インタビュー

蒼木陣、現場を支える“大人”として 「テニミュ」「プリステ」「刀ステ」…これまでの軌跡

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ひたむきで熱く真っ直ぐな芝居と高い身体能力で活躍の場を広げてきた蒼木陣。2021年5月1日(土)には自身初の写真集「夏音」が発売される。

2.5ジゲン!!では蒼木にインタビューを実施。間もなく迎える29歳を迎える彼のこれまでの活躍を振り返りながら、そこで得てきたこと、20代最後の過ごし方と今後についてなどを聞いた。

写真集の発売経緯について「作品を通して強くなった自分の形を残しておきたかった」と語る蒼木の真意とは…。

「刀ステ」で得た人生最大の達成感

――今回の写真集はこれまでの活動の記念碑的な作品だそうですが、これまでの舞台を振り返って感じることはありますか。

初めての大きな舞台は、アンサンブルで出演したライブ・スペクタクル「NARUTO -ナルト-」でした。うわぁ、これがいわゆる“大きい舞台”なんだ! と感じたのを覚えています。自分の中で大きく前進できたと実感できた作品でした。

それから、ミュージカル『テニスの王子様』では同じ時間を過ごした仲間だからこそ生まれるチームワークを、トリプル主演となった舞台『プリンス・オブ・ストライド THE LIVE STAGE』(プリステ)では主演を背負う覚悟を覚えました。

大きな舞台でメインとなる役を頂くようになって感じたのは、その分責任も大きくなってくるのだなということでした。

プリステでは、演出家の松崎史也さんからお芝居の楽しさをたくさん教えていただきました。今でもしょっちゅう連絡を取っている、家族のような相方となった伊崎龍次郎との出会いもありましたね(笑)。

――ランナーが場内を駆けまわるプリステは非常に熱量のある舞台でしたね。

体力的にもとてもハードでしんどかったんですけれども、スポーツものということもあって、座組のみんなとはずっといい雰囲気で過ごせました。汗を流した時間をたくさん共有できたからでしょうね。

そういう意味では、「舞台『刀剣乱舞』維伝 朧の志士たち」も同じでした。とてもハードな殺陣が多くあって体力的にはこれもまた本当に大変でしたが、苦しい瞬間は全然なくて、もうずっと楽しかったです。「やってやろうぜ!」っていう雰囲気で(笑)。キャスト、作品、役…それらの出会いに本当に恵まれた作品でした。

――それだけハードだった舞台、千秋楽を終えた次の日はどのようなお気持ちだったのでしょう?

これまでの人生で一番大きな達成感を感じたと同時に、「これが終わったら俺、どうなっちゃうんだろう?」という精神状態だったと思います。

公演中は、この作品は評価してもらえるだろうか? とか、そういうことは何も考えられなかったんです。ただただ目の前の作品に没頭して、必死に座組みのみんなと一緒に一生懸命に駆け抜けていて。

次の日は、燃え尽きていたようでもあり、熱が冷めずにいたような…アドレナリンが出っ放しだったのかもしれません。いまだにずっと連絡を取り合える座組の皆さんと出会えた貴重な現場でした。

自分の本心と向き合う、20代最後の年

――2020年は大変な年となりました。

役者仲間たちとご飯に行ってお酒を飲んでお芝居の話をする…そういうことができなくなったのは正直寂しいですね、とても大好きな時間だったので。

でも、その代わり家にいる時間が増えたことで、やりたかったけれども今までなかなかできなかったことをやれるようになりました。画像や動画の編集をしたり、Tシャツを作ってみたり。そういう家でできる趣味の幅が広がったので、前と変わらずわくわくはできていたと思います。

年末などに1人の時間が増えたときは少し考え過ぎてしまって、ぐるぐるして何が正解か分からなくなってしまったこともありました。でもやっぱり前を向いて楽しいことをしていたいなと。悩んだ時間も含めていい一年でした。

――2020年末には、2017年に続き、る・ひまわり「年末シリーズ」に出演されました。原作のある2.5次元舞台との違いは何でしょうか。

る・ひまわりさんの舞台で僕が好きだなぁと感じるのは、役者の素材の良さや本人の気質を役に乗せてくれるところです。

原作があるときはキャラクターの研究をして“寄せて”いく役作りをするんですけれど、そうではないときはキャラクターを自分の側に引き寄せていきます。自分とより向き合って共通点を探しながら役を作っていく、そういうありがたい経験ができました。

――今年5月には29歳のお誕生日を迎えられます。30歳を前にして思うことや、今後のビジョンについて教えてください。

一つの大きな節目になるなと思うところがあります。自分の本心と向き合うようになる年なのかなと。

これまでは目の前にあることが楽しいことばかりだったということもありますが、シンプルに楽しかったんです。でもこれからは、楽しくないことも出てくるかもしれません。そうなった時にそれをどう乗り越えていくのか…。

メンタルコントロールと言うんでしょうか。今はまだメンタルが安定しない時もあるので、自分の気持ちをどう動かしていけるか…ですね。

舞台『刀剣乱舞』という大きな舞台でも、僕は支えてもらいっぱなしでした。だからこれからは、現場を支えることのできる大人になっていきたいです。

写真集の見どころ&両親との思い出


――「夏音」、とても爽やかで蒼木さんにぴったりなタイトルですね。これはどのように決められたのでしょうか?

今回の写真集は、今まで自分がやってきたことを盛りだくさんにしたいと思ったんです。明るい表情、沖縄の太陽…とにかく明るい写真集にしたいなと。それで僕が最初に思いついたのが「ミックスフライ定食」!(笑)

僕は自信満々だったんですけど、マネージャーさんに出したら「…ちょっと違う」と言われてしまって(笑)。それで、たくさん案を出し合っていった中で出た「夏音」にピンときたんです。

音の響きも字の雰囲気もいいなと感じましたし、作りたいと思っていた写真集のイメージにぴったりだなと。見た瞬間、すぐに「これにしましょう」と決めました。

――舞台も写真集も、たくさんの人と一緒にひとつの作品を作り上げるという意味では共通していますね。

カメラマンのアライテツヤさんをはじめとして、本当にいいスタッフさんに恵まれました。実は今回、スタイリストさん以外とは皆さんはじめましてだったんです。でも初めてお会いするとは思えないぐらいに本当に居心地がいい方ばかりで、すぐに距離が近くなれました。皆さんすごくオープンに接してくださったので、僕もどんどん自分をさらけ出せて笑顔の絶えない楽しい現場でした。

よくぞこの皆さんと出会わせていただけたと。ファースト写真集をこの皆さんと一緒に作れて良かったと思っています。

――後日ご自身で見返した時に、撮影のときの楽しい思い出が蘇ってきそうですね。

そうですね。このときこんなことがあったなぁとか思い出しそうですね。食べたご飯のこととか! 朝食ショットもあるので楽しみにしていてほしいです。ロードバイクのショットや大好きな和服などもあります。

陸奥守吉行の影響もあって明るい笑顔というイメージを持ってくださっている方が多いと思うんですけれど、ちょっと大人っぽい表情にも挑戦しました。…ベッドでの撮影とか!(笑)。 撮影中は和気あいあいと楽しくやっていたんですが、出来上がった写真を見てみたら「こんな表情できるんだ、俺!」って。あまり見たことのない新しい顔も楽しんでいただけるんじゃないかなと思います。

僕の両親は、すごく写真を撮って思い出を形として残してくれるんです。だから節目節目で見返して「ああ、この時はこうだったな」と思い出せるんですよね。

――ご両親のお話が出てきましたが、ご自身の名前の由来を聞かれたことはありますか?

聞いたところによると、名前を付けてくれる人のところに僕の写真を送ったらジンかリョウ、と言われたんですって。それで、当時「リョウ」が多かったこともあって画数を考えて「陣」になったそうです。

僕、自分の名前が大好きなんです。これは本当に両親に感謝しています。

――爽やかさで透明感のあるお名前に、写真集の舞台となった沖縄はぴったりですね。最後に、写真集の見どころをお願いいたします。

これまで僕が出会ってきた役や作品を通して発見できた、新しい自分のいろいろな表情が納められた写真集になっています。昔から応援してくださっている方にも、最近僕を知ってくださった方にも、幅広く見ていただける一冊になっています。

沖縄の太陽の暖かさ、笑顔、明るさ、色んなものを感じながらぜひぜひ、たくさん楽しんでください。よろしくお願いいたします!

ヘアメイク:MAIMI/取材・文・撮影:広瀬有希

写真集概要
蒼木陣ファースト写真集「夏音」
■発売日
2021年5月1日(土)
■カメラマン
アライテツヤ
■総ページ数
100ページ
■発行
株式会社サンミュージックブレーン
■HP
https://www.sunmusic-gp.co.jp/talent/aoki_jin/

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WRITER

広瀬有希
							広瀬有希
						

金融・印刷業界を経てフリーライターへ。エンタメメディアにて現場取材・執筆の他、日本語・日本文化教育ソフト監修、ゲームシナリオ、ノベライズなどで活動中。感動が伝わる文章を目指して精進の日々を送っています。

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