2022年1月28日(金)、KAAT神奈川芸術劇場〈ホール〉にてミュージカル『新テニスの王子様』The Second Stageが開幕する。
本作は、2020年12月に上演されたミュージカル『新テニスの王子様』(通称:新テニミュ)の第2弾。許斐 剛『テニスの王子様』(集英社 ジャンプ コミックス刊)の続編であり青学(せいがく)全国大会制覇のその後を描く『新テニスの王子様』(集英社「ジャンプSQ. 」連載中)が原作。U-17(アンダーセブンティーン)の日本代表合宿に呼ばれた中学生たちと、彼らの前に大きく立ちはだかる高校生やコーチたちの姿が描かれている。新テニミュは、ミュージカル『テニスの王子様』(通称:テニミュ)3rdシーズンからの続投キャスト、テニミュ1stシーズンで活躍したOB、ベテランミュージカル俳優などを起用したことなどでも大きな話題となった。
2.5ジゲン!!では、ミュージカル『テニスの王子様』4thシーズンともに同作で越前リョーマ役を務める今牧輝琉にインタビューを実施。第1弾の思い出から、緊張したという初日の気持ち、プレッシャーへの立ち向かい方などについて話を聞いた。
――まず、第2弾である本作の公演が決まった時のお気持ちからお聞かせください。
またミュージカル『新テニスの王子様』の世界で生きられるんだ! という喜びでいっぱいになりました。僕自身としても越前リョーマとしてもステップアップしていると思いますし、まだまだ強い相手と戦えるんだとワクワクしています。越前リョーガも登場しますし、とにかく楽しみです。
――第1弾を振り返って、好きなシーンはどこですか?
自分が出ているシーンでは、徳川カズヤ(演:小野健斗)さんとの対決シーン、出だしの登場するところから僕がソロで歌う『I’m back』のシーン、オープニングの中学生全員での歌『Fighting Again』のシーン、この3つは一番が選べないくらいに全部好きです。
自分が出ていないシーンでは、勝ち組の7人と鬼 十次郎(演:岡本悠紀)先輩が歌う『7人のサムライ』が本当に大好きで、袖からずっと見ていました。それから、手塚国光(演:山田健登)部長と大和祐大(演:松島勇之介)部長の『部長ということ』もいいですよね、好きな歌や好きなシーンがいっぱいです。
出だしの『I’m back』と徳川との『俺たちのメイク・ア・ゲーム』のシーンは体力勝負だったのを思い出します。特に『俺たちの~』の方は、激しくラリーをしながら歌うので息が苦しかったです。でも公演を重ねていくにつれて肺活量がどんどん上がっていくのを感じました。
――稽古の時に印象的だったことを教えてください。
僕は三船入道(演:岸 祐二)コーチと一緒にいる時間が長かったこともあって、特に岸さんからはたくさんのアドバイスを頂きました。歌の面だけではなくお芝居に関しても、見方や考え方が変わるような言葉を頂けてとても心強かったです。
他にも、ちょうど悩んでいた時に先輩方から「考え過ぎるとそこに囚われてしまうから考え過ぎないで」と言っていただいたりもしました。何か一つできると次のアドバイスを頂いて、色々な方にどんどん成長させてもらった稽古期間でした。
それから、ボーカルキャプテンである悠紀さんにはずっと面倒を見ていただいていました。みんなの頼れるアニキですね!
――初日の感想はいかがでしたか?
初日は楽しむ余裕なんてなくて、緊張しかなかったです(笑)。この世界に入る前からテニミュのすごさは聞いていましたし、テニミュを観たことのない人でもその名前は知っているくらい有名な舞台で、まさかそれに自分が出るとは…。しかも、初演の新テニミュですからね。
準備中にモニターカメラで場内の様子を見られるんですけど、お客さまでいっぱいの場内を見たら「あっ…やば…」って。もう緊張で心臓がバクバクして、登場するパネルの後ろに移動しても、そこで「やばい…やばい…」って言いながらずっと体育座りをしていました(笑)。
それから、ゲネプロが終わってから初演の開演前に悠紀さんが「稽古から格段に良くなってるよ!」と声をかけて褒めてくださったのですが「期待に応えなきゃ!」と、もっと緊張してしまって!(笑)
――その緊張は徐々にほぐれていったのでしょうか?
緊張は、もう次の日から薄れて慣れていきました。でも、リョーマを演じるにあたっての手応えというか、このタイミングでリョーマをものにできたぞ! のような実感はなくて、動きの面も含めて、気づいたら自分なりに演じられるようになっていました。
公演が終わってからは、それまで毎日カンパニーの皆さんと一緒にいたので、ああもう劇場には行かないんだ…とすごく寂しかったのを覚えています。プレッシャーを感じることはないけれども、次の日の朝起きてからも寂しかったですし、劇中歌を口ずさんだりして心に穴が空いたような日々でした。
僕はすごくプレッシャーを感じる方ではありますけれど、「ここでできたらカッコいいんじゃね?」と、強気で向かい合っています。注目されるのも好きですし、プレッシャーを楽しもう! という気持ちでいつも乗り越えています。
――それは今牧さんの長所ですね。他にも、ご自分で長所だと感じる点はどこでしょうか。
ポジティブで前向きなところです。周りの友達からは「聞き上手だね」と言ってもらえています。いろんな人と幅広く仲良くなりたいという気持ちが伝わるのか、親しみやすいともよく言われます。カンパニーでも、目上の方には難しいですが自分から積極的にいけるように頑張っています!
――今回のビジュアル撮影はいかがでしたか?
前回と違って今回はもうリョーマが自分の中に入っているので「リョーマだったらこうするかな?」と考えながら撮影に臨めました。表情やポーズなども、細かい指示をもらわなくても自分からどんどんやってみました。とても楽しかったです。
――すでに撮影の時から越前リョーガ役の井澤勇貴さんとは会われていますね。
すごくフレンドリーな方で、もう最初からお兄ちゃんぽさ全開で話しかけてくださいました。井澤さんのことは、色々な方から「歌もダンスも芝居も全部めちゃくちゃすごい人だよ」という話を聞いているので、これからたくさんのことを学びたいと思っています。稽古も楽しくなる予感しかしなくて、本当に楽しみです。
――これからどんな俳優になっていきたいか、ビジョンはありますか?
どんな役でもちゃんと演じ分けできる役者になりたいです。原作のないオリジナルの作品では観る方に違和感を覚えさせないように。原作のある作品では演じるキャラクターをすみずみまで理解して、覚悟と責任を持って演じたいです。僕自身も一ファンとしてそのキャラクターを愛していきたいと思っています。
――お芝居を始めて自分の中で変わったことはありますか?
かっこよくありたいなと思うようになりました。僕は全然クールな人間ではないんですけれど、友達の前ではクールでいてみようかなと思ったり。でも、できませんでした!(笑)
この新テニミュのカンパニーの中では、遠山金太郎役の平松來馬くんがクールです。僕が金太郎寄りの性格で、らいらい(平松)がリョーマに近いんですよね。だからお互いに逆だなと感じることがあります。らいらいはクールでかっこいいなと思っています。
持っていらっしゃる方が多いというルーティーンや役者切り替えスイッチのようなものもなくて、稽古場に行くと普段の自分からちょっと礼儀正しくなるくらいですね(笑)。でもひょっとしたら、無意識のうちに何かルーティーン的なものを持っているかも…。自分では分からないので、今回の稽古中や本番中、誰かから指摘されるかもしれませんね。
――最後に本作への意気込みとファンの皆さんへメッセージをお願いします。
今回は、U-17(アンダーセブンティーン)選抜1軍上位メンバーであるGenius10が海外遠征から帰国します。僕たち負け組も、勝ち組も、中学選抜メンバーはみんなステップアップしているのですが、彼らと繰り広げる死闘は迫力満点になると思います。
僕が原作を読んで舞台でどのように描かれるのか気になっているのが、亜久津 仁(演:益永拓弥)とリョーガ、平等院鳳凰(演:佐々木 崇)と徳川の2組の絡みです。それから、リョーマと徳川との関係性も前回とは変わってくると思うので、リョーマ、リョーガ、徳川の3人の絡みにも注目してほしいです。ぜひ楽しみにしていてください、頑張ります!
取材・文:広瀬有希/撮影:友野雄
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