「毎日こんなに生きるのが楽しくていいのか!?」という話を、筆者は友人とよくする。
冗談でもなんでもなく、毎日生きることが楽しくて仕方がないのだ。勿論落ち込むこともたまにはあるが、大抵が翌日になると「まあ気に病むことでもないよね、その時間が勿体ないよね」と過去の出来事になっていることが多い。
毎日人生の最高視聴率を更新し続けている私だが、理由もなくハッピーな気持ちになっているわけではない。
私の人生がいつだって楽しい理由のひとつ、それは“推し”の存在である。
推しが、舞台に出てくれる。舞台の上で、最高の芝居を見せてくれる。SNSでは、また別の一面も見せてくれる。これで、人生が輝かなきゃ嘘だ。
今回は、人生を豊かにしてくれている推し――その中でも一番思い出深い、筆者の“初めての推し”について紹介させていただきたい。
もくじ
初めての推し「小波津亜廉」について
私の初めての推しは、小波津亜廉という。
プロフィール
生年月日:1991年8月23日
身長 :182cm
特技 :水泳(歴12年)、英会話(英検準1級)、三線
(公式Twitter)(SUNBEAM公式サイトより)
小屋入り前の最終調整!
髪の毛をメンテして来ました✨
恋ブロ稽古もいよいよ大詰めです💪#髪メンテ pic.twitter.com/wPYnRvgzNt— 小波津 亜廉 (@Alleeeeeen_K) October 24, 2019
2011年から俳優として数々の舞台に出演してきた小波津。主な出演作にはハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」や「アイ★チュウ ザ・ステージ」、「劇団シャイニングfromうたの★プリンスさまっ♪」など話題作が多く並ぶ。
また、2.5次元舞台だけではなくストレート舞台にもコンスタントに出演しており、2017年にはミュージカル「ロイヤルホストクラブ」で初の主演も果たした。
2020年もミュージカル「薄桜鬼 真改」相馬主計篇への出演が決まっていたりと、今後の活躍が楽しみな役者である。
もしまだ彼をご存知ない方は、是非とも今すぐ名前を検索していただきたい。そしてその圧倒的なビジュアルに度肝を抜かれて欲しい。
筆者は初めて彼の姿を見た時に「顔がいい~!」とシンプルに驚いたことを覚えている。
そう、小波津は顔がいい。街角アンケートを取れば、100人中100人が「顔がいい」に票を投じると筆者は信じてやまない。2.5次元舞台が好きな友人たちの会話の中でも、彼についてよく「顔がいい」というワードが出てくる。
はっきりとした二重に、綺麗な鼻筋。横顔が特に美しい。彫刻か? と思う程の造形美は、一度見れば忘れられないという強烈なインパクトをもたらしてくれるだろう。彫の深さなどからハーフと思われがちだが、彼の出身地は沖縄である。
沖縄といえば太陽の恩恵を一身に受けた小麦色の肌というイメージが強いのだが、透明感溢れる肌の白さも印象的だ。小波津は地元が好きだとインタビューなどでもよく話しているが、彼を育ててくれた沖縄という土地に心の底からの感謝を述べたい。
更に言うなら、顔だけではなくスタイルも良い。182cmの長身は、整った顔立ちをより際立たせている。すらりと伸びた手足は、舞台の上でもよく映える。
とはいえ私が彼を推す理由は、容姿だけではないということも合わせてお伝えさせていただきたい。ではどこに惹かれたのか、今まで観劇した舞台と共に振り返ってみたいと思う。
沼落ちしたきっかけは『ハイステ』岩泉一役
ハイパープロジェクション演劇『ハイキュー!!』“烏野、復活”
初日の幕が開きました!足元の悪い中、ご来場いただき誠にありがとうございます!
明日からの公演も、全力で!
「青城!」 pic.twitter.com/FVf84djyzZ— 小波津 亜廉 (@Alleeeeeen_K) October 28, 2016
私が初めて彼の舞台を観たのは、2016年。ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」“烏野、復活!!”のチケットを友人が取ってくれ、その千秋楽に足を運んだのだ。
彼が演じていたのは、原作でも大人気の岩泉一。男気溢れる真っ直ぐな岩泉は、私が一番大好きなキャラクターだ。メインとなる試合シーンこそなかったが、幼馴染の及川徹(演:遊馬晃祐)と話す姿は私が思い描いていた岩泉そのもので、一瞬にして目を奪われてしまった。
これは絶対に試合も観たいという気持ちで、続けて足を運んだのが演劇「ハイキュー!!」“勝者と敗者”である。
ここで少しだけ、本筋とずれるが小波津が演じた岩泉一の魅力を語らせて欲しい。
岩泉一は、本当にかっこいい男なのだ。強豪校、青葉城西の副主将でエーススパイカー。相棒が迷っている時には頭突きと共に熱い言葉を放ち、その背中を押すことが出来る。後輩の面倒見もいい。同級生たちとふざけたりもする。試合中は、ここぞという時に頼れるエースとしての存在感を放っている。
原作を読んで抱いた私の岩泉像は、言葉にしてしまうとシンプルかもしれない。小波津は、その岩泉のかっこよさを真っ直ぐに演じてくれた。
“勝者と敗者”では、チームをひとつの楽団と見立てて演奏される音楽が印象的だった。青城が奏でる音楽は綺麗で整ったクラシックだったが、小波津は華麗でありながら力強い、騎士のような舞を見せてくれた。
体の真ん中にぶれない一本の芯が通っているようで、岩泉がまとう頼れるオーラを言葉がなくとも感じることができて、ただただ感謝したことは記憶に新しい。
台詞を口にするシーン以外では後輩の背を叩いて鼓舞したり、強い眼差しで烏野を見つめていたりと、その一挙一動全てが生きている岩泉一だったのだ。岩泉を演じてくれたのが彼でよかったと、振り返りながらもしみじみと幸福を感じてしまう。
決定的な沼落ちは、演技自体に感動した瞬間
ホンキートンク祭り終了!
楽しかった☺️👍夜もお店でお待ちしております! pic.twitter.com/QfuZWoYyV0
— 小波津 亜廉 (@Alleeeeeen_K) June 7, 2017
ここまで書いておきながら、実はこの時の私はまだ、彼が“推し”であるという自覚がなかった。
なぜならば、彼はあくまで岩泉一を演じてくれた最高の役者、という認識が強かったからだ。
そんな認識が変わったきっかけが、続けて足を運んだ水木英明プロデュース舞台「眠れる夜のホンキートンク 第三章~覚醒~」である。
ホンキートンクは、2017年6月に公演されていたストレート舞台だ。疲れた女性を癒すという信念を掲げたホストクラブで、小波津は新人ホストの蓮人という登場人物を演じていた。
蓮人は沖縄出身(本人の出身地がそのまま引用されていて、少しクスっとしてしまう)で、おっとりとした性格。
接客技術もまだまだで、お客さんを怒らせてしまうことも多い。ただ、とにかく優しく不器用で、柔らかい笑顔が印象的な青年だった。
書いていて改めて気が付いたが、岩泉一と蓮人は、まるで真逆の性格をしている。
なのに私は、舞台に立つ彼から目を離すことが出来なかった。蓮人が笑うと、周りの空気が少し和らぐ。言葉ではなく表情ひとつで空気を変える演技に、心が温かくなった。
強く手を握り締め、綺麗な顔をぎゅっと歪ませながら大切な人への思いを語るシーンは、見ていて胸が苦しくなってしまった。全身で感情を表現する姿を見て、生きた人間がそこにいるのだと強く感じた。
観劇後、たくさんの登場人物の中で、「私が一番好きなのは蓮人です!」と叫びたい気持ちでいっぱいになった。少し気の弱い蓮人が大切な人のために奔走する姿は誰よりもかっこよくて、私をはじめ多くの観客の心に残っただろう。
前述のとおり、蓮人は出身地や性格など、一部を役者に寄せて作られた登場人物だ。小波津は自分の持ち味を活かしつつ、しかし蓮人という役をしっかりと演じており、その塩梅もとても絶妙だったと思う。
小波津亜廉は役に命を吹き込むことが出来る役者なのだと、純粋な感動を覚えた。
ここで初めて、「岩泉一を演じてくれたから小波津亜廉が好きだ!」ではなく、「小波津亜廉の演技が好きだ!」ということに気が付いたのだ。
当時から私は数多くの2.5次元舞台に通っていたが、その理由は「原作が好き」「演出が好き」というものがほとんどだった。役者個人が好きだと強く感じたのは、これが初めての経験である。
演技、歌、ダンス…パフォーマンスがとにかく想像を超えていた
「小波津亜廉の演技が好きだ!」と気が付いて以降、私は彼の出演する様々な舞台に足を運んだ。
その中でも特に思い出深いのが、「劇団シャイニング fromうたの★プリンスさまっ♪『JOKER TRAP』」である。
「JOKER TRAP」東京公演千秋楽!
全員で最高なものを👍
Rock!!!! pic.twitter.com/SenhooBsrt
— 小波津 亜廉 (@Alleeeeeen_K) April 30, 2018
当時の私はうたプリというコンテンツこそ知っているが、ゲームやアニメ、その他の舞台にはほとんど触れたことがなかった。しかし彼の出演が発表された時に、気が付けば私は「何公演行けるかな……」とスケジュール帳を開いていた。
原作をほとんど知らずに舞台に行こうと思えたのも、これが初めてだった。(ちなみに現在は原作もプレイし、うたプリが大好きなジャンルのひとつになっている。劇団シャイニング、素敵なきっかけをありがとうございました!)
『JOKER TRAP』では、彼のまた違う魅力に出会うことが出来た。小波津が演じていたRANは、体を使った任務が得意なスパイ。
その説明通り、舞台では長い脚を存分に魅せるアクションが最高にRockだった。ちなみにこの「Rock」というのは、RANの口癖であり生き様のようなもの。小波津は、こうした熱い男がよく似合うと思う。
アクションだけではなく、『JOKER TRAP』には歌やダンスも存分に盛り込まれていた。一部が本編、二部がレビューという構成だったのだが、推しにペンライトを振ったというのもこれが初めてだった。
小波津の魅力を語る際に外せない要素が、歌とダンスである。ミュージカル「ロイヤルホストクラブ」でその歌唱力にすっかり心を奪われていた私は、『JOKER TRAP』でも彼の歌が聴けるのを楽しみにしていた。私だけではなく、多くのファンがレビューパートを楽しみにしていたと思う。
そして彼は、その期待を遥かに上回るパフォーマンスを見せてくれた。単純に、歌がうまいというだけではない。
RANというキャラクターを崩さずにステージに立つ姿は、とにかく眩しく輝いていた。力強い歌声とドセクシーなダンスに、心臓を鷲掴みにされた方も多いのではないだろうか。
お芝居だけではなく、アイドルのようなパフォーマンスまで出来てしまうの!? と、またひとつ、新たな魅力に気が付いた舞台だった。
ちなみにこの『JOKER TRAP』の主要キャスト4人(松村龍之介、高本学、菊池修司、小波津亜廉)がさまざまな名所を旅する、「たびメイト」という番組もある。料理をしたりご飯を食べたりゲームに興じたりと、舞台裏の彼らの姿を多く見ることが出来る素敵な番組だ。
劇中ではスパイというクールな面が目立った彼らがわちゃわちゃと旅をする姿は、とにかく可愛い。そのギャップにときめくこと間違いなしなので、是非2020年に2月28日発売予定のDVDなどを手に取っていただきたい。
改めて、「#たびメイト Season2」ご覧頂いた皆様、誠にありがとうございました!
2月28日にはイタリア編・北海道編のDVDが同時発売予定です。
そちらもぜひお楽しみに。よいお年をお迎えください!#染谷俊之 #植田圭輔 #松村龍之介 #高本学 #小波津亜廉 #菊池修司#太田基裕 #古谷大和 pic.twitter.com/pM9cFubE2f
— 「たびメイト」公式 (@tabimate) December 31, 2019
「推し」という存在が与えてくれたのは、楽しすぎる毎日
顔がいい。原作のキャラクターを愛してくれている。その再現度がすごい。歌がうまい。ダンスもうまい。舞台の上ではかっこいいのに、役を演じていない時はお茶目で可愛いところもある。
小波津亜廉の魅力を改めて振り返ると、一言では全てを伝えきれないのがもどかしい。
しかしもどかしさを感じると同時に、幸せだというのも本音だ。これだけ手放しで「好きだ!!!!」と思える存在に、人は人生の中でどれだけ出会えるだろう。
小波津亜廉を知って、早数年。彼の作品を追いかけることが楽しすぎてあっという間に時間が過ぎてしまったような気もするし、毎日が濃過ぎてまだ数年しか経っていないのか、という気もする。
どちらにせよ、推しという存在ができて以降、私の人生は確実に輝きを増した。毎日が楽しいと断言できるのは、推しのおかげだ。
2019年の12月には、脳内クラッシュ演劇「DRAMAtical Murder」で初めてのBL作品に挑戦し、また新しい世界を見せてくれた小波津。(ゲネプロレポートはこちら)
これからも挑戦を続けるだろう彼のことを、ずっと応援していきたいと思う。
この記事を読んでくださった方に、どうか少しでも、役者小波津亜廉の魅力が伝われば幸いである。
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