極上の原石が瞬き出す、「VAZZROCK STAGE」Ep1『0carat』ゲネプロレポート

ツキプロステージシリーズに新たなきらめきが生まれた。ファンが待ち侘びていたVAZZROCKがついに2.5次元ダンスライブに。「VAZZROCK STAGE」Episode1『0Carat』として、7月1日（木）にVAZZY、7月2日（金）にROCK DOWNがそれぞれの初日を迎える。

本記事では初日に先立ち実施されたVAZZY公演ゲネプロの様子をお届けする。ストーリーのネタバレはないが、劇中ショット・VAZZY公演Aセットリストのライブショットを多数掲載している。衣装やダンスのフォーメーション・演出含め、劇場や配信で先に楽しみたいというファンは、ぜひ観劇後に各シーンを思い出しながら、この記事を楽しんでもらえたらと思う。

「0」から紡ぐ“原石”の物語、開幕！

イブステ外伝「ジクステ」や「ツキステ。」から一部キャスト続投で上演された「メガステ」は記憶に新しいが、新シリーズが全員新キャストによってスタートするというのは久しぶりだ。この2.5次元ダンスライブ「VAZZROCK STAGE」Episode 1『0carat』はまさに、「0」を冠するに相応しい、まっさらな透明感ある作品に仕上がっていた。

公式サイトのあらすじにもあるように、本作はユニットドラマCD2巻のさらに1年後。VAZZYリーダーの眞宮孝明（演：坂口実成夢）、ROCK DOWNリーダーの小野田翔（演：三橋かおる）が、改めて自分たちのユニットについて振り返るという内容になっている。

▲VAZZYリーダー眞宮孝明（演：坂口実成夢）

そこで描かれていくのは、彼らの芸能人としての多忙な日常だ。もともと国民的ユニットに所属していた孝明が、VAZZYでは圧倒的に忙しい。実際に彼はVAZZYとしても個人としても目まぐるしく仕事に追われているのだが、まるでその素振りを見せない。いつだって周りをよく見て、メンバーのフォローやユニット内のバランス調整を欠かさず、それでいて彼自身も笑顔を絶やさないパーフェクトガイなのだ。

▲2次元な等身と脚の長さも完璧なリーダー

カリスマ性で引っ張ったり背中で語ったり、一緒に横並びで頑張ったり。そんなリーダー像とはまた違った、VAZZYならではの新たなリーダーの在り方というものが描かれていた。孝明を演じる坂口の柔和な笑顔が実に印象的で、どんなつらいこともこの笑顔で包み込んで1人でうまく立ち回れてしまう。そんな孝明の人物像が浮かび上がっていた。

▲インタビュー撮影にTV収録、ラジオ…お仕事現場が観られるのも本作の魅力

孝明は本当によくメンバーのことを見ている。そして同じくらい、メンバーもリーダーのことをよく見ているのだ。売れっ子としてスケジュールをこなしていくVAZZYの様子が描かれるとともに、仕事や共同生活を通じて、メンバーが孝明に寄せる信頼も丁寧に描かれていく。

▲なかでも孝明のことを強く意識している吉良凰香（演：鐘ヶ江洸）の視点は鋭い

時間にしてしまえば約1時間ほどの芝居パートだ。しかしその1時間で、VAZZYが時間をかけて磨いてきた信頼と絆の輪郭がしっかりと伝わってきた。

すでにステージ上には100カラットほどの輝きに溢れているのだが、これはまだ「0carat」――序章に過ぎないのだ。これがまだ“原石”とするのなら、この先には果たしてどんな輝きが待っているのか。彼らの眩しさに思わず目を閉じてしまいそうだが、しっかりと待ち受ける未来をこの目に焼き付けたい。そんな期待感と高揚感を抱かせてくれる、最初の1ページに仕上がっていた。

▲穏やかな日常の中のクスッと笑える一コマも登場する

VAZZY全キャストソロショット＆見どころ

ここからはVAZZY全キャストの見どころを、ソロショット及びライブ衣装とともに紹介していこう。

まずはリーダー・眞宮孝明。上述したように坂口の笑顔が印象的だ。経歴がバラバラのメンバーがまとまったのも、この天然愛されキャラのリーダーがいたからだろうと思わせてくれる、説得力のある笑顔を見せていた。

彼とシンメに立つことが多いのが、吉良凰香（演：鐘ヶ江洸）だ。幼少期からずっと芸能界に身を置いてきたという芸歴No.1の凰香。圧倒的に多くのステージを踏んできた鐘ヶ江がこの役を演じる意味というのを、その佇まいから感じた。プロ意識を欠かさないストイックな表情から、素直になりきれないものの心を許している様子の優しい表情へ。決して前へ前へと出るキャラではないが、セリフがないシーンこそ、鐘ヶ江の細やかなグラデーションある芝居を堪能できるのではないだろうか。

まるでタイプの違う兄弟が築一紗（演：綾切拓也）と築二葉（演：松波優輝）だ。

俺様で我が道を行くタイプの一紗は、容姿や衣装含め心の中の中学生が思わず暴れだしてしまうファンが続出することだろう。ドラマCDで聴くよりも、さらにインパクトのあるキャラクターに仕上がっていた。

その弟はニコニコした笑顔がトレードマークの二葉だ。ベビーフェイスから生まれるかわいらしいビジュアルとは裏腹に、意外と頼りがいがあるという二葉の一面を、カンパニーでは年上組の松波が好演。リーダーとはまた別のベクトルで、ユニット全体を支えているような印象を受けた。

▲クールな表情の理由は芝居パートで登場

元気印の大山直助を演じるのは、爽やかな笑顔が眩しい川井雅弘。ついつい目で追いかけてしまいたくなる愛されキャラに仕上がっていた。ライブパートではステージと客席の架け橋として、直助がおおいにファンを盛り上げてくれるだろう。基本的にはいつもニコニコしているのだが、ライブ中はふとした瞬間、色気ある表情を見せることも。ギャップに溺れたいファンは、ライブ中も彼から目を離さないことをおすすめする。

最後に紹介するのが、徳井太一演じる白瀬優馬。印象的だったのが、その澄んだ声だ。透明感と柔らかさがあるその声色は、まさに王子様。長い手足との相乗効果で、より高い王子様度が再現されていた。劇中では直助といることが多い優馬。熱血な優馬と一緒にいるときの、少しだけホッとしたような表情にも注目してもらいたい。

大人の色香漂うライブパート

本作はダンスライブパートがなんと贅沢にも約1時間ある。ユニット曲はもちろん、ソロ曲やデュエット曲もあり、1時間あるからこそのセットリストを楽しむことができる。途中では衣装チェンジも。

VAZZROCKはツキノ芸能プロダクションの中でも比較的大人なメンバーが集う2ユニットだ。人生経験から醸し出される妖艶さをパフォーマンスからも感じ取れるだろう。振付も演出も大人っぽいものが多く、ドキッとさせられてしまう瞬間が多い。心の準備をしてから臨んでもらいたい。

ここからはVAZZY・A公演のダンスライブショットを堪能してもらえればと思う。

まずは「VAZZY」と「激奏D.I.V.E」で会場のテンションは一気に上昇することに。サインライトを振りやすい縦ノリなロックサウンドが心地いい。

直助が活躍するトークを挟んで、孝明ソロ曲「NOT A GAME」へ。長い脚とマイクスタンドの相性は抜群で、思わず目を奪われるだろう。セクシーな振付も多い「TRICK TRAP TRICK」や和風な演出が粋な「君ノ花」と続く。「君ノ花」ではまるで着物を着ているかのような物腰の凰香に注目してみてほしい。

Aセットリストの後半では二葉が活躍。「rainy rain days」や「もしも今すぐ神様が願いを叶えてくれるならもう決まってる」を披露。「LET’S GO TO HEAVEN！」では兄弟ならではの振付と、2人の交錯する視線にドギマギさせられるだろう。

そしてセットリストはいよいよラストスパート。「Warmth」によって華麗に幕を閉じる。夢のような1時間を楽しんでほしい。

今回の公演は東京・CBGKシブゲキ!!で上演される。ステージと客席との距離感が近い劇場の一つである。これから観劇するという人は、ぜひうちわの用意をしておくことをおすすめする。ステージ上からも客席が見やすいということもあり、うちわのメッセージを拾ってメンバーがファンサをしてくれるというご褒美タイムがゲネプロでは用意されていた。メンバーとのやり取りを楽しめるのも、この距離感の劇場ならでは。絶好のVAZZYのファンサを浴びるチャンス、逃さない手はない。