心を斬り、心を結べ！スケステEp7「斬心」ゲネプロレポート　近未来日本刀アクションがここに

2021年ラストを締めくくる「スケステ」シリーズ第7弾、2.5次元ダンスライブ「S.Q.S」Episode7「斬心 -千五百秋の朝に。-」が12月2日（木）に開幕。2021年のツキノ芸能プロダクションエア合同舞台としてファンを賑わせたことも記憶に新しい「斬心」の世界が、早くも舞台になった。

2.5ジゲン!!では同日に初日を迎えるVer.REDのゲネプロの様子をレポート。世界観の基本設定や簡単な関係性については言及しているが、それ以外の大きなネタバレはない。劇中写真を多数掲載しているので、その点は注意して読み進めてもらいたい。

“心”を斬る男たちが通わす“心”の物語

不可視なはずの心を可視化するMES（メス）というシステムが開発され、いつしか人の心を見るのが当然となった世界。人々はそこからさらに不可視なものを具現化させるNeo-MES（ネオ・メス）という禁忌のシステムを開発。やがてネオ・メスは暴走し、人の心が具現化した怪物・Regretを生み出すようになる。

地上を荒廃へと追いやったRegretを唯一倒すことができる武器が、使用者の心を刃とする刀だ。終末感漂う大地に立ち、化け物と化した“心”を斬る男たちの物語が、この「斬心」である。

エア合同舞台の情報を追いかけているファンにとっては、ここまでは世界観の基本設定として押さえている内容だろう。この設定を前提に、Episode7「斬心 – 千五百秋の朝に。-」は幕を開ける。

Regretとの戦いから始まると思いきや、冒頭から繰り広げられるのは、今作のお当番である篁志季（演：日向野祥）と和泉柊羽（演：田中稔彦）の斬り合い。そのシーンは中盤まで大きな謎として、観客そして志季の心に刻まれていくことになる。

▲幕開けから斬り合う篁志季（演：日向野祥）と和泉柊羽（演：田中稔彦）

▲身に覚えのない光景に戸惑いながらも一歩ずつ真相に近づく志季

謎めいたシーンへの答えはないまま、物語の時間軸は現在へ。

完全実力主義のこの世界で一握りの者にしか与えられないCLASS：Generalのうちの一人・志季の異例の降格劇に、組織内はざわめいていた。自ら志願して最前線に行ったという志季の行動の真意がつかめず、仲間たちは混乱するばかり。中でも、志季に誘われて副官となった奥井翼（演：瀬戸啓太）は、何も告げずに発った志季への憤りをあらわにしていた。

▲ご立腹の奥井翼（演：瀬戸啓太）

▲静かに怒る村瀬大（演：小林涼）と、翼と共に拳を握る世良里津花（演：阿部快征）

単独で前線へと向かった志季の意図は、果たして何なのか。志季の前に現れる、現実とも幻とも判断がつかない不思議な声と映像は、一体何を意味するのか。心を斬る者たちの信念を試すかのように襲いくる黒幕の正体は果たして――。

▲全員で志季の後を追い最前線へ。移動シーンのベンチにかける姿がなんともかわいらしい

コミカルな日替わりシーンを封印して、SolidS＆QUELLがシリアスに挑む近未来日本刀アクションがそこには待っていた。日本刀アクションももちろん見どころだが、心を具現化したRegretと戦う彼らが、本心を言葉にして心を通わせていく過程を掘り下げていたのが印象的だ。

SolidSもQUELLも、有能で察しがいいリーダーを持つ。志季も柊羽も、言葉を尽くして周りに説明するタイプではない。自分が抱えて済む問題なら、あえて仲間の手を煩わせることはせずに自分でやってしまおうとするタイプだ。それで事なきを得ることがほとんどだが、“心”をテーマとした本作では、そんな自己完結型のリーダーたちにメンバーが真正面から本心をぶつける。

▲お当番を務める両リーダー

▲Ver.REDのお当番は志季と翼

▲志季の変化の理由はぜひ本編で

特に本作は敵との命を賭けた戦闘が発生するとあって、いつものように「仕方ない」と笑って流す仲間ならではの軽さが消えているのだ。大切な仲間だからこそ、ときにはぶつかりあうことも必要だと、彼らの姿が教えてくれる。本音をぶつけあうことで生まれる信頼関係を軸に、クライマックスの大勝負へと挑んでいく姿は文句なしにかっこいい。

かっこいいと言えば、やはり日本刀アクションだろう。ひらみ度満点のシックな“衣装×日本刀”の相性は抜群で、とにかくスタイリッシュ。和装ではないので鞘が手持ちな点も見どころだ。鞘を使ったアクションや納刀モーションにも各キャラの個性が反映されていて、その違いを見比べるのも一興だろう。