ドラマチックライブステージ『アイドルマスター SideM』が2022年6月16日(木)に開幕。初回公演に先立ち実施された公開ゲネプロの様子をレポートする。
ひたむきさがドラマチックにきらめく!
『アイドルマスター』シリーズ初の男性アイドルプロデュースゲームとして誕生したドラマチックアイドル育成ゲーム『アイドルマスター SideM』が初の舞台化。アプリゲーム版『アイドルマスター SideM GROWING STARS』(通称:サイスタ)を原作として、舞台オリジナルのストーリーを描いていく。
本作は二部構成。一部の舞台パートはアイドルたちの物語が描かれ、二部はライブパートになっている。
冒頭、315プロダクション代表取締役社長の齋藤孝司(声の出演:立木文彦)が導入を解説。原作通りの社長の声が流れるだけで原作の世界を感じられ、プロデューサー気分に一気に引きこまれる。
まず、2つのユニットの視点から始まる。
「DRAMATIC STARS」は、元弁護士の天道輝(演:加藤良輔)、元医者の桜庭薫(演:澁木稜)、元パイロットの柏木翼(演:宮田龍平)という異色の経歴を持ったメンバー構成。
「High×Joker」は、ボーカル・伊瀬谷四季(演:土屋翔)、ギター・秋山隼人(演:櫻井圭登)、ドラムス・若里春名(演:高橋祐理)、キーボード・冬美旬(演:大見拓土)、ベース・榊夏来(演:設楽銀河)ら、同じ高校の軽音部のメンバーが結成したアイドルユニットだ。
彼らのレッスンや普段の模様が描かれるが、ここに新たなユニットが加えられることになる。新ユニット「C.FIRST」だ。
事務員の山村(演:三好大貴)が出会った才能あふれる生徒会長の天峰秀(演:北川尚弥)をスカウトしたところ、さらに誘いたい他校の生徒会長がいるという打診を受け、花園百々人(演:中島優斗)、眉見鋭心(演:平賀勇成)の両名をスカウト。結果的にこの3名がスカウトされ、315プロダクションの所属アイドルは49名にまで膨れ上がる。
「C.FIRST」の初仕事は、おもちゃ屋さんの営業。少し戸惑いもするが、プロデューサーの助言により子供たち目線になり、子供たちの心理を理解することで営業は成功する。
「High×Joker」はライブ活動。動画がバズったり、ネットを通じて尊敬する海外アーティストに認められるなど、活動は順調に広がっていく。
観客はプロデューサー視点として見ることができ、時折、プロデューサーへの投げかける言葉や彼らの話題に出てくる演出が盛り込まれているため、原作のテイストを実感できるような図式。これだけでもかなり嬉しい気持ちになる。
そんな中、ユニットを組み合わせたライブを全国各地で行うことが発表され、「DRAMATIC STARS」「High×Joker」「C.FIRST」は合同ライブを開催することに。ユニットカラーがバラバラの3組が意見を交換して合同ライブに臨むが、衝突し、なかなかまとまらない。特にユニット内で意見が合わない「DRAMATIC STARS」はかなり揉めてしまう。
だが、お互いがお互いを理解し、乗り越えていくことで、一体感が生まれていく。最終的には、みんなの意見を踏まえた新曲を披露することに決定。期限がない中、心は一つになっていき…!
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二部のライブパートでは、幕が上がる前、ステージ脇で準備している彼らが映像で映し出される。つまり、アイドルたちの裏側を直前まで見ることができるのだ。各ユニットの想いが詰まったやりとりを堪能できる。
ライブパートは全5曲。そのうち新曲は、この公演のみに作られた全体曲と各ユニット曲だ。
「Don’t U Worry」(歌:C.FIRST(DRAMATIC LIVE STAGE))
クールで疾走感のある楽曲。ただ、それだけではなく要所要所に客席と一体感のある場所があり、存分に「C.FIRST」の魅力を味わえる。
「Sunrise Dreamer」(歌: DRAMATIC STARS(DRAMATIC LIVE STAGE))
疾走感がありユニットを思わせる歌詞が特徴的な楽曲。お互いの意見がぶつかっても前に進んでいくという、前向きな気持ちにしてくれる。
「LET’S GO ALL THE WAY!」(歌:High×Joker(DRAMATIC LIVE STAGE))
「青春!」という言葉がストレートに合う楽曲。明るく爽やかで楽しむことが前面に出ている。バンドらしいパート紹介という演出も憎い。
「Our Colorful Stage!!!」(歌:315 STARS(DRAMATIC LIVE STAGE))
物語上で各アイドルたちが意見交換を重ねた結晶。パートや立ち位置が入れ替わったり、それぞれに見せ場があり、サビの転調なども含め印象に残る。この楽曲のために舞台シーンがあったと言っても過言ではないので、しっかりと堪能しよう。
なお、これらの楽曲は、ドラマチックライブステージ『アイドルマスター SideM』ST@GE SONG COLLECTIONとして、10月19日(水)に発売が決まっている。
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ゲーム・アニメで展開されていた『アイドルマスター SideM』が、ついに舞台化した。実際に目の前で演じられ、ライブシーンを体感できることはそれだけでも魅力的だが、軸となる物語がありつつ、それぞれのユニットのありようを描く内容となっている。100分という公演時間でも、見どころは多い。
原作に登場するユニットは現在16ユニット。今回未登場のアイドルも豊富に控えている。今後の展開にも期待したい。
取材・文:木皿儀隼一/撮影:ケイヒカル
THE IDOLM@STER™& (C)Bandai Namco Entertainment Inc.
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