コラム

【あんステ】2.5次元版「fine」の魅力。「終焉」を担う最強ユニットと天祥院英智の信念

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『あんさんぶるスターズ!オン・ステージ』シリーズこと「あんステ」は、私立夢ノ咲学院を舞台に魅力的なアイドルたちの活躍を描く物語だ。

登場するアイドルたちは1〜5人単位のユニットに所属している。この企画では各ユニットに焦点を当て、魅力や特徴をご紹介していく。

シリーズ第8回は、「夢ノ咲最強」と謳われるユニット「fine(フィーネ)」についてご紹介しよう。

※内容は筆者個人の感想に基づくものであり、公式の見解とは異なる可能性があります。またストーリーの核心に迫るネタバレは避けますが、作品内容の一部に言及していますのでご注意ください。

fine(フィーネ)はこんなユニット

数多の才能あるアイドルがしのぎを削る、夢ノ咲学院。fineは、その学院において「最強」と呼ばれるユニットだ。

fineのメンバーは次の5人。

<fine>
天祥院英智(生徒会長/3年生)※リーダー
日々樹渉(3年生)
伏見弓弦(2年生)
姫宮桃李(1年生)

「あんステ」のメインストーリーは、主人公であるルーキーユニット「Trickstar」が学院を支配する権力に立ち向かい、革命を成し遂げるまでの物語である。

その権力の象徴とも言えるユニットこそが、今回ご紹介する「fine」だ。主人公側から見れば敵の親玉、RPGに例えるならラスボスのポジションと言える。

ちなみにユニット名の「fine(フィーネ)」は、イタリア語で「終わり」の意味。音楽用語でも楽譜の終止を表す記号として使われている。

魅力1 天空の音楽を紡ぐ実力派王者

fineは、一言で言えばノーブルな雰囲気を持つユニットだ。メンバーは4人とも(各自非常に個性的ではあるが)優雅な立ち居振る舞いを好み、堂々とした雰囲気をまとっている。

ステージ衣装もユニットカラーの白と金を基調としたエレガントなデザインが多く、楽曲や歌詞もどことなく天使のような、高貴な存在を彷彿とさせる。

原作におけるfineのそうした雰囲気は、舞台版の「あんステ」にもしっかりと受け継がれている。

「あんステ」でfineを演じた俳優は、現在のところ計8名(初代・2代目)。それぞれが自身の演じるキャラクターを敬愛し、作品との絆を真摯に結ぼうと努める、ストイックな面々である。

王者fineを演じる俳優たちの気迫も、観客の心を動かす大きな要素の1つだろう。

魅力2 優雅さに秘められた凄絶な過去

原作で描かれているfineの過去は、「あんステ」ではまださほど詳しく語られていない。

ただ、fineがもともと現在とは異なるメンバーで活動していたことは、「あんステ」番外編『エクストラ・ステージ~Night of Blossoming Stars~』でも描かれたとおりだ。

fineの結成、そして原型を留めないほどの変容は、夢ノ咲学院全体に大きな影響を及ぼしている。

メインストーリーでTrickstarが革命を試みる、学院の支配的な空気。それは、fineの歩みとリンクしている。少々きな臭い歴史も、ファンにとっては大きな魅力の1つだろう。

現時点では、fineの過去について詳しく知りたい場合は原作に触れるしかない。

だがいつか、「あんステ」のステージの上でfineの歴史を見ることができるだろうか。その日が来ることを願うばかりだ。

魅力3 リーダー・天祥院英智の信念

fineのユニットリーダーを務める天祥院英智は、上品で物腰柔らかな人物だが、学院の在り方に対しては非常にシビアだ。

「皇帝」と呼ばれ畏怖されている英智だが、学院を厳しく統制するのは決して悪意からではない。じつのところ、彼は誰よりも「アイドル」という存在を愛している。

冷酷で理不尽な統治も、意図が読めない言動も、根底には常にアイドルへの尊敬と憧れがある。アイドル育成校として、理想的な学院をつくるためなら、彼は手段を問わないのだ。

そんな英智を心から敬愛し、自他ともに認める実力で王者の地位を不動に保つ下級生・姫宮桃李。

桃李のお目付け役をしながら、秀でたパフォーマンスでユニットを支える伏見弓弦。

そしてかつては最大の敵でありながら、今は右腕ならぬ「左手」として英智の隣に立つ、元・五奇人の日々樹渉。

複雑な関係性を内包しながらもなお、fineは王者として君臨する。

リーダー・英智の揺るぎない信念と、それを裏打ちする圧倒的な実力を持つメンバーたち。それが、最強・fineを支える屋台骨と言えるだろう。

fineが出演している公演リスト

◆『あんさんぶるスターズ!オン・ステージ』(初演・2016年)

新進気鋭のユニット・Trickstarが、夢ノ咲学院に革命を起こすべく立ち上がる物語。

※fineの直接的な出演はないが、物語の終盤に天祥院英智のセリフのみ挿入されている(声は原作声優が担当)。

◆『あんさんぶるスターズ!オン・ステージ~Take your marks!~』(2017年)

実質上、今作がfineの初登場作品。

“皇帝”として学院に君臨する生徒会長・天祥院英智と彼の率いるfineがいよいよ姿を表し、Trickstarに解散命令が下される。

◆『あんさんぶるスターズ!エクストラ・ステージ~Judge of Knights~』(2017年)

エクストラ・ステージ(番外編)1作目。騎士をモチーフにしたユニット・Knightsの物語が描かれる。

行方不明になっていたKnightsのリーダー・月永レオ。突如学院に戻った彼の宣戦布告により、Knightsは内紛状態になる。

fineのリーダー・英智は、レオに誘われ「臨時ユニット」を組むことに。いつもとは少し違う表情のメンバーを堪能できる一作だ。

◆『あんさんぶるスターズ!オン・ステージ〜To the shining future〜』(2018年)

メインストーリー3部作の完結編。学院中を巻き込むTrickstarの「革命」のたどり着く先が描かれる。

学院最強ユニットとして、Trickstarの前に立ちはだかるfine。はたして勝負の行方は?

◆『あんステフェスティバル』(2018年)

豪華8ユニットが揃い踏みした、ライブ形式のフェスティバル。

fine初代キャストの卒業公演となった今作は、渾身のパフォーマンスに要注目だ。

◆『あんさんぶるスターズ!エクストラ・ステージ~Memory of Marionette~』(2018~2019年)

エクストラ・ステージ(番外編)2作目。元「五奇人」の一人・斎宮宗が率いる「Valkyrie」の物語。

メインストーリーの1年前から現在にかけての様子が描かれる。過去の夢ノ咲学院の雰囲気を知りたい人は必見だ。

fine(フィーネ)|終焉を担う美しき天使たち

「終わり」を意味する「fine」というユニット名は、彼らの輝くイメージに反し、どことなく不穏な影がある。

そんなところも含めて、fineというユニットは人の心を惹き付けかき乱す、不思議な引力を持っているのではないだろうか。

それにfineの楽曲の数々を聞けば、「終わり」は必ずしも悪ではないと気づくこともできるだろう。

彼らが気になった方は、ぜひ「あんステ」過去作品のBlu-rayやDVDをチェックしてみてほしい。

※情報は全て2020年8月現在のものです。

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WRITER

豊島 オリカ
 
								豊島 オリカ
							

観劇好きのフリーライター。2.5次元が大好きです。頂いた日々の活力、勇気、心を揺らす奇跡のような感覚に、どうにか恩返しできないものかと願いながら執筆しています。カーテンコールで拍手することと、鼻ぺちゃな犬も大好きです。

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