「イケメン王子 美女と野獣の最後の恋 THE STAGE ~Beast Leon~」が2020年12月24日(木)に開幕。初回公演に先立ち実施されたゲネプロの様子を劇中写真と共にレポートする。
同舞台はサイバードが手掛ける女性向け恋愛ゲーム「イケメンシリーズ」の最新タイトルが原作。2.5ジゲン!!では以前、レオン役・細貝圭×シュヴァリエ役・八神蓮の対談、リヒト役・大海将一郎×ルーク役・吉高志音×リオ役・峯田大夢の鼎談インタビューを実施。5人それぞれの作品に懸ける想いを聞いた。
このゲネプロレポートと併せて読んでもらうと、より彼らの言葉に込められた想いが汲み取れることだろう。
【画像(全28枚)は「画像一覧」に掲載】
“愛の痛み”を感じる極上ラブストーリー
世間がロマンチックな雰囲気に包まれる12月24日に幕を開ける本作は、冬の夜を飾るイルミネーションよりも儚く美しく、そして燃えるような愛に包まれていた。
タイトルにもあるように、本作は攻略対象キャラクターの一人・レオン=ドントゥール(演:細貝圭)のストーリーに沿って進んでいく。
「豪胆×俺様」というキャッチコピーがついた第4王子レオンと、次代の王を選定するために美しい心を買われ“ベル”役に選ばれた庶民のヒロイン・エマ(演:川村海乃)。
2人の出会いから、それぞれに訪れる試練や葛藤、最後に選び取る未来までが、まるで1冊の美しい“本”のようにつづられていったのが印象的だ。
原作ゲームをプレイしている“ベル”なら、この1冊の“本”を仕上げるために、どのシーンがどんなふうに繋げられているのか、きっとピンと来ることだろう。
同時に、舞台ならではの仕掛けとでも言うべき要素も随所に散りばめられているので、原作を知っている、いないにかかわらず、新鮮な気持ちで楽しむことができるはずだ。
「最近キュンとしていない……」「現実離れしたシチュエーションにときめきたい」
そんな人ほど、心の準備をして観劇に挑んでほしい。予想以上の切ない展開と2人の愛の尊さに、胸が締め付けられること必至だ。
現在、原作ゲームで攻略可能となっている王子は5人いる。レオンに限らず、どの王子も抱えている闇は深く暗い。そして愛に怯え愛に飢えている。それはまるで野獣が獲物にありつけず、腹を空かせているようだ。
そんな“野獣”は、果たして真実の愛を目の前にしたとき、どんな表情でその感情と向き合うのか。レオンとエマの物語を通して肌に伝わってくる、ひりつくような甘いだけではない“愛の痛み”を受け取ってみてほしい。
絶妙なキャスティングが光る、全キャラレポート
▲レオン率いる内政派
▲シュヴァリエ率いる外政派
ロードライト王国は、レオン率いる内政派とシュヴァリエ(演:八神蓮)率いる外政派に分かれている。国を守りたいという思いは同じだが、異なる手段と信念を抱える両陣営の対比も見どころだ。
原作はベル視点で物語が進行するため、ベルのいないところで王子たちが政務や雑談に勤しむ姿はなかなか見られない。それらが目の前で繰り広げられる様は、やはり舞台の醍醐味だ。
彼らは普段どんな関係性を築いているのか、どんな会話をしているのか。ベルの見えないところで、どんな表情を普段は浮かべているのか。本作を通じて、各キャラクターたちの新たな魅力の扉を開くことになるだろう。
▲別陣営に属する双子のリヒト(右)とノクト(左)
さて、ここからは各キャラの見どころをレポートしていきたい。
まずは主演・レオンを演じる細貝圭。取材の際に「冗談かと思った」とこぼしたほど、自身でも意外なキャスティングだったというレオン役。
イケメンな王子役という設定に照れているような表情も見て取れたが、ステージ上には広い大地のようなおおらかさと大胆さを兼ね備えた、まさに“豪胆”な王子の姿があった。
エマとの掛け合いはもちろんだが、もう一方の派閥を率いるシュヴァリエ役・八神蓮との競演にもぜひ注目してほしい。2.5次元舞台というジャンルを第一線で支えてきたベテラン2人による、余裕と緊張感の入り混じった絶妙な役作りはさすがの一言。
キャラクターの表面的な部分にとどまらず、人としてのあり方という一歩深いところに踏み込み表現されたそれぞれのキャラクターは、これぞ“2.5次元”といったところだ。
実に“2.5次元”的という意味では、原作ゲームに声優として出演しているリヒト役の大海将一郎、リオ役の峯田大夢、ルーク役の吉高志音による“RPP(リアル・プリンス・プロジェクト)”の3人の完成度の高さは別格。
原作と同じ声が聴こえてくる上に舞台化以前からキャラクターに扮しているとあって、ビジュアルの安定感は抜群。そして何より、原作キャストとして「イケプリ」への愛は人一倍大きいのだろう。
剣の腕が最も立つと言われるリヒトの戦闘での猛々しさ、庶民出身としてエマに親身に接するルーク、書店でも宮廷でも変わらぬ大きな愛を貫くリオ。
それぞれのキャラクターをきっと誰よりも理解しているであろう3人が演じるリヒト、ルーク、リオは、原作をプレイしているなら観ておかないともったいない。そう思わせてくれる芝居が待っているので、舞台の世界に飛び込む勇気がないという原作ファンも、彼らをきっかけに一歩足を踏み入れてみてはどうだろうか。
▲口数の少ない人間嫌いなリヒトの殺陣での変貌ぶりも注目だ
8人の王子の個性を彩るように、実にバラエティに富んだキャスティングになっている本作。細貝や八神のようなベテラン勢がいる一方で、イヴ役のこんどうようぢ、ノクト役のDAOといった顔ぶれが、作品にフレッシュさを与えていた。
可憐さと華があるイヴ、ひょうひょうとした色香漂うノクト。どちらも雰囲気のあるキャラクターに仕上がっており、観劇後はそれぞれのルートをプレイし直したくなるかもしれない。
さらにクラヴィス役の安井一真、ジン役の小沼将太、サリエル役の友常勇気といった、2.5次元作品経験豊富な顔ぶれが加わる。
クラヴィスの真意の読めない不敵な笑みに心掴まれたかと思えば、ジンの“イケナイお兄さん”感漂う危険な色気にあてられる。それぞれ違ったスタンスで盟主を支える、2人の“右腕”っぷりにも注目してほしい。
一方で、サリエルは友常の普段の陽気さを封印した鋭い視線に射抜かれつつも、リオと一緒にちょっとしたコミカルな部分も担当しており、まさに変幻自在。王子ではないという役を活かした立ち位置がストーリーのアクセントとなっていた。
▲サリエルがムチを手にする姿も……
舞台上のあちこちを観たくなるが、観る度に王子たちのキュンとする仕草に心臓を持っていかれるので、うっかり変な声が漏れてしまわないよう注意が必要だ。
レオン軍の騎士・ユリウス役を演じるのは田中晃平。ユリウスはレオンのストーリーを語る上で欠かせないキーパーソンとなる。カギを握る人物らしい、重みのある芝居やわずかな表情の変化に注目してほしい。
そして最後に紹介するのが、エマ役の川村海乃だ。ビジュアル解禁時に、エマのあまりの可憐さにドキッとした原作ファンも多いのではないだろうか。
媚びのない凛とした視線は、まさに“ベル”。普通の女の子らしい弱さを持ちながらも、ベルとしてしっかり足を地につけて立っていこうとする姿に、感情移入できること間違いなしだ。
彼女がベルらしくあるほど、レオンとの愛の物語もより真実味を増していくように思う。最後に彼女はどんな結末を選び取るのか。ゲームのように選択肢はタップできないが、ラストシーンのその瞬間まで、2人の愛を見守ってみてほしい。
プレゼントのような特別なひとときを…
骨太な芝居に加え、歌、ダンス、殺陣とエンタメの要素がぎゅっと詰まった構成はまるで、クリスマスプレゼントとお年玉を一度にもらったような気分にさせてくれる。
どんなプレゼントが待っているのか、ワクワクしながら劇場に向かってほしい。一部の公演は配信も予定されているので、劇場に足を運べないファンはぜひ、画面越しにロードライト王国に出向いてみてはどうだろうか。
本作で2020年の観劇納めをするというファンも多いと思う。大変なことが多い1年ではあったが、本作で改めて“エンタメの力”を体感し、“舞台の力”を感じられるはずだ。そして何より、“イケメン”たちの競演に心潤う時間となることだろう。
オンライン生配信概要
■「イケメン王子 THE STAGE」配信視聴チケット受付
http://ikemenbeast-stage-lv.mixch.tv
【配信日程】
12月26日(土)16:30開演
12月27日(日)12:00開演
12月27日(日)16:30開演
■ライブ配信プラットフォーム「ミクチャ」
アプリダウンロードURL:https://app.adjust.com/s0tngub
公式サイト:https://mixch.tv
広告
広告