スマートフォン向けゲーム「Fate/Grand Order」を原作とした「Fate」シリーズの舞台化作品「Fate/Grand Order THE STAGE」。第六章・第七章に続き、シリーズ集大成となる「Fate/Grand Order THE STAGE -冠位時間神殿ソロモン-」が2020年10月に上演される。
2.5ジゲン!!では、シリーズ全作に出演してきたロマニ・アーキマン役の井出卓也と、今回初登場となるソロモン役の神永圭佑にインタビューを実施。
終局特異点を描く本作の見どころ、舞台「FGO」ならではのカンパニーの様子を笑いを交えながらも熱く語ってくれた。初共演となる2人の掛け合いにも注目しながら楽しんでもらいたい。
初共演の2人が抱いた第一印象と今
――今回が初共演とのことですが、まずはお互いの印象について教えてください。
井出卓也(ロマニ・アーキマン役):圭ちゃん(神永圭佑)は最初に、顔が「濃いな~」って思った(笑)。
神永圭佑(ソロモン役):よく言われます(笑)。
井出:そういうところがちょっと僕と似ているなって思いましたね。流行んない顔だよね、俺らね。塩顔になりたいね……。
神永:ソースって感じですもんね。
井出:なんなら担々麺くらいだよ(笑)。昭和なら良かったんだけどね、令和ならお互いモテない顔だなって思いましたね。
神永:井出さんの第一印象は、めちゃくちゃやんちゃな人なんだろうなって思いました。今、井出さんの髪の毛がピンク色なんですけど、初めましてのときは赤だったんですね。実際、話してみてもすごく兄貴っぽい感じがあって、ちょっと怖い人なのかなって(笑)。
――稽古を進めていく中で、その印象から変わった部分はありましたか。
神永:先輩はとても温かい人です。稽古中に誕生日を迎える方が何名かいらっしゃったんですけど、毎回プレゼントを用意しているんです。
座長って、言葉で引っ張るか、背中で引っ張るか、周りから支えられて乗り切るかの3パターンのうちのどれかっていうことが多いと僕は思うんですけど、井出さんは言葉で引っ張れるし、背中で引っ張れるし、“THE・座長”って感じがします。器が大きいんです。
井出:で、最終的にはモノで引っ張るっていうね。「ほら、プレゼントだぞ~」って(笑)。
神永:でも毎回、律儀に用意する人ってなかなかいないと思うんですよ。しかも稽古が始まったばっかりの段階でそれを普通にやっているので、すごいなって思っています。
井出:座長じゃなければしてないかも(笑)。
すごく大事なカンパニーっていうのもあるし、こういう時期だから気をつけなきゃいけないことも多くてストレスになっちゃうから、そういうのを少しでも減らしたいなって。
そりゃ、稽古場に来て楽しいほうがいいじゃないですか。でもご飯を食べに行ったり、たくさん喋ったりっていうのも今はできないし。だから、楽しい時間が少しでも増えればいいな、と思ってやっています。
――カンパニーの“パパ”っぷりに磨きが掛かっていらっしゃるんですね。では、井出さんから見た神永さんはいかがでしょうか。
井出:圭ちゃんの役、ものすごい大変なんですよ。今のところ、役と自分をちゃんと使い分けているけれど、引っ張られないかすごく心配。でも、よく頑張っているよね。
神永:なんとか必死に耐えしのいでいます!
それぞれの視点から見た舞台「FGO」の魅力
――神永さんはシリーズ初参加となりますが、出演が決まった際の心境を教えてください。
神永:決まったときにマネージャーから重要な役どころと聞いて、すごくプレッシャーを感じました。大人気コンテンツの作品だし、いきなり参加して、その役が務まるのかって思いましたね。
でも、やるからにはしっかりやらないとな、と。不安というより、プレッシャーの方が大きかったです。
――ちなみに、原作ゲームは本作への出演をきっかけに始めたんでしょうか。
神永:そうですね。出演が決まってからプレイを始めました。
井出:今、どこまで進んだの?
神永:終局特異点までやっと来ました。
井出:進んだね~! 頑張ったね、圭ちゃん。
酷だなと思ったんですよ、次に終局特異点やるって聞いたとき。今作から入ってくるニューキャストさん達って、最初からやんなきゃいけないからね。第六章とか第七章も長いからねぇ。
神永:時間を見つけては頑張っているんですけど、ちゃんと終わるのか不安です……。
井出:大丈夫、終わる終わる。そこまで行っていたら大丈夫だよ。俺はね、初演が決まってからだからもう3年半くらい「FGO」やっているから、めちゃくちゃ強いよ(笑)。
神永:この前、ゲーム画面を見せてもらったんですけど、もう星5サーヴァントの数が尋常じゃないんですよ! お金いくら使っているんだろうって思っちゃうくらい。
井出:もうね、舞台のギャラを全部突っ込んでいるから(笑)。プラマイゼロよ(笑)。
――今作、ついに終局特異点まで来ましたが、引き続きロマニとして出演することについての想いを聞かせてください。
井出:ロマニとしては終局を目指して走ってきていたので、「ようやく……」という気持ちです。第六章・第七章とやってきましたが、僕の中では全然ゴールを迎えていなくて。だから、今回「いよいよ最後の旅だ」ということで、感慨深いですね。
ロマニという役の人生の歩みの時間っていう意味でも、初演の第六章からここまで、ちょうどいい年月が経ったんじゃないかなと思います。
――今作は、前作・前々作から続投の方もいれば新しく参加する方もいらっしゃいます。それを率いていくというのは、いかがでしょうか。
井出:初めましての人ばかりじゃないのはすごく助かっています。「FGO」の世界観って、何も知らない人に伝えようと思うと、膨大な情報量じゃないですか。
それを理解してくれている人が多いというのはすごく助かるし、みんなお兄ちゃん、お姉ちゃんな感じで、ニューキャストに色々教えてあげている姿をよく目にしたりして。「みんな頼もしいね!」「好きにやりなさい」って思いながら引っ張っています。
神永:まさにパパ(笑)。
――カンパニーの先輩であり“パパ”である井出さんから神永さんへ、このカンパニーならではのアドバイスはありますか。
井出:このカンパニーのルールは1個だけなんですよ。それは「嘘をつかない」こと。見えていないものを、見ている振りをしないことなんです。
言ってしまえば、ステージの上に木のセットがあるだけなんですけど、それをどれだけカルデアだと信じられるか。どこにトイレがあって、どこに食堂があって、どこに管制室があるのか……っていうのを、全員がしっかり見えるようにすることを目指しています。
嘘をつかないっていうのは、ものすごく役者の本質なんです。だけどこの作品では、それを徹底的にやっていくんですよね。
キャスト同士でも「あ、今嘘ついたね」って言い合ったりしながら、嘘を減らしていくんですよ。
難しいことをオーダーするというより、自分たちで考えて自分たちで“本当”にしていくっていうのをすごく大事にしているカンパニーなので、「あぁ、怒られちゃった。あの演出家怖い~」みたいな現場ではないです。
一同:(笑)。
井出:役者という仕事の本質を、もう1回確かめながらしっかりと歩んでいく。そんなカンパニーですね。
だから、圭ちゃんのソロモンという役も、どれだけソロモンとして存在していくかが大事になるよね。ソロモンは、言っていることを理解するのがまず難しい。哲学的なセリフが本当に多いので、言いたいことは何なのかを理解しなくちゃいけない。
「圭ちゃん、まだここ理解してないよね?」みたいなことを、今、稽古で一緒に確かめながら作っているところです。本番までには、嘘なくセリフを言えるようになっていると思います、圭ちゃんなら!
――神永さんはその難しい役と実際に向き合ってみて、いかがですか。
神永:そうですね……今のところまだ嘘しかついてないですね(笑)。
井出:結構減ってきたけどね!
神永:水泳で言ったら、1メートルずつくらい泳げるようになってはいるんですけど、たまに記録更新できずに溺れることもあって、まだまだだなと感じていますね。
難しい役ではあると思うんですけど、簡単な役なんてもちろん無いので、その中でいかに負けないようにやっていくか。自分との戦いだなと感じています。
大役というのをしっかり胸に刻んで、だけどそのことを負荷に感じないようにしながらも、お芝居としては負荷をかけていって、嘘を減らしていく作業をこれから頑張っていきたいと思っています。
テーマは“生命” カンパニーが作品に込める想い
――稽古が始まってみて、共演者の方で印象的な方がいれば教えてください。
井出:加藤 将は面白いよね。5歳児だな、って(笑)。
「今ほしいもの」をヒントに、もの珍しいものに出会ったときの喜びを表現するお芝居を作るっていうのをやったんですね。そのとき、演出家の方が彼に「今ほしいもの何?」って聞いたら、「卓也くんともっと喋りたいです!」って答えたの。まじな顔で、稽古中に。
僕と喋る時間がもっとほしいって言うんだよ、あの子。
神永:めちゃくちゃかわいいじゃないですか。
井出:そうなのよ。いつも朝、顔を合わせると「卓也くん、おはようございます!」って言ってくるの。
神永:昨日も演出の(福山)桜子さんが喋っているときに、「(小声で)卓也くん、おはようございます!」って言っていましたよね(笑)。
井出:そんな空気を読まない無邪気なところも、永遠の5歳児で本当にかわいいですね。
神永:僕は仲のいい役者仲間からお話を聞いていたこともあって、レフ・ライノール役の村田 充さんとの共演が楽しみでした。村田さんが出演されている映画「GO」を観たときから、すごく素敵な雰囲気を持っている役者さんだなと思っていて。
実際にお会いしてみたら、想像していた感じと全然違って、年下の共演者にもすごく腰が低くてダンディな方だったんです。だからすごくキュンとしています(笑)。
――そういった新しい風が入って、また過去2作品とも違った新しい色合いのカンパニーになっているんですね。
井出:そうですね、全然違うと思います。今回は第六章・第七章に登場したサーヴァントを演じた歴代キャストが何人も集まってくるのもあるし、すごく豪華だなって思いますね。
――ますます上演が楽しみです。では、改めてこの作品への意気込みをお願いします。
井出:「FGO」のひとつのテーマに“生命”があると思っているんです。そこから生まれる、“命の価値”とか“命の意味”とかも含めて。
人生って長いようで短かったり、短いようで長い。それに、生きていく中で楽しいこともあれば、苦しいこともある。そういう日々を送る中で、自分のやってきたことがどれだけ他人や、もっと言えば地球や宇宙に影響を与えているのか。「生きてきたことにどんな意味があるのか」というのを考えさせられる作品だと思います。
「生きてきて何も残せるようなことをしてこなかったよ」って思う方もいらっしゃるかもしれないんですけど、必ずそこには意味があって、誰かと繋がりがあって、意味のない人なんていないんだっていうのを改めて教えてくれるような舞台です。
ウイルスだったり天災だったり、生命が脅かされることが色々起こりますけど、それでも“今”こうして生きている。そして、舞台を通して僕や圭ちゃんと会って繋がって、新たな生きる意味が生まれるかもしれない。
そんなふうに、人生っていうのは魔法のような出来事だと思うんです。その生命の輝きを受け取ってくださればいいなと思います。
神永:井出さんが全部言ってくれたのですが……。僕自身、半年以上空いた久々の舞台で、人生で一番、稽古場で悩んで、家で悩んで、脳にたくさんシワを作っている最中です。本番までにこのシワをもっと増やして突き詰めて、精一杯頑張りたいと思います。
――最後に、ファンへのメッセージをお願いします。
井出:メッセージ……そうだな、「最近みんな何してんの?」って聞きたいかな(笑)。この「終局特異点やるよ」っていうタイミングで、みんながどのサーヴァントを使っているのか聞きたい(笑)。
――ちなみにお気に入りのサーヴァントは誰ですか。
井出:アビゲイルです。この舞台には出てきません(笑)。圭ちゃんは誰に一番お世話になっているの?
神永:僕は殺生院キアラなんですよ。
井出:キアラも今作出てないじゃん(笑)。
神永:キアラをメインにフレンドからアーサー・ペンドラゴンを借りていて……。なのでどっちも舞台には出てこないんですよ(笑)。
井出:ということで! 推しサーヴァントが他にいて、舞台に出てこないよっていう人も、舞台は観に来てください! よろしくお願いします!
* * *
カンパニーの大黒柱と、本作から初参加となるフレッシュな立場。異なる立ち位置の2人だからこその話が詰まったインタビューとなった。
インタビュー内ではネタバレを避けて話してもらったが、この2人が終局特異点でどんな関わりを持つことになるのか、想像しながら読んでもらえたらと思う。
ついに集大成となる「Fate/Grand Order THE STAGE -冠位時間神殿ソロモン-」。2017年から始まった舞台「FGO」という旅の結末を見届けよう。
撮影:ケイヒカル
抽選で3名様にサイン入りチェキをプレゼント
【応募期間】
2020年10月12日〜2020年10月18日正午
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【応募方法】
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🌟インタビューはこちらhttps://t.co/Q0Fb0FWpWY pic.twitter.com/w0v0J5aKP6
— 2.5ジゲン!! 編集部【公式】 (@25jigen_news) October 12, 2020
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