様々な角度から2.5次元作品やそこで活躍する俳優たちにスポットを当てる、CS日テレプラスで放送中の番組「2.5次元ナビ！」。
同番組がついにスタジオを飛び出し、番組初となるイベント「2.5次元ナビ！シアターVol.1～セッションしようゼ！～」として10月13日から上演される。
2.5ジゲン!!ではゲネプロの様子をレポート。また番組MCであり、同イベントで脚本・演出も手掛ける平野良の華麗なトークが冴え渡った、囲み取材の様子もお届けする。コント・ショートストーリー出演キャスト陣が、初日に向けてじわじわと笑いのエンジンを温めている様子を想像しながら楽しんでもらいたい。
▲コント演出に加えショートストーリー脚本も手がけた平野良
本公演は番組MCである平野良と、ナビ隊！イエローとして番組レギュラーを務める松井勇歩の2人がレギュラー出演として全回に出演。
コント・ショートストーリーの出演キャストは井澤勇貴、加藤良輔、北乃颯希、輝山立、谷佳樹、結城伽寿也に松井を加えた7人。このうち3人が、回替わりで登場する。
コントは、平野が親交のあるお笑いコンビ・エレキコミックのコント3本を、新たに演出。さらに平野が脚本を担当したショートストーリー1本、松井が担当した企画コーナー、ゲストトークという盛りだくさんの内容となっている。
ゲネプロでは、コント1本目に加藤と北乃が登場。北乃の大阪弁を生かした加藤のボケや、北乃の鋭いツッコミが冴え渡った。コントとして完成されている作品を、それぞれの持ち味を生かしてどう料理するのか。個性も楽しめる2人の掛け合いに笑わされると同時に、俄然ほかのコントも観たいという気持ちにさせてくれる1本目となった。
続くショートストーリーには井澤、北乃、結城が登場。オーディション会場を舞台に繰り広げられるストーリーは、リアルと舞台という非現実を行き来している観劇ファンほど、「なるほど」と思える内容かもしれない。
演劇人である平野が、2次元でもない3次元でもない“2.5次元”を演じる俳優たちのいくつもの顔を引き出してくれる、そんなショートストーリーではないだろうか。ある意味、平野からの挑戦状のようなこのストーリーを、各回のキャストたちがどう演じるのか、1度観たら2度3度と観たくなることだろう。
続いて、役者の素顔が楽しめる松井の企画へ。コント・ショートストーリー出演キャストが、番組出演権を賭けて、松井がくじ引きで引いた種目をガチンコ3番勝負で行うコーナーだ。
ゲネプロで登場したのは輝山と谷。2人は出演回数などの兼ね合いで、このゲネプロでの勝敗もカウントされるとのことで、2人の全力勝負が繰り広げられた。今後の出演権争奪戦に関わる部分なので、1戦ずつ紹介していこう。
まず1戦目は、風船を一息でどこまで膨らませられるかを競う戦い。
谷も輝山も「自信あります！」と高らかに宣言して、いざ勝負がスタート。
2人とも最後の一息まで膨らませようと、しゃがみ込みながら風船を膨らませていく。最後まで膨らませていた谷の風船は、輝山のものより一回り大きいのが一目瞭然で、用意されたメジャーの出番なく谷の1勝が確定！
2戦目は運対決。
苦いセンブリ茶と緑茶のうち、センブリ茶という“おいしい”選択肢を選べた者が勝利というルール。1敗を喫した輝山は「絶対勝ちたい！」と意気込み、「こっち！」と必死さのこもった声で片方のコップを選ぶが…。
せーの！ の掛け声で一気飲み後、「やばっ！」と床を転げまわったのは谷。初めて飲んだセンブリ茶の独特な香りと味に悶絶しながら、谷が勝利の雄叫びをあげた。
最後の3戦目は、ぐるぐるバットをした後にボールを投げてゴミ箱に入れるという勝負。
3回転して1球投げる、を3回繰り返すこの戦いは、2勝して余裕のある谷からスタート。谷は1球目は入ったものの、2球目・3球目は惜しくも外れてしまい、結果は1球。
続く輝山に、「1球目で入れないとまずい、1球目が勝負」とアドバイスを送る様子からは、共演経験の多い2人の関係性が垣間見えた。なんとか1勝を取っておきたい輝山は、1球目を外すものの2球目で成功。勝利のかかった3球目は体勢を崩しながら必死の投球を見せるが、無情にもボールはゴミ箱の奥へ…。
こうして本番と同じ熱量で繰り広げられた3番勝負によって、谷は2勝1引分、輝山は1引分の成績を獲得することに。
千秋楽までの合計点で番組出演権が誰のものになるのか決まるので、勝負の行方が気になるという人はこのゲネプロの結果もぜひ記憶しておいてほしい。
大盛りあがりを見せた3番勝負の後は、しっとりとしたゲストトークへ。ゲネプロではゲストトークキャストが不在だったため、平野の事務所後輩である谷がゲスト役として登場。
「この公演に来たら笑えるだけじゃなくて、キュンとできることが伝わるポーズをして」という先輩の無茶振りを受けて、谷は渾身の“かわいいポーズ”を披露した。
▲谷渾身のかわいいキュンとするポーズ
ここまででもかなりお腹いっぱいの多種多様なセッションが楽しめたが、ラストには2本目のコントが待っていた。
今回は松井と井澤が登場。身体表現力をフルに生かせるネタを、美形でスタイルのよい2人がやることで生まれる奇妙なミスマッチさが印象的で、芸術のようなコントのような芝居のような、不思議な空間を生み出していく。
ネタ自体の面白さにプラスして、役者だからこそ生みだせる面白さが加わり、改めてセッションの意味を感じられるラストの演目となった。
▲不思議な光景だが、その内容は劇場で確認してみてほしい
「2.5次元ナビ！シアターVol.1～セッションしようゼ！～」のタイトルから感じられる、いい塩梅のラフさが、平野の演出のもと、1つのイベントとしてうまく調和。普通のトークイベントともまた違う、笑いと芝居とガチンコ勝負もありの贅沢な時間を味わえた。
さらに今回は会場が東京・CBGKシブゲキ!! とあって、どこに座ってもステージが近い。キャストと一体となって会場の空気を作っていく感覚を味わえることだろう。
「2.5次元ナビ！シアターVol.1～セッションしようゼ！～」は千秋楽昼夜公演の生配信も決定。配信も活用して、キャストの変化による化学反応を楽しんでみてはどうだろうか。
囲み取材レポート
ゲネプロ前の囲み取材では、全キャストが登壇。
番組MCでもある平野良の「初めましてのキャストから、これまで共演したことのある信頼できるキャストも含めて、面白い作品となっております。敷居をなるべく低くというのをテーマにやってきて、それを体現できる作品になっているんじゃないかと思います。4日間と短い時間ですが、笑いを提供できるように努めてまいりますのでよろしくお願いします」という挨拶から、一言ずつの挨拶がスタート。
2番手の松井は「3人いるナビ隊のうち1人だけの参加なので3人分の仕事をしていてすごい忙しいです」と笑いを誘った。
松井が「ナビ隊！イエローの松井勇歩です」と挨拶したのを受けて、続く井澤はしれっと「ナビ隊！ブラックの井澤勇貴です」と自己紹介。井澤は笑わせることの難しさを語ったうえで、「全力でやることを徹底したい」と意気込みを語った。
ここから「ナビ隊！◯◯」と名乗る大喜利の流れが生まれ、互いの出方を牽制しあいながら会見が進んでいく不思議な空気に。
「ナビ隊！シルバー」を名乗る加藤、「ナビ隊！グリーン」を名乗る北乃は、それぞれコントへ挑戦することへの期待感をコメント。
続く輝山はすでに存在する「ナビ隊！イエロー」を名乗るも、どこからも突っ込んでもらえず「突っ込んでくださいよ！」と自ら突っ込む羽目になっていた。
大喜利の流れを切ったのは谷。「平野良の部下の谷佳樹です」と名乗ると、“上司”の平野からは落胆の「ああ…」というため息がこぼれ、谷は「やめてくださいよ」と大慌て。平野から「色で言ってほしい」とリクエストを受けて「ナビ隊！パープル」を名乗るも、またしても「ああ…」というリアクション。
先輩からのいじり愛を受けた谷は、コントに苦戦した稽古期間を振り返り、「あとはやりきるだけです！」と気合を見せた。
ラストを飾った結城は「ナビ隊！茶色」を名乗り、しっかり落として会場を沸かせることに成功。平野ら共演者からのねぎらいの拍手を受けながら、初挑戦のコントについては「温かく見守ってもらえたら」とコメントした。
稽古の様子について話題が及ぶと、松井は「仲のよさが見えるペアだったり、逆に初めましてに近いペアだから生まれるセッションだったり、その違いを比べてみるのも楽しいかもしれない」と、1つの楽しみ方を提案。
また、稽古場で演出家として全ペアを見てきた平野は「ペアが変わると同じコントでもガラッと、笑いどころや面白さが変わるので、推しのみならず、推しのいない回とも見比べて、ぜひ2度でも3度でも味わってもらいたい作品になったと思います」と、初セッションへの手応えを語った。
取材・文・撮影：双海しお
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