舞台「炎炎ノ消防隊」-地下からの奪還-が9月17日(土)に東京・サンシャイン劇場で開幕する。本作は大久保篤による「炎炎ノ消防隊」(講談社『週刊少年マガジン』所載)の舞台化作品で、2020年8月の第1弾、2022年1月の第2弾に続く3作目。炎の怪物“焰ビト”から市民を守る特殊消防隊員たちの活躍を描くストーリーだ。
2.5ジゲン!!では、今作から主人公の森羅 日下部(シンラクサカベ)を演じる石川凌雅にインタビューを実施。本作への意気込みや役作りのほか、これまでの自分を大きく変えることとなった出会いや言葉、今後のビジョンなどについてたっぷりと語ってもらった。
――本作に出演が決まった時のお気持ちを聞かせてください。
皆さんの期待に応えるために、もっと成長しなければいけない、と強く感じました。
大きな物事に挑戦する前には、いつも大きな不安やプレッシャーに襲われます。乗り越えるために気合を入れなければ、と向き合ってみても、特に今回の場合はどうしても“主演”や“座長”の言葉が頭にちらついてしまって…。でも板の上に立てば、観てくださるお客さまにとって、僕のキャリアは関係ありません。“できる”と思って僕を選んでくださったのであればその期待に応えたいですし、自分を信じて頑張っていこうと思っています。
――演じる森羅 日下部(シンラクサカベ)の役作りの構想はいかがですか?
心情の面では、悲しみに支配されずに強くあろうとする気持ちを大事にしていこうと考えています。家族を奪われた悲しみをもう誰にも味わわせたくない、皆を守るヒーローになる…自分の身に起きた悲しいできごとを志として生きていくには、想像を絶するほどの覚悟が必要だと思うんです。そのシンラの気持ちを想像しながら、1つ1つ積み重ねて役作りをしていこうと考えています。
生身でのアクションは今回がほぼ初挑戦なのですが、小学生の時に6年間空手をやっていたので、その経験が生かせるのではと思っています。前作までの映像を改めて拝見して、舞台上での動きをどう見せようかと研究しています。共演する皆さんと呼吸を合わせて、迫力のあるアクションシーンを作っていきたいです。
――今作で共演する方の中で、気になる方や特に共演が楽しみな方は誰ですか?
ヴァルカン・ジョゼフ役の TAKA(CUBERS)さんとは、実は5年ほど前に1度ご一緒しているんです。その時はお芝居ではなかったのと、本当に軽くだったので、TAKAさんは僕のことを覚えていらっしゃらないと思うんですけれど…。僕にとっては本当に嬉しい再会ですし、今回はお芝居という形で一緒に舞台に立てるので心から楽しみにしています。
それから、伊万里有(秋樽 桜備/アキタルオウビ役)さんは先日あった舞台のライブでご一緒させていただきました。「遠慮はいらないからどんどん来い!」という感じの肝のすわった頼りになる方です。桜備は第8特殊消防隊の大隊長ですからシンラも慕っていますし、僕が有くんを頼りにしている気持ちが良い意味でお芝居にも出てくるんじゃないかなと思っています。
――これまでの出会いの中で、ご自身にとって大きなターニングポイントとなったものを教えてください。
今年のはじめに出演した舞台で殺陣を教えてくださった、清水大輔先生との出会いです。教わったこと、いただいた言葉が自分の中で今でも生きているのを感じます。
その舞台の稽古中、何度繰り返してもどうしてもできないことがあったんです。できないことも悔しいですし、身も心も疲れ果てて、「誰か助けて」という気持ちが顔に出てしまっていたんでしょうね。「自分だけがしんどいと思うな!」と、叱咤激励を受けまして。そのことで、今まで自分がどれだけ周りに頼っていたのかに気付けました。疲れた顔や困った顔をしていれば、きっと誰かが声をかけてくれるだろう…自分はそうやって今まで生きてきたんだと改めて感じたんです。
自分で乗り越えなければいけないのに、そんな自分が恥ずかしいとも思いましたし、身ぐるみはがされてからだ一つになった感覚になりました。追い詰められた崖の先端でさらに突き落とされたようなものですね、そこからは自分1人で這い上がるしかありませんから。
ミュージカルが初めて、原作ありの2.5次元の世界が初めて、そんなことは関係ないんです。自分の力で限界を突破する、苦しいのは自分だけじゃない、経験不足は関係ない…清水先生のおかげで新しい価値観が得られました。これは今後も絶対に役立つだろうとその時感じましたし、もちろん今も大切にしています。
――立て続けに大きな舞台への出演が決まるなど、急激に環境が変化しているかと思います。ご自分の周りに激しい空気の流れのようなものは感じますか?
あえて感じないようにしています。山に登っているとして、来た道を振り返ればそのあまりの高さに怖くなってしまうかもしれませんし、そこから落ちてしまうかもしれない…と余計なことを考えてしまいそうだからです。
でも、長い公演の中で共演者の方々から「いいね!」と声をかけていただける回数が日々どんどん増えてきて、いい意味で気づかせてもらったことはたくさんありました。母やマネージャーさんが逐一教えてくれたりもしましたし(笑)。
まだまだ、やってみたいことはたくさんあります。ファンの皆さんや周りの方々から評価していただけることには感謝して大切にしながらも、これからも振り返ることなく進んで行けたらと思っています。
――舞台に立つうえで、これからさらに身に着けていきたい大事なことは何でしょうか。
度胸です。周りの諸先輩方や経験豊富な仲間たちを見ていると、ふとしたハプニングや窮地に立たされた時の対応力に驚きます。自分にまだ足りていないのは、そういった度胸や覚悟かもしれないと感じます。
――最近共演された中で、度胸があると感じた方はどなたでしょう?
松島勇之介くんです。どんなに無茶振りをされても臨機応変に応えて、何千人もいるお客さまから拍手をもらっている姿を見てすごいと思いました。度胸もあるし、アイデアの引き出しが多いんです。その発想はなかったと思わされることばかりで、彼の対応力の高さは尊敬するばかりです。頼りになる人ですね。
――今後どのような役者になっていきたいか、現時点でのビジョンを聞かせてください。
自分が表現したものが、誰かの記憶の中に長く刻まれる表現者になれたら幸せです。誰か1人でもいい、その人の一生の思い出の中のひとつとして残るものができたら、と思います。僕自身、小さい頃に観ていたテレビドラマや舞台のワンシーンを鮮明に思い出すことがあります。そうやって誰かの記憶に残るものを僕も創りだせたら、本当に幸せですね。
この世界に入ろうと思ったのも、自分の中から生み出したものや訴えたいものを表現して、誰かに知ってほしかったからなんです。これまでも絵を描いて誰かに見せたり、バンドをやってみたり歌を歌ってみたり。
大学を出て就職するタイミングでもその気持ちはずっとあって、このまま就職して働いてもいいのか? 表現する道に未練はないのか? と考えたんです。考えて考えて、「もっとこの感情や気持ちを何かにぶつけたい、表現をしていきたい」と結論を出しました。そしてオーディションを受けて拾っていただき、今に至ります。
この先、誰かの記憶に残る表現者を目指して、覚悟を持ってこの道を進んでいきたいと思っています。
――最後にあらためて、舞台「炎炎ノ消防隊」への意気込みをお願いします。
個性あるキャラクターたちが織りなす群像劇、かっこいいアクションや必殺技。ここでしか観られない唯一無二のエンターテインメントがたくさん詰まっています。 未来を明るく変えるのは、まずはここ、舞台「炎炎ノ消防隊」から! 全力で挑んで参りますので、応援のほどよろしくお願いします!
取材・文:広瀬有希/撮影:泉健也
ライブ配信概要
■対象公演・チケットリンク
▶2公演FULLセット(特典映像あり)
▶2022年9月17日(土)18:00初日夜公演
▶2022年10月2日(日)17:00千秋楽公演
※購入ページにアクセスします。■販売期間
・2公演FULLセット
・2022年9月17日(土)18:00初日夜公演
2022年9月2日(金)12:00~9月25日(日)18:00まで
・2022年10月2日(日)17:00千秋楽公演
2022年9月2日(金)12:00~10月9日(日)18:00まで■販売価格
・2公演FULLセット(特典映像付き)
7,400円(税込)
・2022年9月17日(土)18:00初日夜公演
・2022年10月2日(日)17:00千秋楽公演
3,700円(税込)■ライブ配信時間
各公演開始30分前~各ライブ配信終了まで(予定)■ディレイ配信期間
・2022年9月17日(土)18:00初日夜公演
2022年9月18日(日)18:00~9月25日(日)23:59まで
・2022年10月2日(日)17:00千秋楽公演
2022年10月3日(月)18:00~10月9日(日)23:59まで■2公演FULLセット 特典映像 視聴可能期間
2022年10月3日(月)18:00~10月9日(日)23:59まで■DMM.com特設ページ
舞DMM.com 舞台「炎炎ノ消防隊」-地下からの奪還-※公演開始30分前からライブ配信視聴ページに入場可能となります。
※ディレイ配信とは、公演の映像を後日期間限定で視聴出来るサービスです。
※詳しい視聴デバイスに関してはサービスサイトをご覧ください。
(C)大久保篤・講談社/舞台「炎炎ノ消防隊」製作委員会
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