シリーズ3作目にして完結編となる舞台「キューティーハニー CLIMAX」が2021年6月17日(木)に初日を迎えた。初日公演に先立ち実施された囲み取材とゲネプロの様子をレポート。
囲み取材にはハニー5人が、今回初登場となる衣装で登壇。和やかに進行した取材会の様子は記事後半で全文紹介しているのでお楽しみに。
キューティーハニーVSパンサークロー
2020年に上演された舞台「キューティーハニーEmotional」では、原作をベースにしながらも令和版「キューティーハニー」として、新たな魅力で楽しませてくれた。本作では初演から続くハニーとパンサークローとの戦いがついに決着。クライマックスの名に相応しい、ド迫力なストーリーが描かれた。
相変わらずパンサークローが送り込むパンサー怪人との戦いを繰り広げているキューティーハニー(演:上西恵)ら5人。いつもと変わらぬ日常の中、聖チャペル学園では新学期を迎える。
▲お仕置きに怯える5人
そこに新たに現れたのは、新任の教師・氷川涼(演:青木志貴)。対パンサークローテロ対策本部の幹部・早見蒼(演:生田輝)によると、氷川はパンサークローとの闘いを終わらせるために本部から派遣されてきた人物だという。
ミステリアスな存在感を放つ氷川は、ハニーたちにパンサークローのアジトを急襲する作戦を指示。一方で早見もブラックハニー(演:松田彩希)に共闘を持ちかける。
ハニーたちが決着へ挑もうと準備している間、その裏ではパンサークローたちも動いていた。総帥・パンサーゾラ(演:舞川みやこ)はシスタージル(演:山﨑紫生)を動かし、不敵に微笑む。
さらにゾラのもとには、ある目的を持つ堕天使オノケリス(演:成瀬瑛美)も現れ…。
ハニーたちとゾラとの闘いを軸に、ハニーと母・如月博士(演:香音有希)との絆、ハニーとかつての親友・夏子(演:宮崎理奈)との関係、ハニー5人の友情などが交錯していく。迫力のある殺陣やアクションだけでなく、舞台上のあちこちで描かれる人間関係にも注目したい。
安定感とフレッシュさ混じり合う新生ハニー
キューティーハニー、ジャンパーハニー(演:佐藤日向)、スイーツハニー(演:西葉瑞希)は初演から続投とあって、抜群の安定感を見せていた。手数の多いアクションも難なくこなしており、さすがの一言。役と長い付き合いだからこそ引き出される、それぞれの感情の揺れ動きを楽しんでみてはどうだろうか。
サイバーハニー(演:相澤瑠香)とラブリーハニー(演:行天優莉奈)は新キャストに。相澤も行天もアイドルとして活躍しているとあって、衣装の着こなしや身のこなしはバッチリ。聖チャペル学園に吹く爽やかな風として存在感を見せた。2人が初挑戦となった殺陣にも注目だ。
今作でキーパーソンとなるのは氷川と早見だろう。とくに中盤のハニー5人と早見とのやりとりは見応え抜群。6人の熱演が光るシーンとなっていた。
敵組織であるパンサークローも一人一人の見せ場がしっかりとあるので、ファンはお楽しみに。パンサー怪人のバックボーンも掘り下げられており、そのシリアスなシーンのおかげで終盤の空気がピリッと引き締まっていたのが印象的だ。
過去作品を含めて殺陣が一番多いという本作。敵味方が入り乱れラストシーンへと向かっていく様子は、まさにクライマックス。
かわいくて熱くて情熱的なキューティーハニーたちに、ハートを射抜かれてみてはどうだろうか。
囲み取材レポート
――意気込みを一言ずつお願いします。
上西恵(キューティーハニー役):今回もピュアでかわいいキューティーハニーちゃんをお届けできたらなと思います。
佐藤日向(ジャンパーハニー役):3部作目になるんですが毎回キャストが違っているので、毎回違った魅力が詰まっていると思います。今回はクライマックスということで、殺陣も激しくなっているので、皆さんに最後まで見届けていただけたらと思います。
西葉瑞希(スイーツハニー役):今回は初日がなくなってしまったんですけど、一丸となって準備して、クライマックスの名に相応しいかなり情報も見どころもたくさんの作品になっていると思います。千秋楽まで怪我せずに楽しく走っていけたらと思います。
相澤瑠香(ラストアイドル/サイバーハニー役):今回初めて務めさせていただくんですが、ハニー5人の絆も強いですし、熱くて温かいステージになっていると思います。このご時世でなかなか直接届けられる機会がないなかでの開催となるので、私たちのエネルギーを感じていただけたらと思います。
行天優莉奈(AKB48/ラブリーハニー役):今回初めて立たせていただくんですが、演技パートとライブパートもあって、殺陣もたくさんあって、すごく盛りだくさんです。初めて殺陣をさせていただくので、そこも観ていただきたいです。
――本作の内容をネタバレなしで教えてください。
西葉:この衣装がもうネタバレなんですけど(笑)。
上西:新衣装なんですよね。新しい衣装を作ろうってなって、どんなハニーにするかスタッフの方たちが相談した結果、ナースハニーになったらしくて。ファンの方も観たいんじゃないのかな、ということでこの衣装になったので、この衣装も楽しんでもらいたいです。
あと変身シーンが一番多いかも。「ハニーフラッシュ」って今作が一番叫んでいると思います。
――ナース衣装が素敵ですが、衣装のポイントはどこでしょうか。
相澤:最初はシンプルなものを想像していたんですけど、作品の世界観にあったかわいらしいデザインになっていて、みんな似合っています!
佐藤:こんなナース実際にいたら嫌だけどね(笑)。
上西:ハニーちゃんらしいセクシーかわいい感じに仕上がっているんじゃないかなと思います。
――殺陣が多いとのことですが、稽古はいかがでしたか?
上西:2人(相澤と行天)は初めてだよね?
行天:初めて物を持ってやったので、当たっちゃわないかなとかタイミングとかが難しくて。皆さんたくさん殺陣があるので、本当にかっこいいです。
西葉:みんな違った武器を持っているので、見応えがあるんじゃないのかなと思います。
――経験者の皆さんはアドバイスされましたか?
上西:私はまだまだ初心者寄りなんですけど、2人(佐藤・西葉)がすごく上手で。
佐藤:直前まで変更があったりして、いまそれぞれがいっぱいいっぱいだと思います。初日に向けていいものが作れるよう、最善を尽くしている最中です!
上西:日向ちゃんは私がどうやったらやりやすいのか、とかも聞いてきてくれてすごく助かりました。
――本作の注目ポイントを教えてください。
西葉:ハニーの絆とか、ゾラとの勝負の行方とかですかね。
上西:今回この5人以外にも、先生メンバーとかいろんな物語があるので、感情が忙しいことになると思います。
――初演から演じているお三方は、役の好きなところや似ているところはありますか。
上西:ハニーちゃんは本当にピュアで疑うことを知らなくて、仲間思いで。アイドルをやっていた頃とか、はぁ…となっちゃうこともあったんですが、ハニーちゃんのそういうところに救われていました。もっと純粋で優しい女の子になりたいなと思いました。
佐藤:まとめ役だけど乙女な一面もあって、そういうところも楽しんでいただける役だと思うんですが、私自身は普段ボケッとしているので(笑)、「ここから出るので合ってる?」とか毎回聞いたりしていて。
相澤:パートナーなので一緒に頑張っています!
佐藤:なので、彼女の強いところには憧れています。
西葉:普段ツッコミに回ることが多くて、役柄としてもそういう役を演じることが多いんですが、この作品では初めてヤンチャというか無邪気というキャラクターで。ジャンパーハニーにツッコまれることも多かったりして、それを毎回すごく楽しんでいて。「キューティーハニーの稽古はやく始まらないかな」と思っていた理由で。あとは劇中でスイーツを食べるんですけど、それをお客さんも楽しみにしているメッセージとかを目にすると、役が浸透している気がして嬉しいです。
――初出演となったお2人はいかがですか。
相澤:この役が決まった時に、以前このサイバーハニーを演じていたのが同じグループのメンバーだったので、この役を私が演じる意味がすごくあるなって感じていて。グループから離れて活動することがこれまであまりなかったので、稽古場では最初すごく緊張していたんですけど、初演から務められている3人やゆりなちゃんとも仲良くさせていただいて、役じゃないところでも絆が深まったなと思うので、みんなと支え合いながら最後までクライマックスで頑張りたいと思います。
行天:ラブリーちゃんは自分のことをかわいいって思っていて、自分のこと大好きで。私の性格とは反対ではあるんですけど、アイドルは全員が全員そうではないと思うんですけど、そういう部分もあったりするじゃないですか。だから、この役を演じているときはアイドルのときよりもアイドルらしくしているなって思います(笑)。
最初はすごく緊張していて、続投キャストの皆さんにどう思われるのかなって不安もあったんですけど、皆さん優しく話しかけてくれてすごく優しくて。人見知りだったんですけど、だんだん楽屋での会話も楽しくさせていただけるようになって。劇中での掛け合いも楽しめるようになったので、これからそれを皆さんに観ていただけると思うととっても楽しみです。
――舞台中のルーティンがあれば教えてください。
佐藤:(上西)恵ちゃんはお弁当にこだわりあるよね。
上西:食べるのが大好きで! お弁当が出ていたらまず確保して冷蔵庫に入れて。自分のお弁当をしっかり確保するっていうルーティンですね! お菓子もすぐ取りに行って食べて、たくさんパワーを付けて頑張っています。
相澤:私は睡眠の質を高めようと思って、温かくなるアイマスクをして、足の疲れを取るシートを足中に貼りまくって寝ています。すごく疲れが取れるので、今日も万全です!
――稽古中のエピソードはなにかありますか。
上西:てんてんちゃん(行天)がすごく天然で。それが稽古中はいっぱい出ていた気がします。
行天:えっ、嘘!?
一同:(笑)。
佐藤:役としては人の心を読む能力があるので、人の心を読んでいるセリフがあるんですけど、「あ、間違えた!」って言っちゃって、「あの人、全然心読めてないな」って空気になっていましたね。
西葉:「あ、間違えちゃった」ってすごくかわいくいうので、みんなでそれに癒やされていました。みんなの癒やしでした!
行天:ありがとうございます!
――タイトルにちなみ、ご自身の「キューティー」なところを教えてください。
一同:(戸惑いとどよめき)
上西:なんだろう…。(かなり悩んでから)お尻で。けっこうお尻が小さいほうだと思うんですけど、「キューティーハニー」の歌詞にもあるので、お尻でハニーちゃんらしさが出せているんじゃないかなと思うので、お尻にします!
佐藤:キューティー…にちなんで、髪の毛のキューティクルはあると思います! いい逃げ道があって良かったです(笑)。
西葉:え〜なんかありますか?
一同:お顔とか。お顔がキューティー。
西葉:これ私が言ったわけじゃないですからね(笑)! でも現場ではみんなが赤ちゃんって呼んでくれているので、そういうところのキューティーさはあるのかなって思います。
相澤:(周りからの意見を聞いて)声! 声はたしかにファンの方にもいいねって言っていただけるので、声を生かして頑張りたいと思います!
行天:(周りから「存在じゃない?」との声に、恐縮しながら)それはちょっとさすがに! 滅相もございません。
西葉:こういうところが癒やしだよね。
行天:じゃあ存在ということで、よろしくお願いします(笑)。
――最後にメッセージをお願いします。
上西:残念ながら2公演中止になってしまったんですが、全公演が中止になってしまう公演もある中、本日夜に初日を迎えられるというのは、当たり前のことではないですし、大変な状況の中、観に来てくださる方がいるというのも当たり前のことではありません。感謝の気持ちを持って、いま私たちができるのはエンタメを届けることだと思うので、大切に大切に最高のメンバーと作り上げていきたいと思います。
文・撮影:双海しお
(C)永井豪/ダイナミック企画・舞台「Cutie Honey Climax」製作委員会
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