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鉄道擬人化ミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』は、とにかく作り手の愛が詰まっている…と原作ファンが思う理由

ミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』は、「コミックウォーカー」で連載中の鉄道路線擬人化コミックをミュージカル化した作品だ。

2015年11月に一作目が上演され、2019年3月現在 3作品が上演、DVD・ブルーレイ化されている。

登場人物は東海道新幹線や宇都宮線といった鉄道路線で、鉄道利用者ならついクスッとなってしまうようなネタを中心とした物語になっている。

もともと原作のストーリーは2~4ページ程度で構成されている話が多く、ミュージカルも淡々としたナレーションとテロップに合わせてテンポよく次々に物語の舞台やキャラクターが変わっていくので、ライトな気持ちで楽しめるのも魅力的だ。

そんな「鉄ミュ」の愛称で親しまれる『青春-AOHARU-鉄道』だが、とにかく愛に満ちた舞台なのである。今回は、私がそう思っている大きな理由を2つご紹介したい。

原作への愛

私はもともと原作の「青春鉄道」シリーズのファンだ。そのファンの目から見ても鉄ミュは原作ファンにとって納得の舞台化だった。

納得した理由の1つ目は魅力的なキャラクターや関係性の再現だ。青春鉄道のキャラクターはその路線の特徴を表した個性的な面々が揃っている。

たとえば東武東上線(高崎翔太)はかつて直通運転をしていた秩父鉄道(森山栄治)に毎日愛を叫んでいる。

「ちちてつ〜!」という会場全体に響き渡る東武東上線のラブコールは、原作ファンの思い描いていたエキセントリックな彼の姿そのままだ。

さらに、本作のミュージカル楽曲も、そのキャラクターらしいフレーズやダンスが盛り込まれており、原作を読み返していてもその楽曲を思い出すほどぴたりとはまっている。

納得の舞台化である理由の2つ目は舞台化したエピソードの秀逸さだ。青春鉄道は商業誌での連載を経て、現在はウェブコミックマガジン上で掲載されている。

しかし、もともとは同人誌で発表された作品であり、現在でも商業誌だけではなく同人誌でも作品が発表されている。

舞台化にあたってはほぼ商業版で掲載されたエピソードを元にしているものの、一部は同人誌で発表された人気エピソードが含まれている。

小ネタが多めの商業版に比べ、同人版ではやや長めのストーリーものもあり、原作ファンが是非ミュージカルで見たいと思う作品も多くあった。

そんな中、コアな原作ファンでなければ触れる機会の少ない同人版のストーリーも取り上げ、ミュージカルならではの演出で見せてくれたことは、原作ファンとしてとても嬉しかった。

鉄ミュは原作へのリスペクトに溢れた作品だと多くの原作ファンも感じたはずだ。

キャストの愛

鉄ミュの特徴的なところに1人が複数のキャラクターを演じるということがある。

2作目の「信越地方よりアイをこめて」では高崎翔太による東武東上線と信越本線の2役が披露された。

3作目の「延伸するは我にあり」ではゲストも含め6名のキャストが2〜3役を演じ分けている。

2.5次元舞台ではメインのキャラクターを1人の役者が2役も3役も演じるのは珍しい。

そもそも出てくる場面が被ると2役は成立しないし、見ている側からするとどちらかの役にその役者のイメージが引っ張られがちなので、事情がなければ1人2役はやらないものだと思っていた。

しかし、鉄ミュはそんな複数の役柄の演じ分けを見事にやりこなしてしまった。

たとえば銀座線、常磐線、西武池袋線の3役を演じたKIMERUはそれぞれのまったく違うキャラクターを魅力的に表現している。

銀座線としては、現在の上品な姿と路線が開通した頃の棘のある表情のギャップが印象的だった。対して常磐線としては、飄々として茶目っけのある物言いがなんとも魅力的だ。

見ていて同じ役者が演じていることを意識させないほど、それぞれのキャラクターが自然に登場している。

キャストがそれぞれのキャラクターに対して愛情を持って演じてくれているからこそ、1人2役など関係なく、それぞれのキャラクターが舞台上で生き生きと動いているのだと思う。

さらに、役者ファンの視点から見ても、同じ舞台の中で様々な役者の表情が見られるのは嬉しいことだ。

役による仕草の違いや細やかな表情について楽しめるのも複数の役を演じているからこその良さだ。

ファンの間では次回作があるのなら、さらに複数の役を演じる人がいるのだろうかという話題が盛り上がる。

キャストや制作陣への信頼があるからこそ、そして彼らがそれに愛情を持って答えてくれるからこそ、1人2役、3役が舞台のスパイスとして楽しめるのだ。

愛の詰まった鉄ミュへ是非ご乗車を

鉄ミュは愛に満ちた物語だ。

作り手側の「青春鉄道」という物語とキャラクターを好きという気持ちが舞台に詰め込まれている。だからこそ、今一番原作ファンが信頼して見られる2.5次元舞台だと思う。

もちろん原作を知らなくても楽しめる作品だ。

鉄道という身近な物を題材にしているので、原作の漫画を知らなくても、路線たちのやりとりに思わず笑ってしまうはず。

ミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』は2019年5月から初のスピンオフ作品『青春-AOHARU-鉄道』~すべての路は所沢へ通ず~の上演が控えている。この機会に是非、鉄ミュワールドに乗り込んでほしい。

公演情報

タイトル

ミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』すべての路は所沢へ通ず

原作

『青春鉄道(あおはるてつどう)』(KADOKAWA/コミックウォーカー連載中)

原作者

青春(あおはる)

脚本・演出・作家

川尻恵太(SUGARBOY)

音楽

あらいふとし+ミヤジマジュン

振付

EBATO

公演日程

【東京】
2019年5月9日(木)~19日(日)
品川プリンスホテル クラブeX

キャスト

KIMERU
渡辺コウジ
橋本汰斗
滝口幸広
馬場良馬
木村 敦
岩城直弥
橋本星(Wキャスト)
土方柚希(Wキャスト)
森山栄治
ほか

チケット料金

【会長のお導き席】
10,000円
(前売・当日共/全席指定/税込)
※前方エリア席でご観劇頂けます。
劇場にて、非売品小冊子(2種より1種選択)とクリアファイルをセットにしてプレゼント致します。

【指定席】
7,000円
(前売・当日共/全席指定/税込)

チケット情報

【一般発売日】
2019年3月24日(日)10:00~

・チケットぴあ
http://w.pia.jp/t/AOHARU-SP/
0570-02-9999
(Pコード:491-358)
セブンイレブン、チケットぴあ店舗

・e+(イープラス)
http://eplus.jp/AOHARU-SP/
ファミリーマート店内Famiポート
ローソンチケット
https://l-tike.com/AOHARU-SP/
0570-084-003
(Lコード:31491)
0570-000-407
(オペレーター対応)
ローソン、ミニストップ店内Loppi
LINEチケット
https://ticket.line.me/sp/AOHARU-SP

公式HP

http://www.marv.jp/special/aoharutetsudou/

公式ブログ

hhttp://aoharumusical.jugem.jp/

公式Twitter

@aoharu_musical

主催

ミュージカル『青春鉄道』製作委員会

©青春 ©ミュージカル『青春鉄道』製作委員会

WRITTER

ゆうり藍
 
								ゆうり藍
							

2.5次元舞台をはじめとしたサブカル系コラムライター。舞台遠征でも観光を忘れないくらい旅行も好き。観劇がもっと楽しくなる記事をお届けできればと思います。

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