舞台『漆黒天 -始の語り-』が8月5日(金)に東京・サンシャイン劇場で初日を迎えた。2.5ジゲン!!では初日を前に実施されたゲネプロの様子をレポートする。
同舞台では、映画『漆黒天 –終の語り-』で描かれた、主人公・名無し(演:荒木宏文)が記憶をなくす前の話、“前日譚”が描かれる。
舞台は、徳川による治世が始まったばかりの江戸。戦乱が終わり迎えた新しい時代において、「人を殺す剣」ではなく「人を活かす剣」の在り方を求める宇内道場の師範・宇内陽之介(演:荒木宏文)は、志を共にする友・嘉田蔵近(演:梅津瑞樹)、妻・富士(演:小島藤子)と子供たち、門下生や弟子入り志願にやって来た兄弟・邑麻二郎太(演:松田凌)、三郎太(演:長妻怜央)らと共に、心穏やかな日々を送っていた。そんな中、江戸の町を騒がせる破落戸集団「日陰党」に頭を悩ませた玖良間士道(演:鈴木裕樹)から「日陰党討伐隊」への誘いがかかる…。
陽之助と同じく荒木が演じる旭太郎は、陽之助の双子の兄弟である。日なたを生きる陽之介と、日陰を生きる旭太郎の荒木による演じ分けは見事の一言に尽きる。真逆の人生を歩んできた2人を全くの別人に見せつつ、双子としての共通点を感じさせる表現は必見だ。
登場人物たちの生い立ちを感じられる殺陣にも注目したい。型に沿った美しい剣技を見せる宇内道場の人々と、自己流のアクロバットな動きで刀をふるう日陰党、言外に語られる両者の生き様の違いが同舞台の魅力を引き立てていた。
荒木宏文 コメント
開幕を迎える事が容易ではないこの時勢に今日を迎えられる事をとても幸せに思います。常日頃から毎公演初日であり千秋楽の意識で行っていましたが、実際にこのカンパニー、このキャストで出来るのがこの1公演のみになるかもしれない状況に置かれ、より一層その想いは強くなりました。誠心誠意、最高の公演を許される限り届け続けてまいります。宜しくお願い申しあげます。
公演は8月5日(金)~8月21日(日)に東京・サンシャイン劇場、8月31日(水)~9月4日(日)に大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティで行われる。
(C)2022 movie-st
広告
広告