「戦ステ」の愛称でファンに親しまれている舞台シリーズの最新作「イケメン戦国THE STAGE~明智光秀編~」が9月4日(金)に初日を迎えた。
この記事では、初回公演に先立ち実施されたゲネプロ及び囲み会見の様子をお届けする。東京・EX THEATER ROPPONGIに現れた戦国の世…。そこには明智光秀をはじめとする戦国武将たちが繰り広げる愛と情熱の戦国絵巻が浮かび上がった。
記事の中盤には全キャラクターのソロショットもあるので、推しの姿を堪能してもらえればと思う。
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「戦ステ」シリーズの歴史は新たなステージへ、光秀と舞の愛描くとびきり濃い2時間15分
“新しい「戦ステ」”――それがゲネプロ観劇後に真っ先に浮かんだ言葉だ。それほどまでに本作は、過去作に比べてもさらに“糖度”高めに仕上がっている。
華やかな戦国武将たちの中での戦国ライフ、その中で育まれていく明智光秀(演:橋本全一)と舞(演:斉藤瑞季)の想いがどこまでも繊細に、丁寧に描かれていたのが印象的だ。
▲光秀(演:橋本全一)が舞(演:斉藤瑞季)の目を覗き込む時の身長差がなんとも言えない
▲ヒロイン視点で観劇すると思わず心の悲鳴をあげてしまうシーンが次々と登場する
その機微を見事に表現していたのが光秀の瞳だろう。彼の瞳の奥に宿る「真の想い」と、それを覆い隠す「嘘の想い」。物語が進む中で、その色合いが嘘から真へとゆっくりと移ろい行く様子は、まるで夕焼け空のグラデーションのようだ。そしていつしか観客は、彼の目に灯る真の想いに、舞と同じく心奪われていることだろう。
ゲネプロでは2ルートあるうちの<情熱ルート>が上演された。原作の同ルートでも味わえるスリルと、光秀の大人な魅力が存分に詰まった内容だ。さらに本作には<幸福ルート>も用意されているが、こちらは果たしてどういった形で舞台化されるのか。ぜひその目で確かめてもらいたい。
光秀といえば殺陣では見事な銃捌きが光るキャラクターだが、今作では刀での殺陣も登場する。長身な彼が銃をぶっ放ち、小首をクイッと曲げて銃を担ぐ姿も最高に格好いいが、刀での立ち回りも抜群に映える。
主人公とあって、彼の魅力が際立つ殺陣も多数用意されているので、光秀ファンはぜひ心して観劇に臨んでほしい。
▲舞に向ける視線と敵に向ける視線、そのギャップにしびれてしまう
▲刀での殺陣も銃とはまた違った色気と男らしさが詰まっていた
▲うっかり化かされてもいいと思ってしまう妖艶なお狐様姿も登場
日替わりシーンに初登場キャラも。本作の見どころ&ソロショット
シリーズ6作目となる本作には、その存在に安心感すら覚える織田信長(演:小笠原 健)をはじめとする、いつものキャラクターたちも勢揃いしている。
中でも光秀と同じく信長を支える豊臣秀吉(演:滝川広大)、舞と同じく帰る場所を失う今川義元(演:竹石悟朗)。この2人はそれぞれ光秀や舞との対比の中で、その胸の内が垣間見えるキャラクターとして描かれていた。
光秀の恋の結末を追いかけつつも、彼らの胸中について思いを馳せてみるのもおすすめだ。
ここからは光秀以外のキャラクターをソロショットで紹介していこう。
▲シリーズ大黒柱の織田信長(演:小笠原 健)の“圧”は健在
▲今作でも熱血っぷりが冴えわたる豊臣秀吉(演:滝川広大)
▲石田三成(演:天野眞隆)は日替わりシーンでのかわいい姿に要注目
▲抜群の安定感で織田軍を支える伊達政宗(演:米原幸佑)
▲徳川家康を演じるのは今回初参加となる佐藤信長
▲今作はやや暴れ足りず力を持て余している様子が麗しい上杉謙信(演:橘 龍丸)
▲武田信玄(演:横山真史)の包容力ある笑顔をお見逃しなく
▲今作は苦悩や葛藤の多い今川義元。竹石悟朗の熱演が光り、場に臨場感を与えている
▲おちゃめな笑顔に思わずキュンとしてしまう真田幸村(演:荒 一陽)
▲舞にとってのキーパーソンとして今作もコミカルかつシリアスに活躍する猿飛佐助(演:早乙女じょうじ)
▲美しすぎる将軍・足利義昭(演:土井一海)の怪演に注目してほしい
▲久しぶりの登場となった毛利元就(演:原嶋元久)
▲帰蝶(演:秋沢健太朗)の怪しげな笑顔に視線を奪われる
▲舞と森 蘭丸(演:星元裕月)が手を取り合うシーンはかわいいの宝庫
▲顕如(演:中村誠治郎)の殺陣は今作も圧巻のクオリティーだ
クスッと笑える日替わりシーンでは、織田軍と猿飛佐助(演:早乙女じょうじ)が奮闘。ホーム感あふれる「戦ステ」カンパニーならではの日替わりシーンもお楽しみに。
▲光秀のあのおキツネ食堂が……
今作が初登場となったのは足利義昭(演:土井一海)だ。信長とはもちろん、顕如(演:中村誠治郎)や義元とも縁のあるキャラクターとして、見事に物語を厄介な方へとかき回していく。鬼気迫る土井の怪演も、本作の見どころのひとつといえるだろう。
本作は6作目にして初めてヒロイン・舞役が変わり、演出・脚本も「戦ステ」初参加となる伊勢直弘が手掛けている。「戦ステ」に吹き込んだ新たな風を、劇場や配信で感じ取ってみてはどうだろうか。
囲み会見レポート
ここからはゲネプロ前に行われた囲み取材の様子を紹介。
明智光秀役の橋本全一や水崎 舞役の斉藤瑞季をはじめとした7名が登壇した。最初の自己紹介では織田信長役の小笠原 健がうっかり信長のキャッチコピーを言い間違えてしまい、各方面からツッコミが入るという賑やかな会見となった。
――いよいよシリーズ6作目にしてシリーズ最大の劇場での開催、さらにご自身初の主演となります。今回はコロナ渦の中での準備など大変な部分もあったかと思いますが、初日を迎えての心境はいかがですか。
橋本全一(明智光秀役):ここにこうやって、6作目にして真ん中に立たせてもらって、この座組で初主演を踏めるというのが本当に喜びだし幸せだと感じています。
(シリーズ中で)1番大きな劇場ですけど、こういった状況の中でお客さんが半分になってしまうのは残念ではありますが、僕たちがやることは変わらないので全力でお客様にお届けしようと思っていますので、最後まで応援よろしくお願いいたします。
――歴代座長の皆さんから橋本さんへのアドバイスがあればお願いします。
小笠原 健(織田信⾧役):マチソワが続きスケジュール的にタイトな公演ではありますので、しっかり休んで疲れをとって、舞ちゃんとの恋を毎日新鮮に楽しんでいただいて。ここまで育ててきたコンテンツですので、初主演を楽しみながら暴れていただけたら思います。僕らも全力でサポートします!
橘 龍丸(上杉謙信役 ):健さんの言っている通りで、ルートで全然違う雰囲気で、今回もまた今までと違うので、全さんの産みの苦しみや、ヒロインがバトンタッチになった舞ちゃんも大変なところがあると思いますが、きっと素敵な恋が生まれると思いますので、頑張ってください。
中村誠治郎(顕如役):全ちゃんらしく楽しんでいただければと思います。僕らもサポートしていくので。あとせっかくラブシーンがあるので楽しんで。僕はなかったのでいいな~と思っています(笑)。
――早乙女さんや竹石さんはレギュラーでシリーズを支えてくださっていますが、今作はいかがですか。
早乙女じょうじ(猿飛佐助役):佐助は佐助らしく楽しんで、この座組のおもしろポイントを作って盛り上げられたら、それが全ちゃんの支えになるんじゃないかと思うので、本番は頑張りたいと思います。
竹石悟朗(今川義元役):恋愛シミュレーションゲームが原作なので、当たり前といえば当たり前なんですけど、今まで以上に舞と座長の恋愛要素が多くて。そうすると2人の会話も多くなって、「イケメン戦国 THE STAGE」らしい熱量を届けるのが難しいなと。
みんなで稽古場でも(演出・脚本の)伊勢さんと相談しながら、エネルギーを届けられるように試行錯誤してやってきたので、こういう状況だからこそ、今まで以上のエネルギーをお客様に、さらに配信で見ている方にも届けられたらなと思って稽古してきました。
――舞に感情移入するファンの方も多いと思いますが、演じるうえでのポイントがあれば教えてください。
斉藤瑞季(水崎 舞役):舞はもともと持っている性格が真っ直ぐで芯のある女性なので、そういった部分を大切にしながら、いじわるな明智光秀に振り回されながら、どうやって舞が成長していくのか、光秀さんに心を開いていくのかっていうのを丁寧に演じていきたいと思います。
――対して橋本さんいかがですか。
橋本:(元気よく)頑張ります!
一同:(笑)
――最後に座長の橋本さんから作品を楽しみにしている皆さんにメッセージをお願いします。
橋本:こういった状況の中でここに立たせていただけて、ご来場いただける方も配信の方もキャスト・スタッフも全員が楽しめる素敵な作品になるよう全力を注ぎますので、最後までどうぞ応援のほどよろしくおねがいいたします。
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「イケメン戦国 THE STAGE~明智光秀編~」は9月4日(金)から9月9日(水)までEX THEATER ROPPONGIで上演。各ルートの千秋楽は配信プラットフォーム「uP!!!」で配信が予定されている。劇場または配信で、光秀と舞がたどる甘い恋物語を堪能してみてはどうだろうか。
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