北村諒、鳥越裕貴が出演するチバテレビ×ミクチャ オリジナル密室即興ドラマ『代々木一丁目放送局』が12月4日(日)24:00に放送される。
今作は事前稽古なし、途中カット一切なし、1発撮りのオリジナルショートドラマ。出演キャストは事前に共有されたキャラクター設定をもとに、「感動」「サスペンス」「コメディ」という3パターンのエンディングに向かって即興劇を繰り広げていく。
どのエンディングを迎えるかはスタッフも知らされていないとのことで、当日まで何が起こるか分からない新感覚の作品だ。
2.5ジゲン!!では、12月4日(日)放送予定の第3部をレポートする。
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ドラマ『代々木一丁目放送局』の舞台となる、架空のラジオ番組「よよなま」は、放送中にパーソナリティやゲスト、リスナーの夢が必ず叶うと言われている。
パーソナリティは喜田村リュウ(演:北村諒)。職業は俳優、そして特技は催眠術。情感たっぷりの喋り方はどこかスピリチュアルな雰囲気を醸しており、開口一番から癖の強さが視聴者の心を掴む。喜田村は外見だけ見れば所謂(いわゆる)クールなイケメンであるが、だからこそ淡々とした調子で繰り出されるボケが良い味を出していた。
ゲストとして登場したのは、赤の衣装に身を包んだ取越ユウヤ(演:鳥越裕貴)。パーソナリティに負けず劣らず個性の強いキャラクターであり、職業は俳優、特技は霊が見えること。昨今エチュードや台本なしのフリートークに挑むことも多い鳥越。ラジオを舞台にしての即興劇は初めてとのことだったが、持ち前のアドリブ力や演技力が輝いていた。
1発撮りの緊張感もあるであろう中、どこか実家のような安心感を感じることができるのは、きっと長年の友人である2人だからこそ。
「初めましてなんでしょうけど、どこかで会った気がしますね」などの会話は登場人物としての個性はもちろん、2人の関係性も見え隠れしていて面白い。北村×鳥越の組み合わせが好きなファンにとっては、ご褒美的な絡みだろう。
番組は、主に3つのコーナーによって構成されている。
1つ目のコーナーは『はぁって言うゲーム ver.よよなま』。お題の一音を声と表情だけで演じ、当て合うという、昨今人気のゲームだが、あっさり終わらないのがよよなまクオリティ。
お題は「可愛く」「明るく」など定番のものをはじめ、「忘れ物を思い出して道を引き返すとき」など、ここでしか見られないものも多い。ゲームのやり取りだけではなく、先攻・後攻を決めるための個性的過ぎる『スピリチュアルじゃんけん』も推しポイントである。短い時間にも関わらず見所が多いが、散らばった印象がなくスムーズに進行していくのは、2人が長年培ってきたスキルがおおいに関係しているだろう。
2つ目のコーナーは『質問を見ずに回答』。回答者は出題される質問を見ることができない状態で回答をして、その答えのズレを楽しむゲームだ。
10の質問に、それぞれ回答をしていく2人。「職業は?」に対し「イケメン」など、質問に対する答えとしてぴったりなものから「今行きたい国は?」には「小麦粉」などズレたものが飛び出たりと回答は多岐に渡っており、どれも絶妙な笑いを誘う。テンポよく挟まれる合いの手も、不思議な空気感を加速させていくひとつの要素である。
3つ目のコーナーは、「本番中に夢が必ず叶う番組」にちなんだ企画。それまでとは少し雰囲気が変わり、物語は終盤へ向けて動きを見せていく。2人が過去の自分に向けるメッセージとは? どんな願いが叶うのか? 3つのうちのどのエンディングにたどり着くのかは、ぜひその目で見届けて欲しい。
本作は何が起きるか分からない構成やゲーム、ツッコミが不在気味の絶妙に緩い会話など、笑いどころが多い。しかし、コメディ要素だけではなくキャラクターの個性を活かした予想外の展開も最後には待っており、1度で2度も3度もおいしい作品だった。
2人が出会ったことで誰のどんな願いが叶い、最後にどういう感情が残るのか…。たくさんの魅力が詰まった今作を、ぜひ多くの人に楽しんでほしい。
取材・文:水川ひかる
(C)代々木一丁目放送局製作委員会
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