2.5次元ダンスライブ「ALIVESTAGE」 Episode 3「SCHOOL REVOLUTION Hello 神さま 僕はここにいる!」が2020年10月29日(木)に幕を開けた。
「イブステ」としては約1年ぶりのステージとあって、この日を待ちに待ったファンは多いことだろう。しかも今作の演目は、かつて「ツキステ。」でも上演された学校を舞台とした「スクレボ」である。
初日に先立ち行われたゲネプロのうち、2.5ジゲン!!ではGrowthが中心となるVer.GREEN公演の様子をレポート。「スクレボ」らしい「青春全開!」な笑いあり涙あり、そして無茶ぶりもたっぷりな物語が展開された。
記事中には日替わりネタの衣装画像も含まれている。まっさらな気持ちで観劇したいという読者は、観劇後に当記事を読んでもらいたい。
もくじ
「おかえり」の声が聴こえてきそう…GrowthとSOARAの揺るぎない日常
「イブステ」Ep1は“if”の世界がたっぷり描かれたが、本作は日常に寄り添うストーリーとして展開していく。「イブステ」Ep1は日常ものとして上演されたが、SOARAは登場しない。
つまり、本作はGrowthとSOARAがそろった初の日常系ストーリーとなるのだ。そういう意味でも、日常が変容し始めたこの時期だからこそ、観ておきたい作品といえるかもしれない。
さて、本編の話へと戻ろう。「いぶらじ」に届いたお悩み相談のお便りをきっかけに、男子校へ出向くことになるGrowthとSOARAの面々。
▲いぶらじ中にもガチンコなジャンケン勝負が繰り広げられていた
どこかに“すってんころりん”しないストーリーであっても、フットワーク軽くいつもと違ったフィールドに出向いていく、いい意味での“気軽さ”を味わっていると「ああ、やっとイブステの世界に帰ってきた」とやけに懐かしい気持ちでいっぱいになった。
舞台を学校に移してからは、オリジナルキャラクターたちと合流。熱血な体育教師、我関せずな教育実習生、そして個性豊かな生徒たちが9人を迎える。
中盤までは「スクレボ」らしい自由さを存分に楽しもう。「思いっきり青春してみる」をキーワードに、両グループのメンバーは生徒に混ざり青春を謳歌していく。
▲青春には欠かせないスポーツに汗を流すシーンも!? ZIXの須貝誠(演:五十嵐拓人)も参戦
途中には「イブステ」に欠かせないZIXの2人も登場。今作のZIXはこれまで以上にコミカルな姿を披露してくれたので、ファンは期待していてほしい。セクシーでクールなだけではない、彼らの新たな魅力を見つけることができるはずだ。
これまで以上に彼らの賑やかな日常を味わえる本作は、その賑やかさに比例するように彼らへの無茶ぶりも多い。「ツキステ。」の「スクレボ」を観た人ならピンとくるかもしれないが、本作にもアレが登場する。
そのアレとは……「特別授業」だ。ゲネプロでは即興劇対決が開催され、意外な組み合わせでのエチュードを披露。予期せぬ笑いが次々と生まれていたが、本番ではどんな化学反応が起こるのか楽しみだ。
▲ゲネプロではこんな組み合わせの即興劇も……
そしてゲネプロの日替わりではGrowthが登場。いつものように探しものをしている藤村衛(演:岩佐祐樹)の前に現れたのは、桜庭涼太 (演:三谷怜央)とおなじみの“あの箱”。
さらにドラマー・剣八や剣タウロスとはまた違った強烈なキャラが登場し、ステージ上を“混沌の渦”へと巻き込んでいった。ゲネプロではまだ不完全燃焼といった様子も観られたので、きっと千秋楽までにさらなる進化を遂げることだろう。
▲濃い日替わりキャラを担当するのは毎回、八重樫剣介(演:石川翔)だ
笑いと妄想と、ほんの少しのほろ苦さがパレットの上で混ざり合う
ここまで紹介してきたように、本作は「スクレボ」らしく青春が詰まった内容になっている。事務所の同期でありながら、それぞれ全く違う高校生活を送ってきたGrowthとSOARAが、同じ学校で同級生として過ごしていたら……。9人が制服姿で並ぶ姿は、そんな妄想にひとつの答えを与えてくれることだろう。
▲制服姿の9人が並ぶと圧巻。座り方に出る性格も見ものだ
しかし、賑やかなまま終わらないのが「イブステ」だ。過去2作品でも丁寧に描かれてきた“心と心の触れ合い”が、本作でも青春というキーワードと共に描かれていく。前半は笑いをこらえるために握っていたハンカチを、後半では違う意味で握ることになるかもしれない。
舞台が学校であれ、異世界であれ、音と言葉で想いを紡いできたGrowthとSOARAは、その木漏れ日のような存在感で周りの人たちを明るく照らすのだ。
Ep3のみでももちろん楽しめる作品だが、「イブステ」Ep1から改めて振り返ってみると、これまで醸成されてきた“イブステらしさ”の輪郭がはっきりしてくるように思う。
▲こちらは本作では貴重なGrowthの私服姿
本作の観劇前後に、ぜひ過去の「イブステ」を見返してみてほしい。作品毎に確かに育まれてきた彼らのリアルな絆を感じられることだろう。
ソロショット&見どころを解説【1】Growth
さてここからは2幕の写真も含めて、キャストのソロショットを紹介していこう。
GrowthやSOARA、ZIXのメンバーはもちろん、存在感あるオリジナルキャラたちも紹介する。学校の主役は学生だと実感する、オリキャラの見せ場も数多く用意されていたので、アイドルな11人だけでなく、ぜひ彼らにも注目してみてほしい。
まずはGrowthから。今回のゲネプロがVer.GREEN公演だったため、2幕のライブパートではデュエット曲でのダンスも披露していた。
▲衛藤昂輝(演:塩澤英真)の制服姿にはかわいい“尻尾”が……
▲音楽のスイッチがONになると顔つきが変わる藤村衛(演:岩佐祐樹)。違和感が仕事をしない制服姿も必見
▲お当番の桜庭涼太(演:三谷怜央)。本音を綺麗に隠せてしまえる彼は「スクレボ」を通して何を感じるのか
▲今作のセトリは八重樫剣介(演:石川翔)の格好良さを見事に引き出している
今作のGrowthに感じたキーワードは“自然体”だ。過去2作品では「Growthはこういう関係性のグループですよ」としっかりと提示されていた印象があるのだが、今作はとてもいい意味でそのままのGrowthなのだ。
出会いから始まりいくつもの時間を重ね、その末に今、アイドル・Growthとしてそこに在る。わざわざ口にしないけれど、空気の中でお互いが心通わせている。そんな4人の姿が印象的だった。
▲デュエット曲でのダンスも披露。どちらのダンスも妖艶で、観るのをやめるわけにはいかないものの視線の置き場所に困ってしまう
ソロショット&見どころを解説【2】SOARA
▲まるで王様のように神楽坂宗司(演:吉田知央)が君臨する理由は劇場で確認を
青春といえばSOARA。SOARAといえば青春。青春真っ最中の高校生活から生まれた彼らは、ツキノ芸能プロダクション一「青春」という言葉が似合うグループだろう。
学校という景色に彼らはとにかく馴染むのだ。今にも1枚目のドラマCDが聴こえてきそうな雰囲気は、この「スクレボ」ならではだろう。
▲幼い雰囲気漂う大原空(演:堀田竜成)はとにかく学校が似合う
▲在原守人でありながらも、即興劇ではちらりと“石渡真修節”も。そのさじ加減はさすがのひと言
▲前作の袖なし衣装も最高だったが、袖があっても揺るがない神楽坂宗司(演:吉田知央)の男らしさ
▲控えめだが凛とした格好良さと儚さと美しさを持つ宗像廉(演:植田慎一郎)
▲ピュア度100%の七瀬望(演:渡邉響)も空同様に学校が似合う
SOARAは唯一、2.5次元ダンスライブステージで演奏をするグループだ。楽器の音を重ねてきた彼らだからこそ出せる一体感は、芝居の端々にも感じることができるだろう。
Ver.BLUE公演ではライブパートのセットリストもSOARA中心となるので、気になるファンはぜひVer.BLUE公演もチェックを!
ソロショット&見どころを解説【3】ZIX&オリジナルキャラ
観る度に「ZIXにもっと活躍の場を!」と心の中で叫んでしまうのだが、筆者と同じ気持ちのファンも多いのではないだろうか。そんなZIXファンはここで彼らの写真を堪能していってほしい。
▲須貝誠(演:五十嵐拓人)がすごく楽しそうでなぜかこちらまで嬉しくなってしまう
▲菱田満(演:山根理輝)と涼太のバトルを観ないとイブステが始まらない
ここからは学校関係者を紹介していこう。まずは教師の堺秀夫(演:石川竜太郎)と、教育実習生の浅田遠矢(演:今井俊斗)。学園モノにとって味のある教師は必要不可欠だと再認識させてくれる存在感を発揮していた。
もうひとり、キーパーソンとなっていたのが、ある事情を抱えた生徒・小森達也(演:桜木大河)だ。
▲次なる望? というくらい元気な小森達也(演:桜木大河)
今作に限ったことではないが、熱い想いを秘めたオリキャラが登場すると作品全体の温度が一気に上がる。特に堺先生と小森は本作における着火剤のような役割を担っていたように感じた。
他には3人の生徒が登場する。イマドキな男子高校生・本間悠斗(演:露口祐斗)と、アダム・ウィーブル(演:アブラヒム・ハンナ)とジャクソン・クルーズ(演:澤田ジャスティン)の仲良し二人組だ。ときに芸人並みの面白さを発揮する彼らの活躍にもぜひ注目してもらいたい。
▲こういう男子いそう、を体現したオリキャラ・本間悠斗(演:露口祐斗)
▲漫才を披露するふたり。左からジャクソン・クルーズ(演:澤田ジャスティン)、アダム・ウィーブル(演:アブラヒム・ハンナ)
3作を通じて確立された“イブステらしさ”の輪郭
出会いを描いたEp1、初めてのifを描いたEp2。2つの“はじめて”のストーリーの後に描かれる「スクレボ」は、まるで作品全体を通して「僕たちはいつも変わらずここにいる」と伝えてくれているようだった。
新型コロナウイルスの影響を受け、本作も上演延期を余儀なくされた作品のひとつだ。そんな作品が描き出すGrowthとSOARAの日常は、偶然のタイミングとはいえ、観る者に「とにかくどんな日々も前を向いて過ごそうよ」というシンプルでいて力強いメッセージを発信しているように思えた。
もちろん観劇する際はそんなことを考える必要はない。頭を空っぽにして、彼らと過ごす青春を思い切り吸い込んでみよう。そして体感30秒のライブパートを浴びよう。観終わったとき、心の中が「好き」で満たされる感覚が、身体を軽くしてくれるはずだ。
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