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加藤靖久・唐橋 充・森山栄治…2.5次元作品に重さと渋さの色を加える、40代俳優の魅力

2.5次元舞台に出演している俳優は、10代から20代と若い年代であることが多い。しかし、舞台の登場人物の年齢設定に合わせて40代から50代の俳優も舞台に立つことも増えてきた。

俳優としての経験、そして人生経験を積んだ彼らの演技は、キラキラとした2.5次元舞台に、より深みを重みを与えてくれる。ここでは、その中から40代の俳優に絞り、五十音順で5人を紹介する。

加藤靖久

加藤靖久(1976年生まれ)
主な出演作品:舞台「この音とまれ!」、「機動戦士ガンダム00[ダブルオー]」、「ダイヤのA The LIVE」など

頼りがいのあるアニキ的存在だ。歴戦のつわもの中佐や学園ものでは欠かせない先生、といった厳格な役が多い。威厳のある声と演技で、若手役者によるキャラクターたちを叱りつけたりあたたかい視線で見守ったりしている。そこにいるだけで、ビシリと場が引き締まる。

ご覧のとおり、あご髭と口髭で口のまわりをぐるりと囲んだサークル型の髭が非常に良く似合う。つるつるだったり、軽く顎周りに生やしている時もあるが、髭キャラクターでの役どころの場合は、拝みたくなるほど大変ありがたい。

カーテンコール挨拶の時や、舞台を降りてオフともなれば、若手たちとわちゃわちゃと楽しんでいる姿に非常になごむ。演技は渋く、そして茶目っ気たっぷりの俳優だ。

唐橋 充

唐橋 充(1977年生まれ)
主な出演作品:舞台『刀剣乱舞』維伝 朧の志士たち、舞台『PERSONA3 the Weird Masquerade』、劇団シャイニング『JOKER TRAP』『エヴリィBuddy!』など

きっと誰でも好きになるであろう、何とも魅力的な人だ。イラスト・文章など、役者としての面以外でも多才な顔を見せてくれる。

SNSでの豊かな言葉選びは頭の良さを感じさせ、会見やインタビューでの茶目っ気たっぷりの発言は場を和ませる。その場を楽しんでいるのだろうなという空気感と笑顔に、見ている側も思わず笑顔になってしまう。

「舞台『刀剣乱舞』維伝 朧の志士たち」では、舞台で「魅せる」ベテランの演技と殺陣を見せてくれた。素早い太刀筋、はっきりと聞こえる腹の底からの台詞。圧倒的な存在感と説得力で、どの舞台に立っていても観客の目を釘付けにする。

唯一無二、という言葉がふさわしい俳優だ。

谷口賢志

谷口賢志(1977年生まれ)
主な出演作品:「舞台 文豪ストレイドッグス 黒の時代」、「ジョーカー・ゲーム」、「真・三國無双」など

ぱぁっと明るくチャーミングな笑顔に、思わずこちらも破顔してしまう。「仮面ライダーアマゾンズ」や映画など、映像での活躍も多い谷口賢志は、180センチの長身ながら甘えた大型犬のような視線が似合う「上目づかいで見られたい俳優」だ。

ワイルドと可愛らしさが同居しており、眩しそうで困ったような表情がよく似合う。そうかと思えば、泥にまみれた鬼気迫る目を見せてくれる。お洒落でダンディ、そしてとにかく顔がいい。

舞台「文豪ストレイドッグス 黒の時代」では、主演の織田作之助役を演じた。この舞台は号泣必至のため、タオルを用意して観ることをおすすめする。

入門としては、彼の人生を変えたのではないかと思われる「仮面ライダーアマゾンズ」を見てほしい。

萩野 崇

萩野 崇(1973年生まれ)
主な出演作品:舞台『血界戦線』、舞台「青の祓魔師(エクソシスト)」-青の焔 覚醒編/京都 不浄王編、「ダイヤのA The LIVE Ⅲ」など

大人のセクシーが具現化している。声がいい、たたずまいがいい。この先50、60になった時、その時々のベストオブかっこいい大人俳優の姿を塗り替えていくことが容易に想像できる。

20代はじめの超光戦士シャンゼリオン、20代終わりの仮面ライダー龍騎の浅倉威。30代40代、それぞれにおすすめがあるため「あなたの萩野崇はどこから」アンケートを取ってもいい。

なお、谷口賢志+萩野 崇は西田大輔氏オリジナル舞台のDisGOONie(ディスグーニー)にて共演が多いので、ダブルで楽しめて大変お得な気分になれる。

二度でも三度でも言うがとにかく声がいい。

森山栄治

森山栄治(1976年生まれ)
主な出演作品:ミュージカル『テニスの王子様』、ミュージカル 「青春-AOHARU-鉄道」、「テイルズ オブ ザ ステージ -ローレライの力を継ぐ者-」など

「えっ、もう40なの?」と驚かれる方も多いことだろう。2.5次元舞台をけん引する、ミュージカル『テニスの王子様』で初代・桃城 武役を演じた彼も、実は40代に入っている。

2ndシーズン・3rdシーズンでは、南次郎パパ・越前南次郎として舞台に上がり、ドリライでのトークコーナーではMCとして客席を盛り上げる。あたたかい笑顔とその人柄に、思わず「パパ」と呼びたくなるだろう。

毎日の「今日も元気に楽しみましょう」という呼びかけは、シンプルではあるがその時々に「一日を大事に過ごそう」「生きていることを楽しもう」など、さまざまなメッセージとして受け取ることができる。

2.5次元の世界で頑張る若手俳優たちの指針として、その大きな背中をずっと見せ続けていってほしい。

なお、信じられないことに同じくテニミュ初代・不二周助役のKIMERUも、どう見ても20代だが2020年に40になる。

幅広い年齢層になってきた2.5次元舞台を支えるベテラン俳優たち

2.5次元舞台の黎明期、舞台に立っていたのはほぼ若手の俳優たちだった。しかし、そこに立っていた俳優たちが経験を積み、先輩や先生、上司や親役を演じるようになってきた。

また、オリジナル舞台や映像で活躍をしている俳優たちが2.5次元舞台に出演することも増えていることから、逆に、2.5次元で初めて舞台を観た層がオリジナル舞台を観に行くようにもなってきている。

舞台に立つ役者の年齢層や経歴が幅広くなれば、舞台としての内容もより深く、楽しめるものが作られていくことだろう。
(※「40代」の年齢表記は、2020年1月現在のものです)

WRITTER

広瀬有希
								広瀬有希
							

演劇と映画と小説を愛するフリーライター。たくさんの感動を、熱い思いとともに、読んでいてワクワクするような文章にしてお届けします。趣味はおいしいカフェの開拓。

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