コラム

【あんステ】2.5次元版「Valkyrie」の魅力、繊細な表現力が光る2人の役者がいざなう奇跡

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『あんさんぶるスターズ!オン・ステージ』シリーズこと「あんステ」は、私立夢ノ咲学院を舞台に魅力的なアイドルたちの活躍を描く物語だ。

登場するアイドルたちは1〜5人単位のユニットに所属している。この企画では各ユニットに焦点を当て、魅力や特徴をご紹介していく。

シリーズ第9回は、芸術性と格式高さを誇るユニット「Valkyrie(ヴァルキュリー)」について紹介しよう。

※内容は筆者個人の感想に基づくものであり、公式の見解とは異なる可能性があります。またストーリーの核心に迫るネタバレは避けますが、作品内容の一部に言及していますのでご注意ください。

Valkyrie(ヴァルキュリー)はこんなユニット

「あんステ」に登場するのは個性豊かなユニットばかりだが、中でも格別ユニークな個性を持っているのが、今回紹介する「Valkyrie」である。

「Valkyrie」の構成メンバーは、次の2人。

<Valkyrie>
斎宮宗(いつき しゅう)
影片みか(かげひら みか)

リーダーを務める3年生の斎宮宗は、アーティスティックな才能と完璧主義な性格を持つ人物だ。彼はステージングに関して一切の妥協をしないし、ひとすじの瑕瑾(かきん)すら許さない。

そんな宗を隣で支えるのが、2年生の影片みか。宗を「お師さん」と呼び慕う彼は、忠誠心が強くけなげな人物だ。

「Valkyrie」には、特筆すべき特徴がいくつもある。

1つは、芸術性の高さ。

圧倒的カリスマ性を持つ「五奇人」の一人として知られる宗は、独自の美意識を持つ人物だ。

彼の創り上げるライブには、その空間、時間だけが俗世から切り離され、1つの世界として成立するような独特の空気がある。

もう1つは、彼らの立ち位置。

「Valkyrie」はかつて、熱狂的人気を誇る夢ノ咲学院のトップアイドルとして君臨していた。だが、ある時期を境に表舞台から姿を消してしまう。

以降、彼らの活動の場は地下ライブハウスとなり、さらにその後はライブそのものをほとんど行わない時期が続く。

このあたりの出来事や理由については、「Valkyrie」が主演を務める『あんさんぶるスターズ!エクストラ・ステージ~Memory of Marionette~』(以下『MoM』)で詳しく描かれている。

いずれにせよ、夢ノ咲学院に所属するアイドルのほとんどが学院内のライブに参加し、学院内での評価を重視しているのに比べ、それらとあえて距離を置く「Valkyrie」の立ち位置は特殊なものと言えるだろう。

魅力1 キャラクターへのリスペクトと再現度

舞台版の「Valkyrie」にもさまざまな魅力がある。まず紹介したいのが、キャラクターの再現度の高さだ。

リーダーの斎宮宗を演じるのは、ミュージカル「忍たま乱太郎」や「宇宙戦隊キュウレンジャー」等で知られる山崎大輝。

山崎が演じる宗は、天才肌で完璧主義のキャラクターなだけに、ファンの中には「生身の人間にどこまで演じられるのだろうか?」という不安があったかもしれない。

だが、山崎の発する第一声を聞いた瞬間、あるいは舞台上に立つ彼のシルエットを見た瞬間、その不安は霧散したはずだ。そこにいるのは、誇り高く美しく、だが人間らしさもにじみ出る、斎宮宗その人だった。

そして影片みかを演じるのは、舞台『刀剣乱舞』や「PERSONA5 the Stage」などで知られる猪野広樹。

表現の幅広さに定評のある猪野は、みかの穏やかさと強さ、健気さと頑固さ、気弱さと雄々しさ……といったさまざまなコントラストを鮮やかに見せてくれた。

山崎大輝と猪野広樹、いずれも類まれな表現力を持つ俳優だ。彼らの演じる宗とみかは、ステージの芸術性と完成度にこだわる「Valkyrie」そのものだった。

これは2人の俳優の能力が高いだけでなく、キャラクターへの深い愛情とリスペクトを抱いていてこそ成せる業だと、筆者は確信している。

魅力2 芸術的で荘厳なパフォーマンス

キャラクターの再現度が高いからこそ輝くのが、ライブシーンのパフォーマンスである。

アイドルという言葉のイメージに収まりきらないゴシック調の荘厳な曲。赤紫と黒のユニットカラーを基調にした衣装。そして華麗な振り付け。全てが圧倒されるほど美しく、力強い。

普段は自信がなくうつむきがちなみかだが、ライブでは背筋を伸ばして雄々しく舞う。完璧主義でプライドの高い宗は、指先まで優雅に、繊細に“世界”を創り上げる。

とくに『MoM』で披露された、旗を使ってのパフォーマンスは必見だ。

ちなみに「Valkyrie」の代表曲『魅惑劇』は、カリスマ的人気を誇る「ALI PROJECT」のメンバーが手掛けている(作詞は宝野アリカ、作曲は片倉三起也)。

魅力3 情熱と儚いきらめきが同居するストーリー

「あんさんぶるスターズ」という作品全体に言えることだが、「Valkyrie」をめぐる物語は繊細で複雑だ。

「Valkyrie」には、かつて3人で活動していた時期がある。斎宮宗、影片みか、そして仁兎なずなの3人だ。

彼らを取り巻くストーリーにはたくさんの感情や思惑が絡み合い、ドロドロと煮えたぎるような情熱と青春の儚いきらめきが同居する。

物語を経て「Valkyrie」を脱退したなずなは、今は別ユニット「Ra*bits」のリーダーとして活動している。

3人に何があり、どこでどう道が分かたれたのか、物語の詳細を確かめたい人はぜひ公演のBlu-ray・DVDをチェックしてほしい。

Valkyrieが出演している公演をチェック

舞台版の「あんステ」に「Valkyrie」が登場するのは、2020年10月現在、1演目のみである。

◆『あんさんぶるスターズ!エクストラ・ステージ』~Memory of Marionette~(2018~2019年)

「あんステ」における番外編=エクストラ・ステージの2作目。「Valkyrie」を主人公とし、彼らを取り巻く過去と現在の物語だ。

「あんステ」メインストーリーの1年前から現在にかけての時間軸が描かれる。過去の夢ノ咲学院の雰囲気を知りたい人にもおすすめだ。

また、メインストーリーにあたる、
『あんさんぶるスターズ!オン・ステージ』(初演・2016年)
『あんさんぶるスターズ!オン・ステージ』~Take your marks!~(2017年)
『あんさんぶるスターズ!オン・ステージ』〜To the shining future〜(2018年)
これら3部作を鑑賞すれば、より深く「あんステ」の世界にひたることができるはずだ。

Valkyrie、それは魂をいざなう気高い熱狂

「Valkyrie」という言葉は、北欧神話に登場する半神の乙女・ワルキューレを指す。ワルキューレは戦場で生きるものと死ぬものを選り分け、死者の魂を神々の王、オーディンのもとへ導くと言われている。

雄々しく力強い情熱と、魂を別世界へいざなう妖艶な美しさ。それらが渾然一体となった2人のパフォーマンスは、気高い戦乙女「Valkyrie」の名にふさわしい。

彼らが気になった方は、ぜひ「あんステ」過去作品をチェックしてみてほしい。

※情報は全て2020年10月現在。

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WRITER

豊島 オリカ
 
								豊島 オリカ
							

観劇好きのフリーライター。2.5次元が大好きです。頂いた日々の活力、勇気、心を揺らす奇跡のような感覚に、どうにか恩返しできないものかと願いながら執筆しています。カーテンコールで拍手することと、鼻ぺちゃな犬も大好きです。

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