俳優たちの台本なしのトークを堪能できる、“しゃべリスト”植田圭輔と鳥越裕貴によるトークイベント・植田鳥越「口は○○のもと」第5弾が1月23日(月)に開催された。
2.5ジゲン!!では、植田鳥越「口は○○のもと~五臓六腑~」と題して開催された本イベントをレポート。出演者が思わず涙を流して笑ってしまうほどの“カオス空間”と化した東京・有楽町朝日ホールの様子をお届けする。
まずは植田・鳥越によるオープニングトークからスタート。前回イベントから約3カ月ぶりの開催となったが、植田が開口一番「いろいろありました」と言うように、その間にはさまざまなトピックスがあった。惜しまれながらも「植田鳥越 口は◯◯のもとTV」が放送終了、さらに年末年始には鳥越が蜂窩織炎(ほうかしきえん)で入院するという大きなできごとも。
このオープニングトークでは多くのファンが気になっていたであろう鳥越の入院の話題が中心となった。
元気な姿で登場した鳥越は心配をかけたことを詫びるとともに、ピョンピョンと跳んで全快をアピール。「人生経験」になったという入院中の痛かったことや驚いた話をおもしろおかしく伝えつつ、絶妙な塩梅(あんばい)で医療従事者への感謝を混ぜ込み、観客の笑顔につなげる技術はさすがの“しゃべリスト”。
負けじと植田は、小学生の頃の複雑骨折をした経験談を披露。痛みを想像した客席から思わず悲鳴があがる「口はヒェ~のもと」なイベント序盤となった。
ほかにも、入院病棟の“新入り患者”として過ごした日々や、人と話せないことでトーク筋が衰えた話、真夜中のトイレでのハプニングなど、鳥越の口からはするすると魔法のようにおもしろい話題が溢れ出てくる。そしてそれを俊敏に捌(さば)いていく植田との軽快な掛け合いは、何度味わっても心地よいテンポ感だ。
フリートークの後半では、絶賛本番中の植田による舞台裏トークも登場。植田が思わず「いよいよだな」と感じた無意識でやってしまったある行動や、それに対する共演者からのリアクションをモノマネつきで披露し、会場は大盛り上がりとなった。
後半は、医者に扮(ふん)した鳥越が、ゲストの玉城裕規を患者として迎えるゲストコーナーからスタート。
以前、TV版にゲスト出演したことのある玉城は、番組内でさんざん“人外”としてイジられている。鳥越が「みんな喰われないように気をつけて!」と警告をうながしたこともあって、玉城はしっかりと怪物風のおかしな動きで登場。姿を見せるだけで笑いをかっさらうという、植田・鳥越が恐れるだけある存在感を示した。
「なんでもありでいくから」と宣言した玉城は、このあと鳥越がタジタジとなるほどのマイワールドを展開していくことになる。
このコーナーでは一応、「鳥越医師が患者の病状を診察する」というテーマがあるのだが、玉城が鳥越に診(み)てもらいたいのは「人を襲っている夢を見る」ことについて。ここから、鳥越が“化物”となってしまった玉城を人間に戻すための奮闘が始まる。
自由人で予測のつかない玉城の言動それ自体が笑いを巻き起こすと同時に、そんな先輩相手に汗だくになって対応しようとする鳥越のガッツがさらに爆笑を生み、そこへさらに玉城が不思議なリアクションをして…と、その様子はさながら笑いの永久機関のようであった。約15分のコーナーは、当初の「玉城を人間に戻す」という目標をきれいに回収して終了。その見事な回収っぷりに、客席からは思わず感嘆のため息が漏れていた。
続く植田刑事の取り調べコーナーには、もう1人のゲストにして現在絶賛共演中の染谷俊之が登場。
染谷も玉城同様に、以前番組にゲスト出演しており、その際に“サイコパス”だとイジられていた。登場した染谷は、早々に「この番組で“サイコパス”って散々言われたせいで、他の現場でも“サイコパス”って言われるようになった!こっちは “儚(はかな)げ美人”でやってきたのに!」と植田に苦情を申し立て、さっそく会場は大爆笑。“サイコパス”という不本意なイメージ付けをされた染谷の反撃か、染谷が鳥越に“火災報知器”という新たなあだ名を授ける展開も見どころだ。
植田・染谷のトークでは共演中ならではのエピソードも多く飛び出し、休演日に駆けつけたファンから歓声が上がる場面も。
このコーナーを総括するうえで欠かせないのが、やはりなんといっても“サイコパスエレベーターリーダー”というパワーワードが生まれたことだろう。このパワーワードはなんとSNSのトレンド入りも果たしている。
染谷が遭遇した気遣いのできないエレベーターリーダーへの怒りをあらわにする様子から、流れるように植田が彼の罪状を“サイコパスエレベーターリーダー”にする様子が見事なので、配信で何度も見返してみてほしい。
ラスト30分は、4人が一堂に会してのトークコーナー。冒頭10分はまさにカオスという言葉が当てはまる、もはやトークすら成立していないような笑いの魔空間が生まれた。笑いが笑いの連鎖を生み、誰かの何気ないワードに爆笑を繰り返す、まるで小学生男子の集いのような景色が広がった。制御しきれない玉城の自由さに鳥越は「怖い怖い…」と連呼、染谷は笑いすぎて涙が止まらなくなり、しまいには植田が「みんな10秒だけ深呼吸しよ」と提案する羽目に。
俳優陣のあれだけ爆笑する姿はなかなか見られないのではないだろうか。付き合いの長い4人、かつ番組にも出演しているこのゲストだからこその空気感は必見だ。
混沌のフリートーク、お悩み相談のミニコーナー「教えて植ちゃん鳥ちゃん」を経て、新年1発目のイベントということで4人は新年の抱負を発表。染谷は「口まるを乗っ取る」、鳥越は「健康第一」、植田は「舞台に立つ」、そして玉城は「へん(変)」の書き初めを披露した。
最後には植田鳥越「口は○○のもと」第6弾の開催が発表された。副題は4人で案を出し合った結果、染谷が提案した「六我夢中」に決定。次回は地方公演もあるということで、より多くのファンが2人とゲストの爆笑必至トークに無我夢中になれることだろう。
最後の挨拶では、染谷が「休演日だから気楽な気持ちできたんですが、けっこう疲れたなと(笑)。口角が痛くなるくらい笑わせてもらって本当に幸せな気持ちになりました」、玉城が「涙が出るほど笑ったのはいつぶりだろうというくらい笑いました。みなさんと同じ空間で楽しい時間を過ごせて幸せでした」と、2人ともベテランらしくしっかりとしたコメントで締めくくった。
鳥越は「入院あがりの自分が地方もどんどん笑かして、みんなを元気にさせたい!」と次回イベントへの意気込みを語り、植田は「今日も盛り上がりましたね。我々も笑いの腕には慢心せずに、初心を忘れず頑張ってまいりますので応援のほどよろしくお願いいたします」とイベントを締めた。
一瞬でも気を抜いたら4人のトークに振り落とされそうになる、ハイテンション&ハイスピードな約2時間。ゲストの一挙手一投足を貪欲に拾っては笑いに変えていく植田・鳥越の“しゃべリスト”っぷりは、前回イベントからさらに磨かれていたのではないだろうか。
配信チケットは、2月6日(月)21:00まで販売中。カオスなイベントの全容を楽しみたい人は、笑い疲れる覚悟をしたうえで購入してみてはどうだろうか。
取材・文・撮影:双海しお
広告
広告