2020年12月28日(月)~31日(木)に東京・明治座で上演される『チャオ!明治座祭10周年記念特別公演「忠臣蔵 討入・る祭」』。2011年から続く、る・ひまわりと明治座がタッグを組んだ舞台シリーズの記念すべき10周年公演だ。
第一部の演目では「忠臣蔵」を題材とした『O-ICCEAN’S11~謎のプリンス~』、第二部のショーでは“旨味と出汁の利いた世界一の側用人グループ”を作る「煮汁プロジェクト」が上演される。
2.5ジゲン!!では、年末“祭”シリーズ初参加で、今回のカンパニーで最年少となる前川優希に単独インタビューを実施。松田岳とともに東山天皇役でダブルキャストを務める彼に、本作への意気込みなどを聞いた。
裸一貫で臨む“祭”シリーズ 「どうにか弾数を準備したい」
ーー今回のお話を受けた際の感想を教えてください。
実際に舞台を拝見したことはないんですけど、お世話になった先輩方も出ていらっしゃっていて、“る・ひま”のことはよく聞いていました。「あれはすごいぞ」「とにかく弾数が求められる」「稽古場から弾数だけは持っていけ」と(笑)。
僕は「明治座…素敵な劇場! 歴史物! ショーもある」っていう感じで、いろいろなエンターテインメントや喜びが詰まっているんじゃないかなと感じていて、すごく楽しみにしております! とともに、やっぱりちょっとビビってもいるんですけど(笑)。
これまで皆様が積み上げてくださったものに対して、僕は本当に裸一貫という気持ちです。しかも、どうやら最年少らしいので、ぜひ厳しくご指導いただければと思っています。どうにか弾数を準備して、皆さんと一緒に並んで戦っていると思えるくらいには頑張りたいです。
ーー実施に今回の舞台では、どのようなことを表現したいですか。
具体的には台本をいただいてからですが、「もしも」を描くる・ひまさんのテーマを大切にしつつも、忠臣蔵という歴史、史実を背負うことに変わりはないので、人物同士のやりとりや関係性は大事にしたいですね。
弾数って言った手前、ちょっと矛盾しているのかもしれないですけど、お芝居はカンパニーの皆さんと一緒に板の上に立つことありきだと思っているので、皆さんと一緒に弾数を作り上げていきたいと思っています。そして何より、お客様に楽しんでもらえることが一番です。
ーーたくさんのキャストさんがいらっしゃいますが、特に共演が楽しみな方はいらっしゃいますか。
今回は初めましての方が多いので、皆さん楽しみなんですけど、特に安西慎太郎くんですね。4年くらい前、僕がプロになって初めての舞台で共演させていただいて、プライベートでも良くしていただいているんですけど、初舞台以降、お仕事でご一緒することが一切なくて。やっと今回共演できることになって…しかも明治座という舞台。以前から慎太郎くんが年末シリーズに出られていたことも知っていたので、僕もそこに並べるようになったんだ…と。
あと蒼木陣くんもプライベートで交流があるんですけど、お仕事でご一緒するのは初めてなので、すごい楽しみです。
ダブルキャストの松田岳さんとは、まだお会いしたことはありませんが、僕自身、ダブルキャストの経験がプロになってからは初めでなので、お互いにいい関係になれたらと思います。
例年より長く感じた2020年… 観客に伝えたいこととは
ーー楽しみにしています。少し気が早いですが、年末の公演ということで、2020年を振り返ってみてどんな一年でしたか。
僕、今年で23歳になるんですけど、23歳の自分が言うのは本当におこがましいですけど、一年が経つのがすごく早いんです。10代の頃、先輩方から「二十歳過ぎたら一年なんて一瞬だぞ」なんて言われて、正直、真に受けてなかったんですけど、本当にあっという間でびっくりして! もうちょっとちゃんと言ってほしかったです(笑)。
ただ、今年はいつもに比べたらそうでもなかったかなと。一瞬だったと思うということは、何かしらに走り続けたり、流れるように時間を使ったから「もう終わった」みたいな感覚になると思うんです。
今年はいろんなことがありましたから、この状況ですので、自分を見つめ直したり、何ができるんだろうと考えたりして、ずっと家にいる時間が長かったです。だから、今までよりも長く感じた一年かもしれないですね。
ーー最近は仕事も少しずつ以前のペースに戻り始めていると思います。本作が仕事納めであり、今年一年の集大成になりそうですね。観客には何を伝えたいですか。
僕としては、今年あったいろいろなことを忘れてほしいなと思います。やっぱり、あったことは事実ですし、忘れられないし、つらい思いも生まれて、たくさんのことが変わった一年だと思いますが、年末は「年末だ!」って気分になるじゃないですか。だから皆さん、年の瀬くらいは心のモヤモヤを落ち着かせて、リラックスして新年を迎えたいって気持ちがきっとあると思うんですよ。
僕らの舞台を観に来ていただく以上、笑って、楽しんで、劇場を出て、家に帰って、明日目が覚めるまでは今年のつらかったことは忘れて、舞台が楽しかったという気持ちで眠っていただいて、良い年越しをしていただきたいです。いい一年になりそうだなと思っていただけたらいいですね。
演劇人として、言葉や作品に意味を持たせたり、風刺だったりも大事だと思うんです。でも、もう今年はくよくよしていても仕方ないから、みんなで楽しもうという心も大事だと思っていて、どちらかと言うと、僕がこの舞台でやりたいことはそっちですね。まだまだ知らないことが多い段階の僕は、そういうことで皆さんを楽しませることができたらいいなと思っています。
「求められていることに応えたい」、役者としての信念
ーー年忘れにぴったりですね! この作品に限らず、役を演じるにあたって心掛けていることはなんでしょうか。
求められていることに応えたいという気持ちが常にあります。僕がお芝居していて楽しいと思う部分でもありますし、今後も大切にしていきたいことでもあります。
例えば、2.5次元作品だったら原作のキャラクターを崩さずに作品に昇華することが求められていると思いますし、ストレートだったらゼロから作り出していくことだったり。自分が何を求められているのを考えながらお芝居するのが好きなんです。
もちろん役者として演劇に携わっている以上、自分のエゴも出しています。自分が別の人間になっているものを、お客様という別の人間に見てもらうなんて、いい言い方ではないかもしれませんが、すごく自己満足感のあるお仕事だと思うんですよ。
ただ、そんな中でも喜びや感動、幸せを与えることができるとも思っていて、そこには自分のやりたいことだけではなくて、求められるものを織り混ぜて、作品に昇華させるという作業が好きなんです。すみません…何だか偉そうですよね(笑)。
ーーそんなことないです! 話は変わりますが、年末シリーズということで、普段年末はどのように過ごされていますか。
年越しくらいは家族と過ごそうと、去年は実家にいたんですけど、家に誰もいなくて。どうしようかなと思ってテレビを見たり、映画を見たりして、気付いたら年越ししていました(笑)。今年、最初に言葉を交わしたのはコンビニの店員さんです。勇気を出して店員さんに「あけましておめでとうございます」って言ったら、「あ、おめでとうございまーす」って軽い感じで返されて、そんな感じでしたね。
親に「年末は帰るね」くらい伝えておけばよかったです。それは打ち合わせしていこうと思います。今後の課題です(笑)。
ーー貴重なお話ありがとうございました。では最後に、ファンの皆さんへ向けてメッセージをお願いします。
もちろん、板の上に立たせていただいて、見にきていただく以上、僕らは作品をお届けする立場ではあるんですけど、皆さんに楽しんでいただくには、まずは僕らが楽しまないといけないと思っているので、作品を愛して、集中して、真摯に取り組んで、晴れやかな気持ちで皆さんと舞台を作り上げたいです。僕らも楽しむので、一緒に楽しみましょう!
撮影:ケイヒカル
* * *
なお、る・ひまわり×明治座の“祭”シリーズ10周年を記念して、2011年に上演された『大江戸鍋祭』が、11月1日(日)にる・ひまわり公式YouTubeで無料配信される。
【配信日】
2020年11月1日(日)15:00〜23:59【公演名】
『大江戸鍋祭〜あんまりはしゃぎ過ぎると討たれちゃうよ〜』
第一部:お芝居「最後の最後に忠臣蔵」
第二部:ショー「元禄夢宴〜大江戸 SANBA で無ト〜」【上演時間】
約185分
抽選で3名様にサイン入りチェキをプレゼント
【応募期間】
2020年10月30日〜2020年11月5日正午
※必ずTwitterキャンペーン応募規約をよくお読みいただき、同意の上ご応募ください。
【応募方法】
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🌟インタビューはこちらhttps://t.co/8u70R8YHyc pic.twitter.com/JB8ginTK6m
— 2.5ジゲン!! 編集部【公式】 (@25jigen_news) October 30, 2020
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