笑える芝居、泣ける芝居。
2.5次元作品にもさまざまな芝居があるが、その両方で観客を納得させられるのが、柏木佑介という役者だ。
1989年10月17日生まれの俳優、柏木佑介。
今年30歳の節目を迎える彼の誕生日を記念して、「2.5ジゲン!!」では「柏木佑介の演じた中で一番好きなキャラクター」についてアンケート調査を行った。
2.5次元ファンが選ぶ、柏木佑介の「ベストキャラ」とは一体どの役なのだろうか? 寄せられたコメント(抜粋)を基に紹介していこう。
※いただいたコメントについては文意を損なわない範囲で一部省略、誤字等の編集をしております。
不知火匡|ミュージカル『薄桜鬼』
薄桜鬼10周年おめでとうございます!!
薄桜鬼は僕にとって、今までも、これからもずっとずっと大切な作品です。#薄桜鬼10周年 pic.twitter.com/zqSERTiF4h— 柏木佑介 (@yu_su_ke891017) September 18, 2018
今回のアンケートで最も多くコメントが寄せられたのは、ミュージカル『薄桜鬼』の登場人物・不知火匡(しらぬい きょう)である。
身体能力抜群で、めちゃくちゃカッコいい不知火だったからです!
私が柏木さんを好きになったキャラで、シリーズ作品でキャストが変わる中、長く演じていました。私の中での不知火は柏木さんしかありえません!銃をくるくる廻す姿が印象的なキャラでした。アクロバット、殺陣がカッコよく、艶っぽい色気も感じました。
以前『桜を見るたびに薄桜鬼のこと思い出すんだろうな、一生』とおっしゃっていたのが忘れられません。キャラクターに向き合う姿勢がすきです。
アクロバットやアクションが綺麗だし全てが良かった
柏木さん自身の身体能力の高さとキャラクターの相性が抜群だと思います。大好きです。
ミュージカル『薄桜鬼』シリーズ(通称・薄ミュ)は、女性向け恋愛アドベンチャーゲームを原作とする作品だ。幕末の日本で活躍した新選組の周辺を軸に、史実と創作を織り交ぜたストーリーが描かれる。
柏木が演じる不知火は、長州藩に属する“鬼”として、新選組とは敵対関係にある。
好戦的でキザな面もあるが、性根は正直。新しい物好きで銃を好んで使い、左肩には独特の刺青が入っている。
この不知火を約6年間にわたり演じた柏木。自身のブログではこの作品について「僕の宝物」と語っている。
幕末のストーリーとあって、薄ミュには各自の武器を使う殺陣、アクションシーンが多い。
もともと身体能力には定評のある柏木にとって、薄ミュはそれを活かす絶好の場でもあったと言える。
銃を使って映えるアクションをするには、刀とはまた異なる技術が必要になるが、柏木の身体能力を駆使した殺陣が観客を充分に惹きつけたことは、コメントを見ても明らかだ。
妖艶で、恐ろしくも美しい鬼・不知火匡が最多の支持を獲得した。
カラ松|「おそ松さん」on STAGE
喜劇おそ松さん!
東京公演千秋楽!
無事に終了しました☆
ご来場くださった皆様!
ありがとうございました!!
ビックブラザーレッド&グリーンが来てれたぜ!
まだ京都が残っている!
カラ松ガール&ボーイ!
まだまだ暴れるぜ!#最高のブラザー#最高のビックブラザー pic.twitter.com/UPMcPvDJV4— 柏木佑介 (@yu_su_ke891017) November 20, 2018
続いて僅差で2位となったのは、「おそ松さん」on STAGE(通称・松ステ)のカラ松だ。
最初に見た時もカラ松がいる!!でしたが、回を重ねるにつれカラ松度が増してきて、最近は佑介くんがカラ松に見えてきたり…。笑
柏木さんご本人は「さわやか好青年!」という雰囲気なのに、カラ松のあの肝のすわったイタさをあそこまで表現できるの凄いと思いました(笑)絶妙なイタさ!
私が柏木さんのファンになったのもおそ松さんの舞台化、そしてカラ松役であったことだと思います。最初は「おそ松さんが舞台化…???」と首を傾げていましたが、いざ見てみるとキャストさん皆様が松野家のニートで、中でもカラ松役の柏木さんはもうどこからどう見てもカラ松でした笑
薄ミュとは打って変わってコミカルなストーリーが描かれる、松ステ。原作は、赤塚不二夫の漫画『おそ松くん』をリブートして話題となった、アニメ「おそ松さん」だ。
20歳を過ぎても定職につかず親のスネをかじり続ける松野家の六つ子を中心に、シュールな世界観のもと、まるでコントのような物語が展開していく。
(実際に派生作品として、コメディ要素をギュッと詰め込んだ喜劇「おそ松さん」も上演されている。)
2.5次元作品の中でもかなり異彩を放つこの作品で、柏木は松野家次男・カラ松を演じた。
かなり濃い個性を持つ六つ子(「ギャンブル狂」「中二病」「ぶりっこ」など)の中において、カラ松の持つ属性は「ナルシスト」。
常に鏡を見ては自分のイケメンぶりに酔いしれ、空想上のファンに向けて「カラ松ガールズ!&ボーイズ!!」とラブコールを贈る。
兄弟たちからは「イタイ」と連呼されるが、本人は全く気にしない。
演じる側も思わず「うーん」と唸ってしまいそうなキャラクターなのだが、柏木の演技はじつに見事だ。
新年のご挨拶。#最高のブラザー#2019年 pic.twitter.com/4pPedHbkSd
— 柏木佑介 (@yu_su_ke891017) December 31, 2018
▲同じ「キザ」でも、薄ミュの不知火とは対極にあるカラ松(前列右端)。
コメントにもあるとおり、柏木自身は気さくな笑顔が爽やかで、とても感じのよい人物だ。(Twitterやブログの文章を見るだけでも、彼の人の良さが伝わるだろう。)
それが、舞台上でカラ松を演じるとなると、針が振り切れたコンパスのごとく思い切った演技を見せる。
役者魂と演技力、そのどちらも兼ね備えていてこそなせる技である。
正統派の二枚目・不知火と、飛び道具的な魅力が光るカラ松。アンケートではこの2人のキャラクターがとくに多くの支持を得る結果となった。
劇シャイ、タガステ…多芸多才な俳優・柏木佑介
他にも、柏木の演じたキャラクターへのラブコールは多々寄せられている。その一部をご紹介しよう。
本鮪 麻世|ウィズステージVol.4「結ひの忍」
柏木さんが演じている姿、殺陣、ダンス、歌、わたしの大好きなものが全て入っている舞台・キャラクターだったからです!
レグスター・サクラバ|舞台『ポラリス』(劇団シャイニング)
悪ぶってるけど、心の優しい先輩で、目が離せないキャラクターでした。
クウザ|誰ガ為のアルケミスト 舞台版
クウザ役が、殺陣が力強くて綺麗で、演技力が素晴らしくて、感動シーンで何度も泣きました。
柏木に寄せられたコメントには、どの役に対しても、彼の演技に対するファンの愛情と信頼があふれている。
シリアスな役からコミカルに振り切った役まで、柏木の守備範囲は広い。そのポテンシャルはおそらく、彼が役者として築き上げてきた豊富な経験の上に成り立っているのだろう。
柏木は、2001年(12歳当時)にテレビドラマデビューを果たし、高校時代には多くの舞台・ミュージカルに出演を重ねている。
俳優の持つ背景は人によってさまざまだが、柏木の場合は根っからの「役者気質」の持ち主なのではないかと、筆者は感じている。
「演じることが好きでたまらない」という情熱が、柏木の芝居からはひときわ深く伝わってくる。
板の上の彼がのびのびと心地よさそうに役を生きているからこそ、観客も心から泣いたり笑ったりできるのではないだろうか。
30歳の節目を迎える俳優・柏木佑介。彼は今後どんな芝居を見せてくれるのだろうか。
どんな役でも安心して任せられる彼だけに、楽しみが募るばかりである。
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