3月23日(土)、品川プリンスホテル ステラボールにてミュージカル「DREAM!ing~FUN!:C’est la vie~」 が開幕する。本作は、「ふたりのキズナ」をテーマにしたコロプラ初の女性向け作品『DREAM!ing(ドリーミング!)』の舞台化第3弾。
2.5ジゲン!!では、原作『DREAM!ing』で牛若湊の声優を務める中島ヨシキと、ミュージカル第3弾で主演を務める遊馬晃祐(牛若湊役)の対談取材を実施。この日が初対面だったお互いの印象から、湊の役作り、今作にならって2人が考える「自分にしかできないこと」などについて語ってもらった。
――おふたりは今日が初対面だとうかがっています。実際にお会いしてみてお互いの印象はいかがですか?
遊馬晃祐:「わぁ本物だ、すごい!」でした(笑)。本作も含めて、僕はアニメやゲームなどが原作の舞台に多く出演していて、ヨシキさんは、その“元”となる声を当てていらっしゃる方ですからね。
今日は、湊の声の出し方や気持ちの作り方など、お聞きしたいことがたくさんあるんです。勉強させていただきたいので、後でこの対談の録音をください!(笑)
中島ヨシキ:そう言ってくださるとうれしいですね。 初めて遊馬さんのお姿を拝見したのは、「Dミュ」(ミュージカル「DREAM!ing」)のビジュアル発表のときです。ひと目見て「かっこいい」と納得したのを覚えています。
湊は作中で学園屈指の美男子とされていて、“美の象徴”とも言える存在です。そのキャラクターを背負うのは相当なプレッシャーがあると思うのですが、まさにぴったりで。だから今日は、逆にお会いしたくなかったんです…並んで写真を撮られたくない!(笑)
遊馬:いえ、そんな! ヨシキさんは、お会いしてみたらものすごくオーラがある方だと感じました。こうして話されている声と役柄の声が違うことにびっくりしましたし、大人の余裕のある落ち着いた方だなって。
中島:遊馬くんはにぎやかで明るい方ですね。先ほどの撮影のときもたくさんお話ししてくださったんですよ。
遊馬:人と話をするのが大好きだからか、「陽キャ」だって言われます(笑)。トークイベントなどでも「晃祐は自由にやって!」とMCの方によく言われていて。
中島:すごいなぁ。逆に僕は率先して話を盛り上げていくタイプではなくて、周りに話を振ったり場を仕切ったりする方です。
構成を担当していた「ドリ生!」(『DREAM!ing』公式生放送)や「DREAM!ing Party! 」(『DREAM!ing』出演キャストによるイベント)では、MCの鈴木裕斗くん(報同守役)と一緒に場を回しながら、自由にやっているメンバーたちに対して「台本どおりにやって!」「今回は終わらないかもしれない…」と制作側のような気持ちになっていました。とても楽しかったと同時に、他では味わえないものがあった現場でしたね(笑)。
遊馬:舞台の「Dミュ」も、先輩と後輩の関係はありつつもきちんと意見を言い合える、コミュニケーションが取りやすくて楽しい座組です。そういう良い環境だからこそファンの皆さんに喜んでいただける作品になり、第3弾まで続けてこられたのかなと感じています。
――原作、舞台ともにすてきな現場ですね。ではまず、『DREAM!ing』という作品そのものの魅力についてうかがいます。おふたりは、本作のおもしろさはどこにあると捉えていますか?
中島:はじめに台本を読んだときは、さまざまな面で「どういうこと?」と思いました(笑)。特に3部は、学園ものなのにいきなり学園が爆発しますからね。「学校なくなったらダメじゃん!」て。最終回かと思いました(笑)。
…というぶっ飛んだ部分はありつつも、まずストーリーがおもしろいです。登場人物たちのやりとりや、1人ひとりの根幹を描いている部分が深く刺さります。シナリオディレクターさんをはじめ、制作の方々が強い愛情を持ってこの作品を作っている気持ちをビシビシ感じていました。ゲームとしてのサービスが終了した今でも、熱心に応援してくださるファンの方が多いのも納得です。
遊馬:僕もやはり、まずはストーリーがいいと感じています。それから、各ペアが競い合う姿に胸が熱くなりますし、ゆめライブのシーンは演じていても楽しいです。舞台の上から、たくさんのお客さまの笑顔を見ると「楽しんでくださっているんだな」と実感します。反応がダイレクトに感じられるのは舞台ならではの良さですね。
――次に、遊馬さんが気になっているという湊の役作りについてお聞きします。中島さん、原作の湊はどのように作っていったのでしょうか?
中島:実は、はじめはもっと極端に間延びした喋り方での演技プランを考えていたんです。「(画面に出るセリフは)小学生が習うまでの漢字しか使っていない」という彼の特徴を考えると、年相応の喋り方ではない人物なのかなと。それくらいやらないと、強烈な個性を持つ他のキャラクターたちの中で埋もれてしまうと思ったんです。でも、それではダメでした。のんびりした喋り方は、あくまでも彼の“表面的な個性”だったんですよね。
僕は、役を演じるときには何かひとつをフックにして、そこから人物像を広げていきます。湊についても、はじめは「少しおばか」な部分をフィーチャーしようとしていたのですが、「湊が持っているもの」などに影響された彼の内面をもっと掘り下げていくべきだと考え直しました。
湊は素直でピュアなので、受け取った感情をそのままぽろっと時に残酷に出してしまう。でもそれは湊なりに考えているからこそと感じて。そうやって内側から丁寧に作っていった湊が3部でメインになると聞いたときは「自分がやってきたことは間違いではなかった」と感じたのを覚えています。
遊馬:こうして湊の役作りについてお聞きできて、本当に参考になります。なかなかこんな機会もありませんから。これまで湊の声を聴きこんで感じていたことも「なるほど!」と納得できる点がたくさんありました。
中島:でも3部はフルボイスじゃないんですよね。今でも、3部の湊のセリフやストーリーを見ていて「自分だったらどう演じていただろう?」と感じることがあります。だからこそ、ミュージカルで遊馬くんが湊をどう演じてくれるのかが楽しみで。
遊馬:これまでは、ヨシキさんが作ってくださった湊を読み解いて自分なりに解釈して演じていたのですが、今作はそれができません。ヨシキさんが1部と2部で作り上げてきたものを受けつぎながら、なおかつ舞台ならではのものにしなければいけないという大きなプレッシャーがあります。聴きこんで研究する“お手本”と言えるものは無い、でも“元”はある…。頑張らないといけませんね。
第1弾と第2弾では、周りとのバランスを考えながら「湊としてどう生きるか」を考えていました。他の原作付き作品でもそうなのですが、セリフがないシーンではその場所でどう存在しているのかが難しいです。今回は座長という立場ですし、自分ができることを見定めながらも周りに助けてもらってやっていこうと思っています。
中島:うん、甘えられるところは周りに甘えて。
遊馬:はい! でも「Dミュ」の現場は、頼りになると同時にものすごくいじってくる先輩がたくさんいるんですよ。特にアドリブを振られる瞬間はものすごく怖いです、“湊”ではなく“遊馬”がつい出てしまいそうになって(笑)。
中島:僕もアドリブが得意な方ではないです。例えばイベントのバラエティコーナーで、エチュード(即興劇)などがあると困ってしまいますね(笑)。逆に、『ドリミ』の現場で言えば豊永(利行/針宮藤次役)さんは舞台やドラマの経験も豊富だからか、アドリブに強いしよく仕掛けてくる印象があります(笑)。
遊馬:ああ! 舞台でも同じく針宮藤次役の反橋(宗一郎)さんが仕掛けてきます(笑)。
中島:そうなんだ?(笑) 僕自身、アドリブは苦手だしできるだけやりたくないけれど、人には仕掛けたくて。でも、へたに仕掛けると倍返しを食らうので気をつけたいですね(笑)。
――先ほど遊馬さんから「舞台ならでは」とのお言葉が出ましたが、舞台がお客さまの反応がその場でダイレクトに返ってくるものであるのに対して、アニメやゲームの世界ではファンの皆さんの反応をどのように感じているのでしょうか。
中島:そうですね、イベントや生放送のような番組がないと、なかなか実感はできません。収録を終えてから1年後にリリースされたり放映されたりすることもありますし、自分が声をあてているキャラクターや作品に対しての反応はリアルタイムでは分かりにくい、というのが正直なところです。
でも僕はファンの皆さんの反応にとても影響されやすいので、それでいいのかもしれません。「受けた!」と思うとそこを膨らませてしまいそうで(笑)。
そう考えると舞台役者さんは、お客さまの反応をダイレクトに受けながら初日から千秋楽までずっと公演を重ねていくのがすごいですよね。その回1度きりの観劇のお客さまに感動を与えるのはもちろん、何度も足を運んでくださるお客さまにも毎回新鮮な気持ちを味わっていただくために努力を重ねて…。
毎公演がベストでありながら、次はもっといいものをという貪欲さを持って臨むのは、相当強い気持ちがないとできません。ましてや、今作の湊はだいぶ心をすり減らさないと演じられないので、遊馬くんは相当心身に重さを感じることになるんじゃないかな、と。
遊馬:はい、さらに気を引き締めて臨まないと…と思っています。
――本作は「ゆめ」が大きなモチーフとなっています。湊と同じ17歳のころ、おふたりは夢を持って過ごしていましたか?
中島:その頃は、声優の養成所に通っていました。事務所に所属するにあたってオーディションを受けることになったのですが、実は、そのオーディションに落ちたら役者を志すのはやめようと思っていたんです。この養成所の中ですら勝ち抜けないのだったら、この先この仕事はやっていけないだろう、と。結局、無事オーディションに合格して事務所に入れることになりました。
とはいえずっと順調かと言えばまったくそんなことはなく、「うまくなってきたかな?」と思ったり、主役をやれるようになってからも、現場に行っては落ち込んで帰る…の繰り返しです。今も、伸びかけては折れる鼻をテープで補修しながら仕事を続けています(笑)。
遊馬:僕は、何も考えずにバレーボールばかりやっていました(笑)。でも、周りがどんどん進路を決めていって。そんなときに友達が「晃祐、芸能の仕事いけるんじゃない?」と言ってくれたんです。その気になってしまってすぐに東京の芸能事務所に電話をかけて、3日後には東京に行っていました。それからは、週末になると岐阜から夜行バスで東京に通ってレッスンを受けて。
中島:すごい行動力だね! 僕はまず、自分から電話をかけられないよ(笑)。
遊馬:電話をかけるの、得意です! もし先輩から突然「この辺でおいしいお店ない?」と聞かれても、すぐに電話して予約が取れるように何軒かピックアップしているくらいです。
中島:さすが陽キャ、強いなぁ。僕は電話をかけるのは苦手! ネットで予約できるお店にしちゃう(笑)。
――同じキャラクターを演じるお2人でも、まったく逆の性質をお持ちなんですね。ところで3部で湊は「自分にしかできないこと」について悩みます。おふたりも「自分にしかできないこと」について考えたことはありますか?
遊馬:最近、考えるできごとがありました。2022年に会社を立ち上げたのですが「どちらもやっていると中途半端になってしまう」と、1年間役者の仕事をお休みして経営に集中させていただいたんです。僕は不器用で、いっぺんに色々なことができないため、始めたてのころはそうする必要があったんですね。
そうやって経営に集中している時でも、僕のことを忘れずに「舞台に立っている姿が見たい」「待っています」と声をかけてくださったファンの皆さんの存在が本当にありがたかったです。応援してくださる皆さんにとっては、僕のお芝居が、替えのきかないものなのかもしれないと。
こうして最近また役者の仕事も再開させていただくことになって、改めて「これが僕にしかできないこと」なのかなと感じています。
中島:役者はアイデンティティとの戦いです。いつも「自分にしかできないこと」を探しています。毎日のようにオーディションがあって毎日落とされていると「自分でなくてもいい」「求められていない」と感じてしまうんです。それから、もし自分に何かあった際は代役を立てられてしまうのだろうと考えると、休むのも怖いです。
選んでいただいて「この役は自分にしかできない」と強く思って役に臨んでいても、どんなに「この役は中島ヨシキでないと」と思っていただいても、結局は代わりがいるし現場は回ります。そう考えると悩むし、とても怖いです。お休みをしてゆっくりしたり何かをインプットしたりするのも必要だとは思うのですが、休んでいる間に「ああ、自分でなくても大丈夫なんだな」と感じてしまうだろうなと思うと…。
だから今は、自分として生きることそのものが「自分にしかできないこと」なのかなと思います。生涯を終える時にやっとそれが何だったのか気づくのかもしれません。
――お2人とも、貴重なお話をありがとうございました。それでは最後に、本作・ミュージカル「DREAM!ing~FUN!:C’est la vie~」 へ期待することと意気込みをお聞かせください!
中島:『DREAM!ing』ファンの1人として、こうして作品が新たな形で描かれるのがうれしいですし、とても楽しみです。遊馬くんには楽しんでやっていただきたいですし、開幕したらぜひ劇場に足を運びたいと思っています!
遊馬:わぁ、ぜひいらしてください! でもヨシキさんに観ていただけると思うと、より緊張感が増しますね(笑)。
「Dミュ」も第3弾となります。物語そのものも、湊の描かれ方も、よりおもしろくなっていきます。楽しんでいただける作品をカンパニー全員で作っていきますので、劇場で観ていただけたらうれしいです。頑張ります!
取材・文:広瀬有希/撮影:梁瀬玉実
ミュージカル「DREAM!ing~FUN!:C’est la vie~」ライブ配信情報
※以下のリンクはプロモーションを含みます【販売期間】
2024年3月11日(月)16:00~4月14日(日)23:59まで【ライブ配信時間】
各公演開始30分前~ライブ配信終了まで(予定)【見逃し・アーカイブ配信期間】
■3公演セット
・2024年3月29日(金)18:00 公演(スイッチング映像)
2024年3月30日(土)18:00~4月14日(日)23:59まで・2024年3月30日(土)17:30 千秋楽公演(全景映像)
2024年3月31日(日)18:00~4月14日(日)23:59まで・2024年3月29日(金)13:00 公演(スイッチング映像)
2024年4月1日(月)18:00~14日(日)23:59まで■単公演
・2024年3月29日(金)18:00 公演(スイッチング映像)
2024年3月30日(土)18:00~4月14日(日)23:59まで■ご注意
※公演開始30分前からライブ配信視聴ページに入場可能となります。
※ライブ配信終了後は見逃し配信のみの視聴になります。配信スケジュールをご確認いただきご購入の際はご注意ください。
※見逃し配信とは、ライブ配信の映像を後日期間限定で何度でも視聴出来るサービスです。
※詳しい視聴デバイスに関してはサービスサイトをご覧ください。
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