Rejetが贈るアイドルプロジェクトがついに舞台となって輝きだした。ピタゴラスプロダクションに所属する4組のアイドルが一堂に会する舞台『MARGINAL#4』BIG BANG STAGEが2月23日(水)に初日を迎えた。
2.5ジゲン!!では初日に先立ち実施されたゲネプロの様子を、劇中ショット・ライブショットとともにお届けする。大きなネタバレはないがあらすじに触れる内容となっているので、観劇前のファンは注意して読み進めてほしい。
シンプルなストーリーが届けてくれる大切なこと
銀河まで愛を届けるアイドルたちの煌めきを全身に浴びられる、新たなアイドルを主題とした作品が幕を開けた。
舞台用に書き下ろされたストーリーは、実にアイドルらしさに溢れた内容だった。大人気アイドルたちが、ファンに笑顔と愛を届けるために奔走する。文字にするととてもシンプルだ。だがシンプルだからこそ、アイドルが存在してくれる喜びや尊さ、アイドルに会いに行く意味を改めて噛み締められるのではないだろうか。
せっかくのオリジナルストーリーなので、ここでは簡単なあらすじのみを紹介する。物語の結末は、ぜひ劇場で見届けてほしい。
ライブに向けてリハーサルに励むMARGINAL#4、LAGRANGE POINT、UNICORN Jr.、Golden Recordの4組の人気アイドルたち。最終確認も済ませ、いよいよ後は本番を待つだけとなった彼らだったが、想定外のトラブルが発生してしまい…。
▲“銀河の果てまでKissを届ける”MARGINAL#4
▲“太陽(あさ)から月(ばん)まで愛を囁く”LAGRANGE POINT
▲“空より降り立った、若き一角獣(ユニコーン)”UNICORN Jr.
▲“黄金(きん)に輝くトライアングルスター”Golden Record
▲アトム好物の3ジュースをめぐるコミカルなシーンも
ストーリー仕立てのリハーサルの内容と、現実で起きてしまったトラブル。その二つが絡み合いながら、彼らは困難を打開するための道を模索する。
本作はトラブルを乗り越える物語であると同時に、アイドルとして確かな地位を築いている彼らが、自分たちのこれまでを振り返る物語でもあったのだろう。
彼らはこれまで、ドラマCDやアニメといったフィールドで活躍してきた。そして今回、舞台という新たなステージに立った。いわば本作は、原点となる作品だ。そんな一つの“始まり”を実感するに相応しい、真っ直ぐさとフレッシュさを感じさせてくれる作品に仕上がっていた。
彼らの原点であると同時に、本作はファンにとっても原点となり得る作品だろう。ピタゴラスプロダクションに所属するアイドルや、今回出演しているキャストを応援し始めた頃の「応援したい」という気持ち。その原点をストーリーを通して再確認した上で、彼らの輝く姿に「これからも見守っていきたい」と強い意志を抱くことだろう。その滾る気持ちは、後半のライブパートでサインライトに乗せてぜひアイドルたちに届けてほしい。
多才なキャスト陣が生み出すアイドル作品の新境地
舞台経験豊富なキャストに加えて、2.5次元作品やアイドル作品初挑戦となるキャストも多く、そのフレッシュさがそのまま作品の味となっていたのが印象的だ。
マジフォーの桐原アトム(演:西銘駿)や野村アール(演:輝山立)、ユニコの滝丸アルト(演:田中尚輝)は舞台経験も多く、キャラクターを掴んだ上での芝居に惹きつけられる。キャラクター設定を踏襲しながらも、細かな芝居で「このキャラクターならこうしそう」という余韻を作り出すのがうまい。特に輝山と田中はアイドルものや女性向け恋愛シミュレーションゲームを原作とした舞台にも出演経験があるとあって、キャラクターの魅せ方の巧さが際立っていた。
▲野村アール(演:輝山立)
▲滝丸アルト(演:田中尚輝)
一方でスポーツ系の爽やかな青春ものに出演することが多い西銘は、持ち前の快活さでアトムを好演。周りを巻き込んで盛り上げていける西銘自身の力強さで、アトムらしさを表現していた。
▲桐原アトム(演:西銘駿)
彼らに呼応するように、野村エル(演:大見洋太)や仲真テルマ(演:弦間哲心)ものびのびとした芝居で、それぞれが演じるキャラの魅力を表現。本作を観て、今後の彼らの活躍が楽しみになるファンも多いことだろう。
▲野村エル(演:大見洋太)
▲仲真テルマ(演:弦間哲心)
本作のキャストは、アーティストやダンスボーカルグループのメンバーとして活動しているメンバーが多いのも特徴的だ。そんな彼らの強みをとことん味わえるのが、後半のライブパートだろう。
藍羽ルイ(演:SHIN)、牧島シャイ(演:YUKI)、新堂ツバサ(演:西川音央)、朝波ナナセ(演:稲吉ひかり)、太刀川ダイキ(演:結城樹)はダンスで魅せ、緋室キラ(演:佐々木佑紀)と風乃リツ(演:岸洋佑)は歌でファンの心を鷲掴みに。パフォーマンスに慣れている彼らがさり気なく放ってくれるファンサービスをお見逃しなく。
▲藍羽ルイ(演:SHIN)
▲牧島シャイ(演:YUKI)
▲新堂ツバサ(演:西川音央)
▲朝波ナナセ(演:稲吉ひかり)
▲太刀川ダイキ(演:結城樹)
▲緋室キラ(演:佐々木佑紀)
▲風乃リツ(演:岸洋佑)
このライブパートでは、舞台のために用意された完全新曲『Pure Lip♥』やマジフォーの1stシングル『100万回の愛革命(REVOLUTION)!』など、全10曲が披露された。どのユニットのファンも楽しめる充実のセットリストになっている。
どの楽曲が歌われるのか、予習復習がてら4組の楽曲を聴きながら劇場に向かってみてはどうだろうか。
▲カメラにファンサをくれたユニコ
▲衣装チェンジもお楽しみに
そして忘れてはならないのが、芝居パートで活躍するマネージャーの張皐月(演:伊﨑央登)と、敏腕社長の嘉手納マイ(演:安藤美姫)だ。伊﨑は芝居で、安藤は圧倒的なオーラで出番はそう多くないものの存在感を示した。
▲事務所社長の嘉手納マイ(演:安藤美姫)
▲クールなマネージャー張皐月(演:伊﨑央登)
ピタゴラスプロダクションの事務所の案内には「私たちが皆様を照らす光であるよう常に努めております」という一文がある。
所属アイドルたちが2次元を飛び出して一歩現実に近いところにやってきたことで、彼らがアイドルとして放つ光を肌で感じることができた。そして度々客席を照らす照明は、ファンもまた彼らを照らす光だと言ってくれているようだった。
アイドルがファンの心を照らし、ファンの存在がアイドルをより輝かせる。舞台という同じ空間を共有するからこそ生まれる光のやり取りを、劇場で体感してみてほしい。アイドルがくれる光が、いかに心を照らしてくれるのか。改めて知ることができるだろう。
舞台『MARGINAL#4』BIG BANG STAGEは2月23日(水・祝)~2月27日(日)、ヒューリックホール東京にて上演。
取材・文・撮影:双海しお
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