コラム

夏に観たい2.5次元舞台・ミュージカル4作品をピックアップ 暑い季節、おうちで涼しくDVD鑑賞会はいかが?

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猛暑で外出が億劫になる夏の季節。そんなときは涼しい室内で2.5次元舞台・ミュージカル作品のDVD観賞会はいかがだろうか。

ここでは、真夏に特におすすめしたい作品を紹介する。まぶしい太陽の輝きや少年たちの汗のきらめきを感じられるものばかりだ。

舞台「KING OF PRISM -Over the Sunshine!-」

2017年11月に上演された、舞台「KING OF PRISM -Over the Sunshine!-」は、公演時期は秋だったものの、オープニング前から幕が下りた後まで熱気に包まれ全身に汗をかくほどの体感で、まさに夏気分の舞台だったと言っても差し支えは無いだろう。

舞台化が発表された時は、アニメならではと思われていた数々の演出に「いやさすがに無理でしょう」「どうやって」と言われたものの、始まってみればその心配は見事に覆された。

原作とオリジナルが融合したストーリー、押し寄せる「考えるな、感じろ」という演出の数々、果てはまったく聞いていなかった突然のレビュー・怒涛の新曲によるプリズムショー。

想像や期待の5億倍はあったファンサービスや新たなる驚きとキラメキに、観劇後「5時間は見た……」とぐったりとしながら時計を見たが2時間も経っていなかった。

真夏の太陽のようなプリズムショーを浴びた後は、世界が輝いて見える。夏にも、そして夏の気分を味わいたい時にもぴったりだ。

ミュージカル『テニスの王子様』青学vs四天宝寺

数多くあるテニミュの公演の中でも、特に夏におすすめするのは四天宝寺戦だ。

どの学校にも何となくイメージ的な季節があるが「夏」を特に感じられるのは海の六角と明るい四天宝寺だろう。

コーチを含めた部員全員のキャラクターが濃く、問答無用に笑わせてくれ、テニスは楽しい! と素直に楽しめる。

ライバル校はどの学校もみな「勝ちたい」思いを強く抱き、一丸となって青学の前に立ちふさがるのだが、四天宝寺は全員パワフルで、明るい夏の太陽の輝きのようなエネルギーがみなぎっている。

明るく人懐っこく、感情表現が豊かで思わず頭を撫でてあげたくなってしまう金太郎をはじめ、ひとクセもふたクセもある部員たちが、のびのびと舞台を駆け回る姿に思わず笑顔になること間違いなしだ。

舞台『おおきく振りかぶって』

夏と言えば高校野球。甲子園を目指す高校球児を題材にした舞台『おおきく振りかぶって』は、2018年2月と同年9月に上演された。

原作を大事に、しかしスピーディにストーリーをテンポよく見せてくれる演出と脚本。派手な特殊映像効果はなく、演技とセットで舞台を表現していたのは「おお振り」の原作の内容と実にマッチしていた。

努力・根性の結果の勝利ではなく、キャラとキャラとの関係性を丁寧に描いた本作は、強豪校が舞台ではない。観客は「自分にできること」を手さぐりでひとつずつ見つけて努力していく登場人物に感情移入していく。

この舞台の大きな特徴のひとつとして「生の声」が上げられる。通常2.5次元舞台ではひとりずつに小さなマイクがつけられるのに対して、集音マイクが使われていた。そのため、より「生の声」に近い息遣いを感じられた。

脚本・演出がキャラメルボックスの成井豊だったことも特徴として大きい。舞台と劇場に響く俳優たちの生の声は、劇団による演劇を髣髴とさせた。

ほんの少し涼しく爽やかな風を感じるこの舞台は、真夏の暑さに疲れてほっと一息つきたい時に見て欲しい。

「ダイヤのA」TheLIVE


息苦しいほどの暑さ、熱気、渦巻く感情。開始一秒から、全力でぶつけた彼らの真っすぐな日々が襲いかかってくる。

夢と希望を抱いて入部した部員たちが感じる強豪校の容赦ない現実、挫折、そして努力。誰よりも汗を流し、誰よりも涙を流し、誰よりも野球を愛していると自分たちを鼓舞するコールに思わず震える。

「ダイヤのA」TheLIVE(通称ダイステ)には、派手なダンスも歌も大きな特殊効果も無い。ひたすら真剣に野球をしている。

捕手の御幸一也(演:和田琢磨)が打者を見てサインを出したり、スラッガー結城哲也(演:上田悠介)が球を左右に打ち分けたりしている。野球ファンの視点から見ても面白い。

原作もまた、魔球も必殺技も登場しない。バックを守る仲間たちに勇気づけられたかと思えば、たった一球に飲まれ崩れていくこともある。配球も含めて高校生の心理が実にリアルに表現されている。

夏が来るたびに毎年思い出し、また続きを見たくなってしまう舞台だ。

 

以上、どれも夏の季節にぴったりの4作品だ。大いに、尊さに涙したり笑ったりして楽しんでほしい。

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WRITER

広瀬有希
								広瀬有希
							

金融・印刷業界を経てフリーライターへ。エンタメメディアにて現場取材・執筆の他、日本語・日本文化教育ソフト監修、ゲームシナリオ、ノベライズなどで活動中。感動が伝わる文章を目指して精進の日々を送っています。

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