インタビュー

橋本祥平×平野良、「ミュージカル封神演義」第2弾で初共演 それぞれが語った覚悟と情熱

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2020年10月25日(日)より開幕する「ミュージカル封神演義‐開戦の前奏曲(プレリュード)-」。

本作は藤崎竜の人気漫画「封神演義」をミュージカル化したもので、2019年1月に上演された第1弾「ミュージカル封神演義‐目覚めの刻‐」の続編にあたる。

第1弾では古代中国「殷」を舞台に、仙人界から「封神計画」を命じられた主人公の太公望が、哪吒や楊戩、黄飛虎といった仲間たちと出会いながら、西岐を目指すまでが描かれた。

本作では、「周」の軍師となった太公望が、「殷」の太師・聞仲や金鰲三強のひとり・趙公明らと対戦しながら、打倒・妲己を掲げて「殷」へと進軍していく。

2.5ジゲン!!では、前作に引き続き太公望を演じる主演・橋本祥平、そして本作が初登場となる強敵・趙公明を演じる平野良に単独インタビューを行った。

初共演の2人、出演が決まったときの感想は?

――今作へのご出演が決まったときのご感想は?

橋本祥平(太公望役):「ミュージカル封神演義」の続編を上演できること、またみんなと「封神計画」の続きができることにワクワクしました。

第1弾の「ミュージカル封神演義‐目覚めの刻‐」はキャスト、スタッフ全員が燃え尽きるくらい頑張って作り上げましたが、あの頑張りがあったから次に繋げることができたんだと思うと、すごく嬉しいです。

平野良(趙公明役):僕も第1弾を観劇しました。観終わって楽屋に行ったとき、みんなクタクタで目が死んでたもんね(笑)。

橋本:そうかもしれない(笑)。

平野:観ていても「これは相当疲れるだろうな」って思いました。

橋本:今作では太公望VS趙公明の決戦が描かれます。僕は原作の中でもこの戦いが特に好きなので、舞台上でこのシーンを演じられることもすごく嬉しいです。

――平野さんはいかがですか?

平野:僕はもともと原作の大ファンで、「原作が大好き!」という気持ちと「俳優・橋本祥平と共演したい!」という2つの思いで飛び込ませていただきました。お芝居で(橋本と)共演するのは、実は初めてなんです。

以前、僕がMCを務める番組に彼が来てくれたときに「自分も封神演義に出たい」ということを口酸っぱく語ったんですが、今になってその芽が出ました(笑)。まさに趙公明のように、花を咲かせるチャンスをいただいた気分です。

「職権乱用と言われないよう頑張らなくてはいけない」と身が引き締まる思いもありますが、やはりこの作品に出演できたことが何よりも嬉しいです。

――初共演とのことですが、稽古場でのお互いの印象はいかがですか? 「ここがいいな」と感じるところや、尊敬する部分は?

橋本:(尊敬する部分は)全てです。

平野:いやいやいや。

橋本:良さんは本当に原作を愛していて、他の人がなかなか気付かないような部分に気付いてアドバイスをくださったりします。そういう意味でも心強くて、助けられています。

平野:初対面のときから思っていましたが、(橋本は)本当に誠実です。人としても誠実だし、芝居や作品作りに対してもすごく誠実。

稽古を一緒にやってみて、「自分の行動が周りにどう影響を与えるか」までしっかり考えて行動していることを感じ、それが20代でこうした大きな作品の座長を任される所以なのだなと納得しました。

橋本:めちゃめちゃ嬉しい気持ちと、そんなふうに分析されていたのかぁ……という緊張感でいっぱいです(笑)。

太公望、趙公明…それぞれが演じるキャラクターの印象

――ご自身が演じるキャラクターの印象を教えてください。

橋本:太公望は一見とても明るくて、率先してふざけるシーンも多いです。でも「キメるときはちゃんとキメる」というギャップが、すごく魅力的なキャラクターだなと思います。

家族を殺されたつらい過去を背負っているので、人の死に対する思い、悲しみを誰よりも深く抱くキャラクターでもあります。そういう部分も素敵ですね。

第1弾では「太公望のためなら何でもする。自分がどうなっても構わない」と感じながら演じていました。

太公望をより魅力的に見せられるのであれば、「喉が潰れても、体が駄目になっても構わない」と本気で感じましたし、もちろん今回も同じ気持ちで挑ませていただきます。

――平野さんはいかがですか?

平野:藤崎竜さんが描くキャラクターって、敵味方関係なく全員が魅力的ですよね。

「封神演義」の敵キャラクターもみんな魅力的だし、面白い。例えば最初の敵・妲己からして普通じゃないし、次に出てきた聞仲も「これはヤバいぞ」と思わせるようなキャラクターです。

そんな妲己、聞仲と並ぶ「金鰲三強」最後の一人はどんな奴かと思えば、あのとんでもないキャラクター・趙公明が登場するわけですよ。

趙公明を初めて見たときのインパクトって、ものすごいじゃないですか。妲己、聞仲と続いて、次こう来るか!! と。読んでいて本当にワクワクしました。

――趙公明はかなり個性的なキャラクターですよね。

平野:でもよく考えると、趙公明って根底にしっかりとした芯がある人物なんです。特殊な能力を持った強力な召使い(部下)たちをやすやすと束ねているんだな、この人は……と思うと、怖さとすごみを感じます。

外から見ればバカバカしいくらい華やかさにこだわるキャラクターだけど、コアの部分はめちゃめちゃ固い。それでいて、全てに対して「その一瞬を全力で楽しもう」とする、そのためだけに生きているという、すごく振り幅の大きい人物ですよね。

――今作の見どころや特に注目してほしいシーンはどこですか?

橋本:第1弾に続き、今回も非常にたくさんの宝貝(パオペエ)が出てきます。宝貝から繰り出されるワザをどう表現するのかに、ぜひ注目してほしいです。

――前作ではプロジェクションマッピング等を使わず、全ての特殊効果を人力で表現されていました。今作でも同様の演出が見られるのでしょうか?

橋本:はい! 今回もすべて人の手で表現しています。宝貝以外にも色々なものをとても面白く表現していくので、楽しみにしていてほしいです。

平野:「ミュージカル封神演義」は、観てくださる方の想像力をもって完成する作品なのかもしれません。もちろん我々も精一杯表現しますが、観客の皆さんも一緒に作品を作り上げるつもりで、想像力を駆使して観ていただけると、より楽しめると思います。

橋本祥平「キャラクターたちの生き様を見届けて」

――橋本さんに伺います。前作「ミュージカル封神演義‐目覚めの刻‐」を経て、今作「ミュージカル封神演義‐開戦の前奏曲‐」でパワーアップさせたい部分はどこですか?

橋本:第1弾を観てくださったお客様は「(宝貝などを)今回もこんな感じで表現するのかな」とある程度予想していらっしゃるかと思います。

でもそこから更にパワーアップして、分かっていても「わっ、すごい!」とびっくりしていただけるような舞台をお届けしたいです。

キャラクターの人数も増えて作品全体が華やかになっていますし、ひとりひとりの生き様をぜひしっかりと見届けてください。

あとは、そうですね。「封神演義」は衣装的に横幅のあるキャラクターが多いので、ぶつからないよう気を付けつつ(笑)、みんなで頑張ります!

――太公望と相棒・四不象(スープーシャン)とは、前作で素晴らしいコンビネーションを見せてくださいました。四不象役の吉原秀幸さんは、橋本さんにとって今どんな存在ですか?

橋本:第1弾からパートナーとしてずっと隣にいてくれた人。本当に信頼し合える関係です。お互いの意見をちゃんと伝え合えるし、お互いが思う「ここをこうしたいね」という感覚が、今ではぴったり合うようにもなっています。

操演(人形を動かしながらセリフを言って演じる手法)は本当に難しく、大変だと思うんですが、さすがは吉原くん。今回の稽古初日からもう「四不象のプロ」でしたし、第1弾からさらに磨きがかかっています。

平野良「ビジュアル撮影ではポーズが止まらなかった」

――平野さんに伺います。原作の大ファンでもある平野さんですが、趙公明として初めて衣装に袖を通したときの気持ちはいかがでしたか?

平野:いやあ、嬉しかったですねえ。ビジュアル撮影のときはもう、ポーズが次々湧いてきて止まらなかったです。できるなら一日中やっていたかった。

僕ね、ビジュアル撮影のとき、ヘアメイクがほぼ完全に終わるまで目をつぶって見ないようにしてたんですよ。出来上がりを一気に見たくて。

ヘアメイクさんも協力してくれて、ギリギリまで髪型を作らず最後にウィッグを付けてくださって。「できたよ」という言葉で目を開けたときはもう……シビれました!

ちなみに僕、趙公明と同じ眉毛の形をしているんですよ! ほぼ眉毛を描かずにビジュアルを作れたので、シンパシーもすごく感じました(笑)。

――平野さんにとって「封神演義」はどんな存在ですか?

平野:大げさに聞こえるかもしれませんが、僕の人生において、哲学的なことを考え始めるきっかけになったのが「封神演義」という作品です。引っ越ししても手放さずに全巻ずっと持ち続けている漫画って、唯一「封神演義」だけなんです。

史実ではなく創作ですが、この作品を通して「歴史は巡り、繰り返すものなんだ」「歴史を学ぶと、人間についても知ることができるんだ」といったことを考えるようになりました。日本史や世界史の授業はあまり得意じゃなかった僕ですが、この作品を通して「歴史」の奥深さにも触れられた気がします。

原作を最後まで読み終えたときの感覚が忘れられません。「自分が生きているこの世界は、この物語の延長線上なんだろうか」「あのシーンで破壊された世界なのか、それともあのキャラクターが望んだ世界なのか」……と、読み終えた後しばらくぼうっとしてしまいました。

――考え方、感じ方のベースの部分に影響を与えた作品なのですね。

平野:僕の中に哲学的な要素を与えてくれた、呼び覚ましてくれた作品です。

藤崎竜先生の描かれるものは、作品からも、キャラクターからも、根底に愛情を感じます。先生の作品から伝わってくる優しさ、お茶目さ、チャーミングさは、僕自身の心をかたどる一部になっています。

今作への意気込み、ファンへのメッセージ

――最後に、お二人から今作への意気込みとファンへのメッセージをお聞かせください。

平野:新キャストとしての参加になりますので、前回までの流れを汲みつつ、新しい風を吹かせられるよう努めます。

また、趙公明の華やかさと振り幅の大きさで、お客様がまるでジェットコースターに乗っている気分になれるように、思いきり振り回せるように頑張ります。楽しみにしていただけたら嬉しいです。

橋本:今まさに稽古場で必死に作り上げている最中ですが、エピソードを1つ削ろうとするだけでも色んなところにほころびが出るというか。それほど緻密で、よく練られた原作であることを実感しています。

良さんを筆頭に、たくさんの方が青春を共にした作品です。ファンの方たちが読みながら抱いたさまざまな思いが蘇る、そんなステージをお届けできるよう頑張ります。

それと同時に、まだ原作を読んでいない方にも「このお話が好きだ」と思ってもらえて、原作を読みたくなるような舞台を作り上げますので、ぜひ楽しみにしていてください!

* * *

「ミュージカル封神演義‐開戦の前奏曲(プレリュード)-」は、2020年10月25日(日)~11月2日(月)東京・品川プリンスホテル ステラボール、11月6日(金)~8日(日)大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA WW ホールにて全19公演が上演される。

壮大なスケールで描かれる仙人界・人間界の歴史絵巻。心して見届けたい。

チケット情報
チケットぴあ https://w.pia.jp/t/houshinengi-stage/
ローソンチケット https://l-tike.com/houshin-engi/
e+(イープラス) http://eplus.jp/houshin-engi2/
CNプレイガイド http://cncn.jp/houshinengi-stage2/
生配信視聴チケット
東京公演初日楽日・大阪公演大千秋楽を含む4公演の生配信。

10月25日(日)17:00開場/17:30開演 アーカイブ:10月31日(土)23:59まで
11月2日(月)15:30開場/16:00開演 アーカイブ:11月8日(日)23:59まで
11月8日(日)12:00開場/12:30開演 アーカイブ:11月14日(土)23:59まで
11月8日(日)17:00開場/17:30開演 アーカイブ:11月14日(土)23:59まで

チケットぴあ https://w.pia.jp/t/houshinengi-stage/
e+(イープラス) https://eplus.jp/houshin-engi2-st/

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公演情報

タイトル

「ミュージカル封神演義-開戦の前奏曲(プレリュード)-」

公演日程

東京・品川プリンスホテル ステラボール
10月25日(日)~11月2日(月)

大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA WW ホール
11月6日(金)~8日(日)

出演

太公望:橋本祥平、楊戩:安里勇哉、哪吒役:阿部大地、黄天化:太田将熙、武吉:宮本弘佑
黄飛虎:宮川智之、太乙真人:荒木健太朗、四不象(操演):吉原秀幸
妲己:石田安奈、殷郊:長江崚行、殷洪:田口司、姫発:松井健太
申公豹:大平峻也/趙公明:平野良/聞仲:畠中洋

アンサンブル:佐藤優次、山﨑翔太、浅川文也、千大佑、平澤佑樹、安久真修、熊田愛里、若松春奈

原作

藤崎竜(集英社文庫コミック版)安能務訳「封神演義」より

脚本

葛木英

演出

吉谷光太郎

主催

「ミュージカル封神演義‐開戦の前奏曲‐」製作委員会

公式ホームページ

https://musical-houshin-engi.com

公式Twitter

https://twitter.com/musical_houshin

(C)安能務・藤崎竜/集英社
(C)「ミュージカル封神演義‐開戦の前奏曲‐」製作委員会

WRITER

豊島 オリカ
 
							豊島 オリカ
						

観劇好きのフリーライター。2.5次元が大好きです。頂いた日々の活力、勇気、心を揺らす奇跡のような感覚に、どうにか恩返しできないものかと願いながら執筆しています。カーテンコールで拍手することと、鼻ぺちゃな犬も大好きです。

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