インタビュー

宮崎湧×前川優希、お互いに知る“素敵ポイント”を告白 「おねパト」対談-後編

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2020年10月からYouTube公式チャンネルで配信中のWebアニメ「おねがいっパトロンさま!」。キムラ真の演出・脚本で舞台化が決定、2021年9月15日より東京・草月ホールで上演される。

2.5ジゲン!!では、ダブル主演を務める山田ジェームス武と杉江大志、そして宮崎湧と前川優希の2組への対談取材を実施。今回は宮崎(シュガー・日球磨塔斗役)と前川(パトロン・胡桃峯役)の微笑ましくも心を揺さぶるトークをお届けしたい。

稽古場ではもうパトロンとシュガー?

――最初に台本を読み終えたときの感想はいかがでしたか?

前川:僕はこのお話をいただいた時に初めて「おねがいっパトロンさま!」というコンテンツを知ったんですけれど、視覚的に与えられた情報とはやや離れた、深くて重みのある心のやり取りのお話だと感じました。内情的なところにもしっかりと踏み込んでいく描写もあって、やりがいがあるだろうなと。

古谷大和くんや湧くんとは過去に何度も共演経験があったのですが、他の方々はほぼ初対面で。最初は気心知れた人たちと一緒にやれるんだという喜び半分、新しく出会った方はどんな芝居をされるんだろうっていう期待も半分でした。

宮崎:原作アニメと台本に目を通した時に一番印象に残ったのが、ココロの劇場での再現劇です。塔斗以外の人物も劇中で演じられるということには、役者としての楽しみもあり、同時に(作品への)熱を感じることができました。

優希くんと大和さんは別の2.5次元舞台で共演していて、その作品の当初から僕はダンスが苦手で。優希くんははじめましての時からそんな僕のことをずっと見てくれていて、僕の欠点もちゃんと把握してくれているんです。そして僕と同じ目線になってその欠点を一個ずつ消していってくれて。身に潜む気持ちの悪さみたいなものが徐々になくなって、ダンスのモチベーションをすごく上げてくれるんです。

だからこそ今回の舞台で彼とペアを組むことができて本当に嬉しかったです。信頼もより深くなっていっています。今も稽古中の空き時間はずっとダンスの練習に付き合ってくれているんですよ。

大和さんはお芝居に対して、“宮崎湧として”見ていてくれるというか、「湧の役者人生できっとこれはプラスになるから」ということを考えながらアドバイスをくれるんです。これがすっごく嬉しくて! 本作でもご一緒できるということで、だからこそ毎日稽古場では新しい挑戦をしています。

前川:作中ではキャスト全員が絡むシーンは正直少ないということもあって、逆に共演者のお芝居を見ることが多いんです。大志(杉江大志)くんとジェー(山田ジェームス武)くんや、輝馬さんと大和くんのお芝居を見させてもらったり、逆に見てもらう機会が多くて。だからすごく勉強になります。先輩方も僕たちの演技で気になるところがあると言ってくださるんです。アドバイスをいただけるって嬉しいですよね。

宮崎:本当にお芝居が好きな人たちばかりで。他の人の動きに気付いて助言する、というのは体力を使うんです。自分のアクト以外に集中力を使うということになるので。僕たち後輩にまで気を配ってくださるというのは、すごく得難いことなんです。

そして熱い人たちが集結してるからこそ、新しいものを毎日(稽古場に)持ってくるので方向性もどんどん進化していくんですよ。一日一日がすごく新鮮な現場。

前川:『愛の物語だ』って銘打ってるだけあって、愛を持っている人が自然と集まったのかもね。

宮崎:うまいねぇ(笑)。

前川:ありがとうございます、お後がよろしいようで。

一同:(笑)。

宮崎湧、新たな魅力が大爆発

――ご自身の役柄やパトレイサーという設定についての印象をお聞かせください。

前川:僕は基本的にいただいた役との共通点を見つけようとするタイプで。同じ人間なんで探していけば一つは必ず共通する部分があるんです。僕はせっかちでもあるしマイペースでもあるし、色々な面がある。逆にどんな役が来たとしても「この人のここは分かるな」というところを探していくんです。

峯のように良い意味で「何事も楽しい方が良いじゃん」という部分は共感しているし、そうありたいなって思うんです。場を取り持ったり何があっても笑っていられるっていうのはなかなか真似できないですよね。世渡り上手、というのかな。

そういう人柄だからこそ、ある時には自分を犠牲にもできるし、信念を持って突き進めます。うまくやってはいるんだけど、傍から見れば流れのままに流されているようにも見えてしまうから、そこを塔斗に指摘されたり、一方で峯は周りのものに迎合されない塔斗の生き方を眩しく思ったりするんですよね。

その部分に僕も共感するんです。「尖ってる」「変わってる」と言われる人間って僕はすごく憧れるんですよね。芯があって格好いいなって。多分自分にはそれができないって分かっているから惹かれるんだと思います。

僕(峯)のセリフではなく良夜のセリフの中に「パトロンにできるのはシュガーのサポートだけだ」っていうのがあるんです。その時の良夜は自分がシュガーになりたかったのに、結局はパトロンだったという事実にもどかしさを感じて、このセリフを発するんですけれど、僕は逆にそれぞれの立ち位置も関係性も、どちらも素敵なことだなと思うんです。

だって全て預けられるわけじゃないですか、そもそも“預けられる人がそばにいる”ってことが奇跡みたいなことなんですよね。「この人なら受け止めてくれる、だから俺もできることを精一杯やるよ」っていうのもパトレイサーの一つの絆のかたちではないでしょうか。“才能を持つもの”“繋ぐもの”っていう間柄だけじゃない別の結びつきが各パトレイサーにはあるんです。

――『パトロン』という立場はある意味ファンの皆さんと近い立ち位置にあるのでは?と思うのですが、いかがですか?

前川:まさに。僕が表に立ってファンの皆さんが応援してくださる関係性だけじゃなくて、改めて皆さんがいるからこそ今ここに立てているし、元気をもらっています。もちろんこれは常に心の中で思っていることではありますが、今回の峯の役を通してより皆さんに近づけたように思えます。

――塔斗という人物は作中でもインパクトのある役どころですね。宮崎さんご自身とのギャップが衝撃的でした。

宮崎:自分の中にしっかりとした芯があって、向上心がない人間には喧嘩っ早くて。僕の性格とはかけ離れていますね。でも、『犬が好き』っていう。

前川:意外にもね。

宮崎:塔斗のアイドルアカウントの他に実家の犬のアカウントがあるらしくて。僕も…その…カッパが好きで。

前川:(笑)。

――カッパですか? 妖怪の、河童?

宮崎:はい。

前川:そうなんですよ、彼こういうところがあって(笑)。資格も持っているんですよ。

宮崎:『カッパ捕獲許可証』っていう資格を。

前川:それ持ってたらカッパを捕まえても良いってことなんだよね?

宮崎:そうそう。

一同:(笑)。

宮崎:SNSで『カッパ目撃情報アカウント』とかフォローしていたり。諸説あるんですけど、岩手県のカッパにゆかりのあるお寺に行くのが夢で…。そういう部分がもしかしたら塔斗と近しいかもなって思ってたり…優希くんのあとに出すべき話じゃなかった。

前川:どうですか、皆さん。もうね、僕、世の人に伝えたいのよ、宮崎湧がいかに素敵な人間なのか! これをこの記事の見出しにしてほしい。

宮崎:(笑)。あ、補足をするとですね、塔斗も心を許した人にはオープンで、そこがすごく似ていて。僕もつい八方美人になってしまうところがあるんですけど、苦楽を共にしてきた仲間やパートナーの優希くんに対しては、役作りをせずとも自分をさらけ出すことができる。そしてそうやって仲間と一緒に構築してきたものをこの舞台でも活かせるんじゃないかなぁって思います。

前川優希、自然と心を掴む“人間力”

――本作のテーマにちなんで! 最近、プライベートで『ココロが震えた瞬間』はありしましたか?

前川:今年2月から一人暮らしを始めまして。料理をするようになったんです。最初の頃はひどい有様で(笑)。それで周りの先輩に色々と聞くことにしたんです。「家電はどんなのがいい?」とか「一人暮らしのコツは?」とかを。

一つ、なるほど! って思ったのが、「冷蔵庫を買うなら、冷凍スペースが大きいのがいいよ」っていうので。忙しくても食材を腐らせずにすむからって。それを聞いてからはスーパーで買ってきた食材を切って冷凍庫に入れて保存するようにしています。

とはいえ、たまには整理しないとパンパンになるので、この間、その食材を一気に使っちゃおうと目分量で調理したんです。そしたらめっちゃめちゃ美味しくって!! 味とスキルに震えました。

一同:(笑)。

宮崎:僕は配信をプライベートでやらせていただいて。それで、このご時世で夏の風物詩をなかなか味わえないから、「夏らしいことをお家でやっちゃおうぜ!」っていう配信企画を考えたんです。お家の中でプールを広げて、入ってみたり、スーパーボールすくいしてみたり、お庭で線香花火をしてみました。

前川:やることが尖ってるんだよなぁ。

宮崎:生配信を通してファンの皆さんと過ごす夏のひとときにココロが震えたというか、エモーショナルな心地を味わえました。

前川:こんなご時世だけど夏を満喫したいよねっていう思考はとても分かる。とても分かるんだが、行動に踏み切るところが、僕らの予想を超えてくるんですよ! 僕だったらせいぜい浴衣を着て配信するってところまでなんです。だけど彼は違うんだよな、プール広げちゃうんだよな! ファン皆さんのためにそこまでできちゃうのかって。

宮崎:自分が楽しみたいって気持ちももちろんありますよ!(笑) あとは、「なんか一緒に夏を感じられた」って嘘でも言ってくれる方がいるだけで充分で…。

前川:そこがまさに宮崎湧の素敵なポイントだよね。

宮崎:前川優希がいかに素敵な人間かって話してもいい?

前川:え?

宮崎:僕の個人的な見解なんですけど、彼には表に出してほしい部分がいっぱいあって。多分みんな「綺麗な優希くん」しか知らないんですよ。もちろんそれも魅力的ですよ? でも、そうじゃなくってたまに見せる尋常じゃない「ズレかた」にも着目してほしいんです。みんな、絶っ対好きになるから。

先輩方、特に大和さんは重々知ってらっしゃると思いますが、優希くんはたまに人智を超えます(笑)。優希くんはお芝居もダンスも、人並み以上にできて憧れる人なんですけど、なんか、たまに「えぇえ〜!?」っていう行動を取るんですよ。

前川:(笑)。一応自分でもちゃんと生きようとしているんですよ? でも大和くんからは「お前は、しっかりしている風」と。付き合いが長ければ長いほどそう言われることが多いんですよね。

大和くんとは相方役もやらせていただいたこともあるし、大先輩だし、色々なスキルや考えを持っているすごい人だから、そんな方の側にいさせてもらって、仲良くさせていただいてて、すごくありがたいんですけど、どうやら前川優希はズレた人間なようでして。

宮崎:うーん、「ズレた」という表現が正しいのか分からなくなってきた。たまに見せる“隙”っていうほうが正しいのかなぁ。

先輩への踏み込み方というか「そのライン飛び越えられるのって優希くんしかいないよ!」ということを難なくクリアしちゃうんです。もちろん、傍若無人に踏み込むわけでは決してなくて。優希くんはやることをちゃんとやるし、相手へのリスペクトをしっかりと持って接する。だからこそ色んな人に愛されるんですよね。心を自然と掴む、人間力っていうのかな。

前川:ちょっとここらへんで前川優希話を終わらせませんか?(笑)

一同:(笑)。

意気込みとファンへのメッセージ

――改めてファンの皆さんへメッセージをお願いします。

宮崎:さっきご質問でもあったように、『ココロが震える』というのがこの作品の一つのテーマです。お客さまにとって「ココロが震えるものってなんだろう」って思ってもらえるきっかけになる舞台したいと考えています。もちろんお芝居とダンスで僕の方から皆さまを震わせに行くためのアプローチ方法は、稽古を通してしっかりと準備をしています。

こんなご時世だからこそ、観劇し終わったあとに、好きなものや自分の血湧き肉躍るものを明確できる作品にしたいんです。そのためにも僕自身、苦手な分野を克服して、ずっと見てくださっている方々が「成長したんだな」と感じていただけるくらいの高みを目指します。どうぞ皆さま、よろしくお願いいたします。

前川:台本を手にした段階で考えていたこともあるし、日々稽古を重ねることで気付いたこともあるんですけど、この作品のセリフの中には一役者として「刺さる言葉」が多いなぁと感じています。応援してくださる人の大切さだったり、応援一つ一つの価値やかたちは日々忘れないようにと思っているし、忘れたことはないのですが、本作がきっかけで違うかたちで気付かせていただいています。この気持ちを僕たちが皆さんにお伝えできるよう、精一杯試行錯誤を重ねて、責任をしっかりと持って、毎公演ココロに残るように演じます。

さっき湧くんも言ってくれていましたが、今僕たちのいる世界がどういった状態であるかこということを充分理解した上で、この時この瞬間に“表現をする”ということに意味があるのではないでしょうか。これって色々な現場の方とお話する中で最近になって固まってきたことなんですけども。そして、このご時世でココロが震えづらくなって、そもそも震わせる材料が減ってしまった現代だからこそ、震えさせてやろうじゃないか! と。
俺ら自身もブルッブルにココロを震わせながら舞台上に立つので、どうか、それを見て何かを感じ取っていただけたら嬉しいです。お待ちしてます。よろしくお願いします。

* * *

宮崎と前川の2人から受けたのは、まさに一蓮托生のバディ感。それは決して互いに依存しているというわけではなく、目線の先は常に前を向いている。

役者仲間、先輩と後輩、ファンと俳優、パトロンとシュガー。一見して全く別のカテゴライズにも取れるが、その全ては、愛と絆があったからこそ生まれた人と人との縁のかたちではないだろうか。

「おねがいっパトロンさま!The Stage」は9月15日(水)~20日(月・祝)、東京・草月ホールで上演。今、この時だからこそ彼らの姿をこの目に焼き付けたい、そんな舞台だ。

撮影・取材・文/ナスエリカ

■「おねがいっパトロンさま!」とは?
Webアニメ(メインストーリー)と配信動画(サイドストーリー)2種類の動画がほぼ毎週更新中。メインストーリーでは「旭」と「良夜」2人を中心とした物語が、サイドストーリーではその他のメンバーも登場して、彼らの日常が描かれる。

■ストーリー
支援する者パトロン
それは「才能を繋ぐ者」

支援される者シュガー
それは「才能を持つ者」

「パトロン」と「シュガー」
2人で1つのヒーロー“パトレイサー”

人々の止まったココロを再び震わすため
“パトレイサー”たちの活躍が始まる!

パトロン関係
それは歴史の中確かに存在した美しき愛の形
これはパトレイサーとあなたの愛の物語である!

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公演情報

タイトル

「おねがいっパトロンさま!The Stage」

日程・会場

2021年9月15日(水)〜20日(月・祝)
東京・草月ホール

キャスト

杉江大志、山田ジェームス武、宮崎湧、前川優希、安井一真、富永勇也、輝馬、古谷大和

脚本・演出

キムラ真(ナイスコンプレックス)

主催

株式会社ハピネット・メディアマーケティング

The Stage公式URL

https://www.onepato.com/stage/

The Stage公式Twitter

@onepato_stage

公式サイトURL

https://www.onepato.com/

公式Twitter

@onepato_PR

YouTubeチャンネル

https://www.youtube.com/channel/UCfn3-igUsuyD1npa8WG2Idw/featured

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