マーダーミステリーイベント『Mixa × Murder Mystery ~ニッポン放送殺人事件~』が、5月21日(日)に東京・Theater Mixaにて開催された。
本イベントは、キャストがステージ上でそれぞれが与えられたキャラクターの設定を元に、自分で考えアドリブで殺人事件の容疑者として物語を紡いでいく「体験型の推理ゲーム」だ。
事件が起き犯人を捜すことになるが、犯人役を与えられた演者はバレないように行動しなくてはいけない。イベントの参加者は、事前に1人のキャストの設定を受け取っており、そのキャラクターの目線で物語を見ることができる。
誰がウソをついているのか、誰が何を考えて動いているのか…参加者もキャストと同じように物語を体験できるようになっているのもポイントだ。
2.5ジゲン!!では、公演の様子をレポート。なお、本編のネタバレに配慮したレポートになるため、安心して読み進めていただきたい。
あらすじ
「殺された…! ひとり殺されました! 助けて!」
深夜ラジオの生放送中に起きた『ニッポン放送 立てこもり事件』は、警察が包囲する中、ついに人質1名の命が失われたことがリアルタイムで放送され、殺人事件へと最悪の発展を遂げた。
このとき、悪夢のラジオ局内でなにが起こっていたのか。あなたはそれを、目撃する。
配役は下記のように設定されている。
・局長 節丸雅矛(演:神尾晋一郎)
・パーソナリティ 田辺みなみ(演:田丸篤志)
・ディレクター 居村仁(演:木島隆一)
・ミキサー 荒木優太郎(演:濱健人)
・放送作家 高垣雄海(演:狩野翔)
・AD 神田伶弥(演:糸川耀士郎)
・立てこもり犯 トリ(演:仲村宗悟)
・立てこもり犯 プロ(演:小西成弥)
・立てこもり犯 リギル(演:永塚拓馬)
この中に殺人犯はいるのか、はたまたそれ以外の真相があるのか……。
本イベントのシナリオは、ニッポン放送アナウンサーの吉田尚記が制作に関わっている。ゆえに、キャラクターの中にはリアルなラジオ放送局の職業であったり、実際の人物の名前がそのまま使われていたり、可能な限り放送局内の再現をしているため、より強くリアルさを感じられる。
また“ドラマ”が生まれるようなシナリオ設計となっているため、ただ淡々と議論を重ねていくだけではない工夫が施されている。
このように「リアルに再現された設定をキャストが自由に演じる」というおもしろさの中に、「読み合わせ」と言われる朗読劇パートも豊富で、俳優・声優たちの演技のを存分に楽しむことができる。
議論は序盤から白熱(はくねつ)した。調査した結果で出てきた情報を精査するために、その都度さまざまな人が疑われていく。「あの時間、なにをしていましたか?」「自分はウソをついていない」など、マーダーミステリーらしい会話が繰り広げられる。しかし、なかなか真相が突き止められない。
結論が出ないまま議論は終盤まで続き、最終的な結果は…。
と、レポートはここまで。マーダーミステリーという性質上、具体的なシステムや展開もレポートでは伝えられないが、舞台慣れしているキャストたちが演じるため、アドリブなどではしっかり盛り上がるシーンが多かった。
イベントは投票、エンディング、真相解説、感想戦へと続いていく。
マーダーミステリーは、各キャラクターの気持ちに寄り添ってプレイするゲームであるため、過去のしがらみを記憶し事件を経て、未来にどういった行動を取るのか、を想像することが醍醐味だ。
好きなキャストの演じたキャラクターが今後どうなっていくのか、といったことを想像するのも面白いだろう。
局長 節丸雅矛(演:神尾晋一郎)
ニッポン放送の局員。局長という責任感のある立場で、全体を通して司会進行のように場を制した演技が光っていた。他方、コミカルな言動もはさむことで、シリアス一辺倒な空気に和みを与えていた。
パーソナリティ 田辺みなみ(演:田丸篤志)
ニッポン放送の局員。番組のパーソナリティを務めていて、事件に巻き込まれてしまった。落ち着きのある振る舞いで、調査や議論では冷静な視線で状況を俯瞰し、鋭い推理を披露していた。
ディレクター 居村仁(演:木島隆一)
ニッポン放送の局員。ディレクターを務め、番組進行をしている。職業に即した形で、他のプレイヤーの言動をしっかりと聞き、自分の行動や選択を慎重に選んでいた。
ミキサー 荒木優太郎(演:濱健人)
ニッポン放送の局員。ミキサー。熱いキャラクター性をそのままにパッションのある言動で、積極的に調査に挑んでいた。半面、シリアスなシーンでは全員から注目を集めるような場面も。
放送作家 高垣雄海(演:狩野翔)
ニッポン放送の局員。放送作家。事件を推理しつつ、立てこもり犯の真相も解き明かそうと奮闘。真面目なキャラクターとして、調査と議論にも真面目に挑んでいたのが印象的だった。
AD 神田伶弥(演:糸川耀士郎)
ニッポン放送のAD。自称クレイジーガールということで、場を混乱させる言動(おそらくアドリブ)が目立ったが、議論ではいたって真面目に情報精査をしていた。
立てこもり犯 リギル(演:永塚拓馬)
立てこもり犯の1人。立てこもり犯では唯一の女性キャラクターで、言葉優しく振る舞っていた。自分たちが殺人を犯していないこと立証するために積極的に調査もしていた。
立てこもり犯 プロ(演:小西成弥)
立てこもり犯の1人。立てこもり犯の中では若い方で、少しおどおどしているキャラクター。調査シーンでは重要な行動を行ない、一時的に会場が沸くことも。
立てこもり犯 トリ(演:仲村宗悟)
立てこもり犯の1人。真犯人を見つけるためしっかりと調査もしつつ、口答えする局員には銃を向けて制圧するというやりとりを何度も行なっていた。
イベント時間は約4時間。長丁場で推理をした全キャストに拍手を贈りたい。
なお、本イベントは配信が実施されており、5月28日(日)までアーカイブ視聴が可能となっている。
イベントに参加していない方や、参加したけどもう1度観たい! と思う方は、そちらを利用してみてほしい。
取材・文:木皿儀隼一/撮影:ケイヒカル
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