インタビュー

三津谷亮、ファンがいなければ「今、僕はここにいない」 活躍の場を広げて“エンタメの架け橋”に

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穏やかな雰囲気を持ちながらも、高い身体能力を持ち、豊かな感情を表現する俳優・三津谷亮。2021年2月1日(月)に幕を開ける『喜劇 お染与太郎珍道中』に山伏黒雲坊役で出演する。

同作は渡辺えりと八嶋智人の喜劇初顔合わせ作品。夫婦を装うことになった大商人の箱入り娘・お染(渡辺)とその付き人・与太郎(八嶋)の珍道中を描く、抱腹絶倒&ほろり人情ストーリーだ。

2.5ジゲン!!では、三津谷にインタビューを実施。本作への意気込みや2020年に抱えた悩み、そこで得たものなどについて聞いた。

自分と向き合った2020年、得たものは

――2020年は詩人役を演じたり朗読劇や落語に挑戦されるなど、「言葉」にダイレクトに触れる機会が多い年になったのではないでしょうか。

そう思います。いきなり重い話をしてしまうと「言葉」に対して深く触れる機会が多かったからこそ、考え込みすぎてしまったかもしれません。

2020年、改めて感じたことがいくつかあります。まず僕は、お客様に視覚的にも芸をお見せするのが得意なタイプの俳優なんだなと。

リモートなどでいろいろな制限があって、”見せる”よりも”聞かせる”が重視されたとき、「自分は言葉が弱い」と実感しました。

――深く向き合ったからこそ悩みが生まれたのですね。

大事にしすぎたからこそ、重く感じてしまったのかなと…。自分のキャパシティを広げていかなければと、短いスパンで何本もの舞台をこなしていた怒涛のような生活を送っていたのが突然一変して、考える時間ができたからでしょうね。

今までずっと走り続けてきたのですが、立ち止まったときにふと色々な怖さを感じました。「忘れられてしまうのではないか?」「復帰できたときに自分の居場所はあるのか?」。

周りはすぐに行動を始めているのに自分は何もできていない。行動力があると思っていたのに…小さい人間だ。そんなことを感じました。

――考える時間が増えて、その他に気付いたことはありますか?

お客様や共演者の皆さん、スタッフの皆さんが僕を大きくしてくれていたんだと強く実感しました。

周りの皆さんのありがたさ、それから僕を応援してくださるファンの皆さんとの信頼関係が以前よりもさらに強くなったのを感じました。

――気付いたきっかけは何だったのでしょう?

予定されていた舞台が何本も同時に中止になってしまって、本当にどうしようと思ったんです。役者は舞台がなければ何もできません。他の役者も同じことを思ったかもしれませんが「僕は無職だ」と…。

でも、本当に何もできないのか? と考えて「部屋着のTシャツを作ろう」と決めたんです。自分でイラストを描いて、デザインして。SNSのアンケートでカラーの組み合わせの投票をしてもらったり、いろいろな意見をいただいたりして、一つのものをクリエイトすることで自粛期間を一緒に過ごそうという企画を立てました。

――ファンにとっても、三津谷さんやファン同士との繋がりを実感できる企画ですね。

本当にありがたかったです。企画に賛同して盛り上げていただけただけでなく、貴重なお金を出して部屋着を購入してくださって…。こんなに応援してくださっている人がいるんだというのが大きな自信になりました。

もしもあの企画に誰も賛同してくれなかったとしたら、まさに今日の今、僕はここにいないと思います。正直な話、そのくらい消極的になっていたんです。

でも、たくさんの応援してくださるファンの皆さんの気持ちを強く感じて「頑張り続けるしかない、マイナス思考になっている場合じゃない」って。

――皆さんの気持ちを受け取って、前向きになることができたんですね。

信頼。それが2020年の僕が得た大きなものです。自分や言葉に対して深く向き合ったことも全てひっくるめて、明るく前向きに皆さんに恩返ししていけたらと思っています。

――そんなときに今回のこの明るい喜劇はうってつけですね。

ありがたいご縁です。セリフの言葉も芝居に関しても、楽しむことを思い出させてくれる舞台になるはずです。

心から楽しめる『お染与太郎珍道中』

――ではここからは『喜劇 お染与太郎珍道中』について伺います。舞台のお話が来たときのお気持ちはいかがでしたか?

もう「ドキドキ!」でした! 座組で一番年下なのは13年ぶりくらいになるので、楽しみなのと緊張でドキドキしています。

――出演の皆さん実力のあるベテランの先輩方ばかりですね。主演のお2人の印象を教えてください。

渡辺えりさんとは実は人づてのご縁があって、武勇伝の数々を以前からお聞きしていたんです(笑)。今回は現場でご一緒させていただくので、この目で実際にどんな武勇伝が拝見できるのか楽しみにしているところです。

渡辺さんはワインがお好きと伺っているので、こんな時期でなければ稽古が終わってからお酒をご一緒させていただきたいなと思っていたんですけれど…。今回はそれができなそうなので稽古場の限られた時間でどれだけ懐に入っていけるかかなと思っています。

――八嶋智人さんについてはいかがですか?

頭の回転が速くてボキャブラリーが豊富な方というイメージです。昔放送していた「トリビアの泉」(フジテレビ系)という番組で高橋克実さんと一緒にMCをされていたのですが、的確で鋭いコメントが素晴らしかったんです。

それから、普段のお話もお芝居でのセリフ回しもリズムやテンポがすごく良くて聞き心地がいいんですよね。ずっと聞いていたくなります。

――とても明るくて速いテンポで会話されそうなお2人ですね。

僕は津軽の生まれでのんびりと生きてきたので、テンポの速い方々とご一緒させていただけるのは本当に刺激的で楽しみです。

33歳、座組での目標とこれからの自分

――今回の公演中に33歳のお誕生日を迎えられますね。

感覚が20代で止まっているんですが、驚くことに33歳です!(笑)。年相応に頑張っていきたいとは思っているんですけれど…20代の頃の体力が欲しいですね(笑)。

この自粛期間にちょっと怠けてしまったので、体力をしっかりとつけていきたいです。何といっても今回の座組の中では一番の若手になりますので「若いな!」って言われるように頑張りたいですね。

――これまでの舞台とは違う傾向の座組の中で、こうありたいという目標はありますか

普段通りの自分でいたいと思っています。嫌われてもいい、何だこいつと思われてもいい。”いい子”でいるために自分を発揮できずに終わるよりは、初めからいつもの自分でいたいんです。

過去を思い返してみると「あのときの自分は”いい子”だった」と感じることがやっぱりあります。けれど今回はそうはなりたくないんです。だから「先輩、ここが分かりません。ごめんなさい、教えてください!」っていう姿勢でどんどんぶつかっていきたいと思っています。

――若手俳優の方々にとっても、活躍の場がさらに広がるきっかけになりそうですね。

今回の舞台、仲間たちからも「いいなぁ」「観にいくよ!」なんて言われています(笑)。実は僕、原作付き舞台でのイメージが強いかもしれませんが、2012年の「テニミュ」の6代目青学卒業後からは原作付き舞台への出演をぎゅっと絞っているんですよ。

――それはなぜでしょう?

大人の中で感じるものを大事にしたいと思ったんです。大先輩方、小劇場で出会う皆様、そういうたくさんの大人の方に触れて養う感覚を財産にしていきたいと。

それから、原作付きの舞台で僕のファンになってくださった方が小劇場やこういった舞台に興味を持って足を運ぶきっかけになれたら嬉しいですし、輪が広がると思うんです。

2.5次元舞台やオリジナルの舞台…いろいろなものをやって、エンタメの架け橋になれたらいいなと思っています。

――きっと多くのファンの皆さんにとって、三津谷さんが架け橋ときっかけになると思います。

意気込みとファンへのメッセージ

――では、今回の『喜劇 お染与太郎珍道中』への意気込みとファンの皆さんへのメッセージをお願いします。

僕が出演する舞台はハッピーエンドではないものが多いけれど、今回は明るく笑って楽しめるハッピーエンドです!(笑)。なので、安心して見に来ていただけたら嬉しいです。

その日一日だけしか見られない方にとっては、その日の公演が一期一会になりますよね。これまでも「毎日が初日」「今日が最初で最後かもしれない」という気持ちでいたのですが、2020年はさらにそれを強く実感する年になりました。

どの舞台でも、見に来てくださる皆様の人生をいただいている気持ちで臨んでいます。今は特に、舞台を観にいくことに大変なエネルギーが必要になっていると思うんです。そんな中でも足を運んでくださるのであれば、現実を忘れて心から楽しんでいただけるものをお届けしたいです。

* * *

周りをぱっと明るくする根っからのエンターテイナー。そんなイメージを持っていた。しかし話してみれば、繊細で気遣いの心にあふれ、そして自分に対して厳しい青年。飾ることなく悩みを正直に吐露し、それでも前へ進もうとする彼にとって、今回の明るい舞台はきっと大きな財産になることだろう。

ヘアメイク:小林純子
衣装:JNBY/マツオインターナショナル
撮影:ケイヒカル

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公演情報

タイトル

『喜劇 お染与太郎珍道中』

日程・会場

2021年2月1日(月)~17日(水)
東京・新橋演舞場
2021年2月21日(日)~27日(土)
京都・南座

スタッフ

作:小野田勇(『与太郎めおと旅』より)
演出:寺十吾

キャスト

お染:渡辺えり、与太郎
お役者小僧:八嶋智人

べらぼう 半次:太川陽介
島田重三郎:宇梶剛士
地武太治部右衛門:石井愃一
小番頭 庄助:深沢敦
大番頭 善六:春海四方
山伏白雲坊:石橋直也
山伏黒雲坊:三津谷亮
弥左衛門:有薗芳記
巡礼お弓:一色采子
投げ節 おこま:広岡由里子
むかで丸後におむか:あめくみちこ
泡手 十郎兵衛:西岡德馬

公式HP

https://www.shochiku.co.jp/play/schedules/detail/enbujyo_202102/

WRITER

広瀬有希
							広瀬有希
						

金融・印刷業界を経てフリーライターへ。エンタメメディアにて現場取材・執筆の他、日本語・日本文化教育ソフト監修、ゲームシナリオ、ノベライズなどで活動中。感動が伝わる文章を目指して精進の日々を送っています。

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