!」というのを実感できています。それはリングの皆さんも同じように感じていただいているのではないでしょうか。
桂月夜:歌詞が感情とリンクするんですよね。あとは毎回思うんですが、ねりきりさんの曲がカッコいい。収録のとき、サビのところでライバのブルーへの想いが重なってしまって思わずうるっときてしまいました。
キララ:歌詞もトラックもカッコいいよね。ロックでラップな感じというか。お2人がこのコヒーレンスの世界観をさらに深めてくださっています。
これがゴールではなく、チャプターとして残って、これからもっと盛り上がるための礎に
――改めて本作の見どころと、視聴される皆さんへメッセージをお願いします。
リド:まず、10人で1つの公演をできるということがとても感慨深いです。集大成といえる本作なので、ぜひ覚悟してお聴きください(笑)。いつもの和気あいあいとしている私たちとは違った面をご覧いただけると思います。どうぞよろしくお願いいたします。
猫華:映画を見ているような感覚で楽しめる作品です。この作品が猫華やREMINDsのみんなを知ってくれるきっかけになると信じています。少しでも興味を持ってくれたら嬉しいな。
祥大:10人で1つの作品をやるためにオーディション企画や配信を頑張ってきました。そんな想いが形になって実現したのがこのコヒーレンスです。10人それぞれのお芝居を楽しみにしていていただきたいですし、皆さんにとって大切な作品になればいいなと思います。そしてこれがゴールではなく、1つの点として、チャプターとして残って、これからもっともっと盛り上がるための礎になってほしいです。よろしくお願いします。
桂月夜:1年半、メンバーとリングの皆さんで培ってきたものを全てぶつけた作品です。作品自体のクオリティも想いと同じように高いものとなっていると思うので、初めて聞いていた方も喜んでいただけるはず。今回、生徒と先生がペアを組んで生まれる“絆”がテーマになっています。登場人物それぞれの立ち位置を想像しながら聞いてみてください。きっとそのうちの誰かに感情移入をして何かを得られると思います。ほなね~。
キララ:まずは10人での公演を実現させてくださったリングの皆さんに心から感謝をしています。ありがとうございます。この作品によって初めてプラプロを知ってくださる方がいたらとっても嬉しいですし、これまで支えてくださったリングの皆さんには新しいプラプロの魅力を見つけていただけたらと思います。本作には「言葉にならない特別な距離感」がそれぞれのペア同士にあって、いろいろなペアの形が登場します。この記念すべき公演をリングの皆さんに愛していただきたいです。
***
前編はここまで。続く後編ではアニバーサリー公演で主演を努めるミカエル・T・ウィロー、椿紅 荘鬼、フィン・ヴォルフ、ジェミー、ユウ・ドラクルの5名による座談会をお届けする。
取材・文/前田春樹(studio KAORO)
ビジュアル/沙月ゆう、プラネットプロダクション製作委員会
作品概要
■プラネテ・プロジェクト
“ミュドル”の卵を抱える大手ミュドル事務所「プラネット・プロダクション」によって企画された新規事業こそが『PLANETE PROJECT』、略して「プラプロ」。このプロジェクトには全宇宙から集められた種族、年齢、経歴が異なる個性的な10名のミュドルの卵たちが参加中。
■Anniversary公演『コヒーレンス-回帰誕-』Introduction
閉鎖されたこの学校では
生徒と先生がそれぞれペアとなり、
円滑な人間関係を築くために必要な知識や教養を身につけていた。彼らは、用意されたすべての課題をクリアしないと卒業できない。
そこに通うブルーは反抗的な生徒だった。
問題行動ばかり起こす彼に、ペアの先生・ライバはいつも手を焼いている。ある日、学長から呼び出されたブルー。
学長は生徒の中で1人だけ最終課題をクリアしていない彼にある提案をする。自分だけ卒業が決まっていないことに焦りを抱えていたブルーは
その提案をのむのだが——。「生徒と先生の間には、言葉にできない特別な何かがある。」
コヒーレンス、その2つの光の波は互いに干渉し合い、変化する。
そして、生まれたのは?
広告
広告