インタビュー

百名ヒロキ、演歌の“色気”に苦戦? 目指す、歌とセリフの境界線なきミュージカル

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3月26日(土)に開幕する演歌ミュージカル「明日に唄えば~清き一曲お願いします~」に出演する百名ヒロキ。近年ではミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』やミュージカル「The PROM」などの人気作に出演してきた彼は、本作で演歌を初披露する。

元AKB48のメンバーで演歌歌手の岩佐美咲が主演を務める「明日に唄えば」。元演歌歌手の千春(演:岩佐美咲)は、夢半ばで引退、帰郷することに。古参政治家・根来川(演:モト冬樹)の事務所で務めることになり、千春の大ファンという選挙管理委員会の風太(演:百名ヒロキ)と出会う。そんな中、のど自慢大会が開催され、千春は歌の力を実感して…。

2.5ジゲン!!では百名に単独取材を実施。本作の見どころや稽古場の様子、歌の力などについて聞いた。

――「明日に唄えば」のあらすじ、ご自身の役どころをお聞かせください。

岩佐さんが演じる千春は演歌歌手だったのですが、引退して、寂れた田舎に戻ってくるところから物語が始まります。選挙が題材の作品で、根来川という人気政治家が「儲かる町」を目指すと言っているんですけど、昔からのお店が潰れていってしまう…。千春はウグイス嬢として働くのですが、葛藤していくことになるんです。

――その中で百名さん演じる風太はどのような役どころでしょうか。

選挙管理委員ですね。中立の立場にいなきゃいけないのですが、演歌歌手時代の千春のファンで、嬉しい気持ちもありながら、立場をわきまえないといけない…っていう役どころです。

最初は真面目なキャラだと思っていたんですけど、だんだん「ここもっと変な動きをしよう」と演出を受けたり、むしゃらで挙動がおかしな感じに仕上がってきました(笑)。箸休め的な存在にもなっているのかなって。選挙を扱うことで難しい印象があるかもしれないですが、僕が出るシーンではホッとさせられたらいいなと思います。

千春の一途なファンなので、千春と風太がどうなっていくかっていう関係性も見守ってほしいですね。最初は千春に対して緊張しているけど、物語を通して風太自身も成長していきます。

――「演歌ミュージカル」ということですが、このジャンルを聞いたときはどう思いましたか。

インパクトがありました(笑)。今まで “演歌ミュージカル”って聞いたことがなかったので、楽しみだなって思いましたし、2.5次元みたいに新たなジャンルになるかも? って。演歌は日本独自ですし、日本発ミュージカルって感じじゃないですか。可能性を感じましたね。

――今、稽古中途のことですが、雰囲気はいかがでしょうか。

最初に台本を読んだときと印象が全然違ってきています。劇団SETさんのチームワークもすばらしくて、僕みたいな外部の人にとってもやりやすいんです。コメディ要素もありますし、テンポももっと良くしようと試行錯誤しています。演歌ミュージカルではありますが、演歌を普段聴かない方でも観ていただきやすいと思います。

――演歌に合わせてにダンスもするんですよね。

そうですね。僕自身、演歌を歌うシーンがあるんですけど、がっつりダンスもしますよ。バックダンサーもいますし、他の方々も演歌でしゃかりきに踊りますから。

演歌と一言で言っても、かっこいい演歌、聴かせる演歌とさまざまです。あとはやっぱり岩佐さんの歌声がすごい。お芝居している台詞のときはかわいらしい印象なのに、歌った瞬間はもう大人というか、演歌特有の色気があります。このギャップは衝撃でしたね。

――確かに演歌は色気がありますよね。

余裕があるというか。今までいろいろなミュージカルに出てきましたが、また違う独特の発声方法みたいで、すごく勉強になっています

――人前で演歌を披露されたことはありますか。

ないですね(笑)。僕は沖縄出身なので、イベントなどで沖縄民謡を何回か歌ったことはありますけど、また違いますよね。でも民謡に近い部分はあるなと思います。

――色気を出すのは大変ですか。

かなり頑張っているところです…。ダンスだけなら「色気がある」と褒めていただいたんですが、ダンスの身体に歌をのせるのが難しくて…。演歌ということもありますし、試行錯誤しています。挑戦ですね。楽しみです。

――この作品は、歌の力が物語のキーになるかと思います。歌の力についてどう思いますか。

あるアーティストのコンサートに行ったとき、喉の調子が悪かったみたいで、CDとは全然違ったんです。それでも全力で歌っている姿にすごく感動しちゃって。ライブで届けることが感動につながるんだって。

ミュージカルも、歌とセリフが合体していて境界線がないと感動しますね。叫んでいても音程が合っていて。音楽ってリズムが決まっているので、感情を出しちゃうとずれてきちゃうんですが、毎回同じタイミングで感動させられるミュージカルってすごいです。それを体現できる役者さんに僕もなりたいです。

――ミュージカル『フィスト・オブ・ノーススター~北斗の拳~』にも出演されていました。そこで得られた経験は大きいですか。

今回とはジャンルが違うんですけど、歌の中にセリフをのせる心の叫びを学んだというか。特に僕は、崖のシーンで、吊るされながら歌わないといけない場面があって。身体の矛盾がある中で歌うのは難易度が高かったですけど、いい経験になりました。

そこでは音楽や歌に対する取り組み方を学んだので、今回の稽古に活かせるよう取り組んでいます。まず前提として演歌をちゃんと歌うことができて、その上にパフォーマンスをする。それぞれのやりがいがありますね。いままで積み重ねてきたものをちゃんと使いながら挑戦している感覚がありますね。

――今作では選挙における一票の重みについて語られる場面もあります。作品を通して改めて考えたことはありますか。

選挙で選ばれた政治家さんが、日本を作っていきます。政治に対して文句を言うんだったら、ちゃんと投票に行って自分で選ばなきゃいけないって思っています。選ぶのは大変ですけど、投票は行くべきですよね。

セリフにも出てきたんですけど。今、声をあげないと未来は変わらない。本当にそのとおりですよね。この作品で投票率が少しでも上がったら、それはいいことなんじゃないかなと思います。

――改めて「明日に唄えば」とご自身の見どころを教えてください。

歌あり、ダンスあり、コメディありで、さらに選挙という要素も足されています。僕自身、最初は想像できなかったのですが、すごくいいバランスで構築されていますよ。考えさせられるシーンもあるので、観てくれた方が何か持って帰っていただけるように頑張ります。あと、演歌でバリバリ踊って、エネルギー感も魅力です。お祭りのシーンでは「お祭りマンボ」とか!生だからこその作品ですね。

その中で風太は真っ直ぐなキャラクターで、僕自身、彼を尊敬しています。挙動がおかしいけど、気持ち悪いとか思わないで(笑)。風太は真っ直ぐなところが見せ場だと思うので、お客さまにも感じていただけたらなって思います。

撮影:遥南碧

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公演情報

タイトル

演歌ミュージカル「明日に唄えば~清き一曲お願いします~」

公演期間・劇場

2022年 3月26日(土)〜30日(水)
東京芸術劇場・シアターウエスト

出演

岩佐美咲、百名ヒロキ、庄司浩平、丸山優子、佐藤伸之、秋場千鶴子、立川ユカ子、白井美貴、渋谷渉大流、焙煎功一、長谷場俊紀、モト冬樹、他

脚本

吉井三奈子

演出

おおたけこういち

企画・制作

株式会社スーパーエキセントリックシアター

公式HP

https://www.set1979.com/

WRITER