2021年4月29日(木・祝)、東京・草月ホールで幕を開ける舞台「純情ロマンチカ」。
原作である中村春菊による超ロングヒットシリーズ「純情ロマンチカ」は、大学受験を控えた高校生・高橋美咲と有名小説家・宇佐見秋彦の恋愛を描き、刊行コミックス累計1500万部を突破し、アニメも3期まで制作。今回の舞台化は大きな話題になっている。
2.5ジゲン!!では、高橋美咲役の大崎捺希と宇佐見秋彦役の君沢ユウキに対談取材を実施した。お互いに初めてとなるBL作品への真摯な取り組み方や原作の魅力などについて和やかに語った様子をお届けする。
2019年の代役での共演から再び
――まず、舞台のお話が来たときのことからお聞かせください。
君沢ユウキ:お話を頂いて、まずマネージャーがすごく喜んでくれました。「すごくいい役よ!」って。とにかく周りの反応が大きかったですね。今回演じる秋彦をイメージしてお話を頂けるのは本当に嬉しいことだと感じました。
大崎捺希:すごく嬉しかったです! やっぱり役者として、舞台に立たせていただけるのはめちゃくちゃ嬉しいことですから。僕の方もマネージャーが「頑張って、期待しているよ!」って言ってくれました。
――人気コミックスの舞台化ということで、お2人とも周りの身近な方がまず大喜びされたんですね。
大崎:実は僕、「純情ロマンチカ」という作品名は元々聞いたことがあったんです。まず思ったのは「相手、誰なんだろう?」って。君沢さんだとお聞きして、じゃあ大丈夫だと思いました。(笑)
――お2人の共演は、君沢さんが急きょ代役で1日だけ舞台に立たれた2019年の作品の時以来ですね。
君沢:そうですね、もう誰が誰だかというような状況の中でのお仕事でした。
大崎:あの公演は、僕にとっても本当に大切なものだったんです。急きょのことだったのですが、君沢さんが丸一日も時間がない状況で舞台に立ってくださって…。「若い世代の役者の力になりたかった」って。それを聞いてめちゃくちゃ感動したのを覚えています。
君沢:いやいや(笑)。
大崎:ここでまたこういう形で共演になるとは思わなかったです。
君沢:僕も初めてお会いする人ではなくて安心しましたし、光栄でした。
捺希くんのことは周りからも「かわいくて一生懸命でちょっと天然だよ」というのは聞いていたので、この役を捺希くんがやるというのはすごく分かります。原作の漫画から飛び出してきたようですよね。
――お2人ともビジュアルもとても素敵ですし、キャラクターも合っていると感じます。これから恋をすることになるお互いのキャラクターについて、印象をお聞かせください。
君沢:美咲はまず、一生懸命な人間ですね。かわいらしいところはもちろん、人間として感受性が豊かで他人の気持ちに感情移入できるところが魅力的だと感じます。僕も好きな人がいたとしたら、そういうことを求めると思います。
大崎:ウサギさん(秋彦)は、すごく超越的な人間である一方ちょっと変わったところがありますよね(笑)。でも、デートの前に高級グルメ店ガイドブックに付箋をいっぱいつけてチェックしてくれていたりと、美咲をちゃんと大切にしてくれていると感じます。
――強引ではあるけれど、弱みを見せられない繊細さも秋彦にはありますね。
君沢:秋彦は通常のいわゆる一般家庭で育っていないから、「弱み」を出すチャンスがなかったのかな? と思っています。そういう彼が、普通の人としての感性をしっかりと持った美咲と出会って救われて恋に発展していく…ドラマチックで素敵ですよね。
正面から恋愛をしている作品
――お2人ともこれまでに出演されたことのないBL作品ですが、役作りの面で難しさは感じられていますか?
大崎:厳密に言うとBLではないんですが、僕は前作でも男性からとても愛される役を演じていました(笑)。
君沢:あ、そうなの! じゃあ大丈夫だね!(笑)
大崎:逃げ切ったと思ったら次、君沢さんでした…。
君沢:慣れているなら、稽古ではリードしてもらうね。
大崎:慣れていません!(笑)
一同:(笑)。
君沢:実は僕、恋愛小説が大好きで10代の頃からよく読んでいるんです。確かにBLということで男性同士の恋愛のお話ですが、原作を読んでみるとしっかり感情移入してしまうような恋愛をしていてとても面白いし、恋愛だけではなくキャクターの成長物語でもあります。
BLとお聞きして、初めてのことなので役作りも含めて最初は正直ハードルの高さを感じていたのですが、原作で2人が恋愛関係になっていく流れは腑に落ちましたし、秋彦の気持ちもよくわかったので、役作りのイメージはすぐにできました。僕も恋愛ものは好きですから。
「BLだ」と構えることなく、まっすぐに正面から恋愛をしている秋彦として生きていきたいです。恋をした結果、相手が同性だった、そういう方が自然なのかなと感じています。タイトル通り、純情でロマンティックな恋がしたいですね。
大崎:僕もやっぱり最初は、どう役作りをしていこうかと考えました。でも、原作を読んで台本をいただいて読み込んでみたらシンプルに「人と人のお話なんだな」と。
人と人との間に生まれる感情がすごく丁寧に描かれている本当に素敵な原作なので、原作をリスペクトして作り上げていけば絶対に素敵な作品になると感じています。
――人と人の間の丁寧な感情描写。原作が長く愛されているポイントですね。
君沢:長く愛されているこの作品の舞台に出演させていただくにあたって、キャスト発表でも好意的に受け入れていただいて本当に良かったと感じています。原作をリスペクトして、ファンの皆さんにお返しできたらいいなと思います。慣れている捺希くんにリードしてもらいながら!(笑)
大崎:慣れていないです!(笑)
見どころとファンへのメッセージ
――この舞台の見どころとファンの皆さんへメッセージをお願いします。
大崎:美咲の心の動き、原作で丁寧に描かれているたくさんのシーン…そういった人と人との関係性を、原作をリスペクトしながら演じていきたいと思っています。
ファンの皆さんの期待以上のものを出せるように頑張りますので、応援よろしくお願いいたします。
君沢:恋愛ものを舞台でやるチャンスって実はあまりないんです。タイトルどおり、純情な部分もロマンティックな部分もすごく丁寧に描かれているからこそ長く愛されているこの作品にリスペクトの気持ちを持って、精いっぱい演じていきます。
文:広瀬有希/撮影:ケイヒカル
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