「マチネ」「ソワレ」という舞台用語がある。語源はフランス語で、「マチネ」は午前〜昼間の公演を、「ソワレ」は夕方〜夜の公演を指して使われる言葉だ。
日々働く舞台ファンの中には、仕事上がりにソワレ公演を観に行く方も多いだろう。
なにかとバタバタしがちなアフターファイブ。忘れ物や遅刻を防いでスムーズに観劇するためには、どんなことに気をつけたら良いのだろうか?
2.5次元ファン歴10年を超える観劇猛者たち、そして筆者自身が心がけている5つのコツをご紹介しよう。
もくじ
コツ1 周囲に根回ししておく
仕事上がりの観劇で心配なのが、残業による遅刻だ。
舞台観劇では、最初の5分間を見逃しただけでも気持ちががっかりしてしまう。これは、開演直前から幕が上がる瞬間にかけての昂揚感が舞台観劇の醍醐味のひとつであるためかもしれない。
とくに2.5次元系の舞台では、開演前のアナウンスがキャストによる生音声であるケースも多い。これを聞き逃したくないという人も多いだろう。
せっかくチケットを取ったのだから「最初から最後まで1分も漏れなく楽しみたい」と思うのは当然だ。また、開演後の着席は周囲の迷惑にもなりかねない。
まずは、残業による遅刻をできるだけ防ぐよう、対策していこう。
おすすめなのは、当日の朝(もしくは数日前)から、職場の同僚や上司に「この日は定時で帰ります」というのを宣言・根回ししておくことだ。
自分がいくら「絶対に定時で帰るぞ!」と意気込んでいても、周囲がそれを知らなければ、突発的な仕事を頼まれたり、急ぎの仕事を定時間際に任されたりする確率が上がってしまう。
事前に「大切な用事があるので、この日は定時で帰ります」と宣言しておくことで、物理的にも精神的にも、残業を防ぎやすくなる。
コツ2 ギリギリの行動を避ける
予想外の出来事に備え、職場を出てからも時間に余裕を持った行動を意識しよう。
たとえば職場を出たのが17:15で、開演は19:00だったとする。
2時間近くも余裕があるので、「電車に乗る前にちょっと買い物していこうかな」なんて思うかもしれない。
でも、乗るはずだった電車が急に運休・遅延してしまったら……。開演に間に合わなくなってしまう恐れが出てくる。
買い物や食事をするなら、劇場にできるだけ近い駅まで移動しておこう。
また、「開演直前に劇場に駆け込むつもりでいたのに、食事していたお店にチケットを忘れて遅刻した」「トイレが混んでいて入れなかった」などの緊急事態も充分ありえる。
できれば、開演時間の15分前には座席に着席している、くらいの余裕があると安心だ。
コツ3 できれば小腹を満たしておく
仕事上がりはお腹が空いている人も多いだろう。
観劇中、感動的なシーンでお腹がグゥ〜ッと鳴ってしまい、恥ずかしい思いをした……という経験を持つ人も、決して珍しくない。
とくにお芝居を観ている最中は、恥ずかしいだけでなく、「周囲の迷惑になってしまったのではないか」とハラハラもするものだ。
もし開演時間に少し余裕があるなら、劇場周辺で軽く食べ物を口に入れておくと安心できる。
お腹を冷やしてしまう冷たいものは避け、食べる量はストーリーに興奮しても具合が悪くならないよう適量にとどめよう。
コツ4 駅でトイレに行っておく
観劇慣れしている人ならご存知のとおり、劇場のトイレは混雑しがちだ。
とくに2.5次元舞台・ミュージカルが行われる劇場では、女子トイレの入り口から順番待ちの列が何メートルも伸びている光景も珍しくない。
トイレによる時間のロスは、バタバタしがちな平日ソワレの観劇をさらに慌ただしいものにしてしまう。
「劇場内のトイレは10分待ち、15分待ちは当たり前」と心得ておこう。
そしてもし、劇場最寄りの駅のトイレや、観劇前に立ち寄ったお店のトイレが空いていたら、そちらもぜひ活用しよう。
コツ5 チケットをこまめに確認する
最後にして最大のコツは、こまめにチケットの所在を確認することだ。
仕事をこなしてからのソワレ観劇は、疲労や焦りからか「まさか」と思うような失敗をするケースも多い。
家や職場にチケットを忘れてしまって泣いた、という経験談は、筆者の周囲でも一度ならず聞いている。
朝家を出るとき。
夕方職場を出るとき。
開演前に食事した場所を出るとき。
……など、移動するときにはチケットが手元にあるかどうか確認する癖をつけておこう。
スムーズな観劇で平日ソワレを楽しもう
大好きな作品が待っていると思えば、仕事も頑張れるというものだ。
疲れを吹き飛ばしてくれる終業後の舞台観劇。スムーズに楽しんでいこう。
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