インタビュー

阿久津仁愛、デビューからは「怒涛」の日々 ポジティブと自然体で走り続ける5年の軌跡

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2021年12月31日(金)、迷宮歌劇「美少年探偵団」が東京・天王洲 銀河劇場で開幕する。西尾維新の「美少年シリーズ」を原作とした本作は、校内のトラブルを非公式非公開非営利に解決すると噂される謎の集団「美少年探偵団」の活躍が描かれる爽快青春ミステリーだ。

2.5ジゲン!!では、美少年探偵団の団長・双頭院 学を演じる阿久津仁愛にインタビューを行い、仲がいいという共演者たちとのエピソード、役作りや芝居への向き合い方、デビューから5年間の思い出などについて話を聞いた。

チームの仲の良さと絆は「心配なし」

−−今作のお話が決まった時のお気持ちと原作の印象を教えてください。

素敵な作品に携われるのを嬉しく思っています。原作に触れてまず感じたのは、独特な世界観だということです。それぞれに“美”を追求しているキャラクターたちが印象的で、彼らがまだ小中学生だという点に特に衝撃を覚えました。

−−脚本を読んだ印象はいかがですか。

ボリューミーだな! と思いました(笑)。2つの大きなテーマがぎゅっと詰まっているので、それをどうテンポよく見せていくのか楽しみにしています。“歌劇”のタイトル通り、劇中歌も多いです。特徴的で印象的なセリフも曲になっているので、そこも面白いですね。一度聴いたらその曲がずっと頭に残るような曲ですよ。

ヘリコプターや自転車といった乗り物はどうするのか、カジノや美術室などの空間はどうするのだろう…映像を使うのかな? など楽しみなことばかりです。日替わりアドリブの場面もありますし、ライブパートもあります。気合を入れて頑張ります。

−−今回はこれまでに共演経験のあるキャストも多いですね。

とても嬉しいです。チームを作るには仲の良さや絆が必要になってきますが、すでに心配はありません。

咲口長広役の立花裕大くんとははじめましてなのですが、僕が元々仲のいい永田聖一朗(袋井 満役)くんと裕大くんが仲良しなんですよ。なので、そこに馴染めたらいいなと思っています。稽古場でたくさん話をしたり、プライベートでも仲良くさせてもらえたら嬉しいです。今はまだコロナの影響もあって難しいですが、いずれは一緒にご飯に行けたらいいですね。

足利飆太役の奥田夢叶くんとは舞台「鬼滅の刃」でも一緒だったのでその公演中に「冬も一緒だね」「同じ銀河劇場だし、またここに来るんだね」なんて話もしていました。

先日オンラインで座談会があって、いいバランスの空気感だと感じたので、楽しい雰囲気の稽古場になるのではないかなと思っています。

−−演じられる双頭院 学の印象と役作りについて教えてください。

物事に夢中になるというところが自分に似ていると感じました。彼はリーダーとしての強いオーラがあって、皆を引っ張る力がすごいです。

役作りとしては、シルエットや動き方やポーズを特にたくさん研究しないといけないと思っています。役を研究するにあたってアニメの「美少年探偵団」も見ているのですが、見ながら「みんなすごく役に合っているな」と思ったりしています。

−−リーダーシップの強い団長役ですが、ご自身はカンパニーの中でリーダーシップを発揮して引っ張って行くタイプですか。

僕はプライベートでは本当に優柔不断で周りを引っ張れないので、そこが学とは違う点です。長く座長を務めたミュージカル『テニスの王子様』では、みんなに助けられて座長という場所に立たせていただいていました。俯瞰して周りを見るのも難しかったので、自分にできることとして、誰よりもがむしゃらに本気でやる、ということを決めていました。

人見知りということもあってなかなか自分から積極的にはいけないんですけれども、ステージ上では演じている役の力を借りて気持ちの受け答えができるように心がけています。

今作はほぼ知っているメンバーなので何も心配せずに、共演者のみんなにもスタッフの皆さんにも自分から色々と積極的に関わって、グイグイ引っ張っていけたらいいなと思っています。

カンパニーの一員としては、もっと良くなると感じればお芝居に関してもどんどん相談や提案をしていく方です。でも、その人だからこその表現ということもあると思うので、自分の考え方を押し付けないようにしようと思っています。

−−本作ではキャラクターそれぞれに「美声」「美食」などの通称がありますが、役を離れたご自身は「美〇〇」とすると?

聖一朗が「“微”生物の仁愛」って言うんですよ。「び」の字が違うのに身体が小さいから「微」じゃないかって!「“美”生物」としたって何となく字面的にイヤですね!(笑)

それで自分でも考えたんですけれど、一年中鼻が詰まっているから『鼻炎の仁愛』…いや、それでも「び」の字が違うんですけれどね!

もっと色々考えて、「美顔」…それもちょっとイヤだなって…。そうすると「美観」…うーん、視力がいいわけでもないしこれも違うな、と。結局「美脚の仁愛」になりました!(笑)

でも美脚と言ってもほっそりした脚じゃなくて、テニスで培ってきたのでしっかり筋肉がついていますからどちらかというとゴツいです。…でも「鼻炎の仁愛」でいいです…(笑)。

−−阿久津さんはズバリ、ご自分のことを「美少年」だと思いますか?

性格に落ち着きがないので「少年」ではあります。 そこに何かの「美」がつけば何とか入ると思うので、美少年ということでやらせてください!(笑)

走り続けてきた5年の軌跡

−−ミュージカル『テニスの王子様』をはじめ、デビューされてからこれまで歌に関わる舞台に多く出演されています。歌は元々お好きだったのでしょうか

音楽を聞くのはすごく好きでしたが、実はあまりカラオケに行ったりする方でもなくて(笑)。

でも、お芝居はとても好きです。お芝居をするようになって、日常でつらい時やちょっと腹が立ってしまった時でも鏡を見て「ああ、自分は今こういう顔をしているんだ」と俯瞰で見られるようになりました。声の高さや色々なことを、自分を研究しながら見て考える癖がついたように思います。

その研究結果をうまくお芝居に生かせているのかというとまた別の話になってしまうのですが、自分のことを深く知ることができるのはお芝居の面白いところですね。人間観察という点でも、他の方のお芝居を見て「こういうこともできるんだ」と知ることも楽しいです。

−−稽古場で実際に役と向き合うときは、どのような感覚になりますか。

楽しいという感覚は最後の最後になってしまいますね。そこに行きつくまでは苦労や悩むことがとても多いです。例えば舞台「鬼滅の刃」では、初めての十二鬼月というプレッシャーが強く自分の中にありました。

野外劇「ロミオとジュリエット」のジュリエット役は性別を越えたので、立ち方も含めたシルエットにも悩みましたし、歌のないストレートプレイのお芝居だったのでより悩むことが多かったです。

でも、始まってみると稽古場で苦労したことはお客さんにうまく伝わっているなと感じられました。お手紙やSNSでコメントを頂けたり、イベントで声をかけていただいたり…そういうものが自分の支えになっています。

稽古を経て、舞台はお客さんが入って初めて成り立つものなのだと改めて思っています。初日と千秋楽は特にアドレナリンのようなものが出ていますね(笑)。今作も、共演者のみんなとスタッフさん、それからお客さんと一緒にチームを作っていけたらいいなと思っています。

−−デビューされてからの5年間、沢山の作品に出演してきました。これまで振り返って思うことはありますか。

怒涛過ぎてよく分からないくらいです(笑)。デビューしたての頃は、地元の周りの人たちは普通に高校に通っているのに自分は舞台に立っていたんですよね。改めて、すごいことをしていたんだなと感じます。

テニミュの卒業コンサートである「Dream Live 2020」がコロナ禍で中止になってしまったこともありましたね。その時には精神的にも少し落ち込んで、体調を崩してしまったりもしていました。でも、それまでずっとテニミュで走り続けてきたので、休んでいると「仕事がしたいな」という気持ちがどんどん強く出てきたのを覚えています。

2020年6月に公演が行われるはずだった音楽劇「プラネタリウムのふたご」が延期になってしまったものの、2021年2月に上演できた時はほっとしました。あの時は、信じていれば再開できるんだと実感しました。これからもまだまだ頑張っていきたいです。

−−「これだけは譲れない」というこだわりや美学はありますか。

それが、こだわりは全然ないんです(笑)。でも根がネガティブなのでポジティブ思考というのだけは頑張って心がけています。

プライベートにおいては、飽きやすかったり諦めてしまいがちという欠点があるのですが、それもポジティブにとらえれば「切り替えが早い」とも考えられます。何かつらいことがあっても「ま、いいか!」となれるので(笑)。

それから大事にしているのは、気取らずに自然体でいることです。自分らしく、自分がその時に感じたことは感情通りに動くこと。当たり前のようですけれどね。

−−最後にファンの皆さんにメッセージをお願いします。

今回の舞台は2021年の大晦日が初日なので、2022年も仲のいいメンバーとお客さんの皆さんと一緒に過ごしてスタートできるのがとても嬉しいです。年末年始、ゆっくりするのも楽しいとは思うのですが、僕たちも美少年パワー全開で頑張りますので、ぜひ劇場に観に来ていただいて団結してチームを作りましょう!

今までのイメージとは変わった明るい役なので、そこも注目して観ていただけたらなと思います。“美”生物の仁愛でした!

取材・文:広瀬有希/撮影:友野雄/スタイリスト:持田洋輔/ヘアメイク:柿本穂乃香/衣装:パンツ CASSY PRIVE(RIGA INTERNATIONAL JAPAN)、その他 スタイリスト私物

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公演情報

タイトル

迷宮歌劇「美少年探偵団」

公演期間・劇場

2021年12月31日(金)~2022年1月10日(月・祝)
東京・天王洲 銀河劇場

原作

西尾維新「美少年シリーズ」(講談社タイガ)

キャラクター原案

キナコ

演出

三浦香

脚本

畑雅文

音楽

TAKA

出演

阿久津仁愛、立花裕大、永田聖一朗、奥田夢叶(持田悠生)、北川尚弥、齋藤かなこ/廣野凌大、立道梨緒奈 ほか

主催

迷宮歌劇「美少年探偵団」製作委員会

公式HP

https://stage-bishonen-tanteidan.com/

公式Twitter

@St_Bishonen_t

公式YouTube

https://www.youtube.com/channel/UCwpD1Pwy5NOtHTQkRKEPLAg

(C)迷宮歌劇「美少年探偵団」製作委員会 (C)西尾維新/講談社

WRITER

広瀬有希
							広瀬有希
						

金融・印刷業界を経てフリーライターへ。エンタメメディアにて現場取材・執筆の他、日本語・日本文化教育ソフト監修、ゲームシナリオ、ノベライズなどで活動中。感動が伝わる文章を目指して精進の日々を送っています。

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