舞台「イケメン源氏伝 あやかし恋えにし ~義経ノ章~」が2020年2月14日(金)に初日を迎えた。初日公演に先立ちおこなわれたゲネプロの様子を、写真とともに紹介していこう。
これぞ「イケメンシリーズ」。シリーズの醍醐味つまった美しい恋の契りの物語
サイバードの人気ゲームシリーズ「イケメンシリーズ」のタイトルがまたひとつ、次元の壁を飛び越えた。
血のつながり・政治勢力・人と人ではない存在……多様な縁が複雑に絡み合い、そのしがらみのなかで浮かび上がる恋のえにし。それはまるで、絡み合う糸の束から赤い糸をたぐりよせるような、儚く繊細な恋の物語であった。
今作においてヒロインは守られる存在ではない。手に入れた力ゆえ、戦力として数えられ、修行もおこない、戦地へ赴く。自分の力で運命の糸を引き寄せようとする力強さは、現代に生きる観客たちにもどこか共感できるところがあるだろう。このヒロインの魅力もまた、イケシリ舞台には欠かせないものである。
▲狐を助けたつもりが……玉藻(演:谷 佳樹)と由乃(演:小槙まこ)
ヒロイン・由乃(演:小槙まこ)はもちろんだが、本作の醍醐味はやはりイケメンたちである。
原作ビジュアルの立ち絵から抜け出てきたような再現度の高さは、シリーズ他作品にもまったく引けを取らない。全キャラクターのキャッチコピーの前にいちいち“美麗な”とつけてまわりたいほど、ステージ上どこを観てもイケメンの洪水である。
これは「イケメンシリーズ」なのだと、並び立つキャラクターたちの美しさに、観劇しながら改めて“イケシリ”の4文字を噛みしめたほどだ。
今回はタイトルにもあるように、源義経ルートが描かれる。
▲本作の主人公・源義経(演:矢部昌暉 DISH// )。彼の胸の内にあるものとは……
義経(演:矢部昌暉 DISH// )を語るうえで欠かせない頼朝(演:伊阪達也)との血のえにし。さらに、この世界における勢力図や人外の力。そういったものとの関わりのなかで培われてきた義経の半生とこれから先の生き様を、息つく暇なく楽しめる内容となっていた。
時の流れとともに次第に色づいていく彼の心のうち。それを感じながら、彼の表情の変化を追っていくのもいいだろう。舞台だからこその義経を発見できるかもしれない。
すでに義経の魅力にどっぷりと浸かっているファンも、今作でさらに深みへと引き摺り込まれるはず。あまりに格好いいシーンが絶えず畳みかけてくるので、せめて呼吸だけは忘れずに彼の姿をしっかり目に焼き付けてほしい。
▲原作ゲームを彷彿とさせる甘いシーンももちろんふんだんに登場する。糖度の高さにあなたのハートは保つだろうか……
キャラクターの個性際立たせる熱演が見事。キャラクター見どころ&ソロショット
さて、ここからは陣営ごとに各キャラクターのソロショットを交えて見どころを紹介していこう。
まずは義経軍。
ミステリアスで多くは語らない義経の両脇で、武蔵坊弁慶(演:松川大祐)と那須与一(演:荒 一陽)がにぎやかに彼の世話を焼こうとしたり、人知れず心配したりしている姿はなんとも微笑ましい。すべてを言葉には出さないものの、義経を見つめる眼差しに込められた敬意や慈愛の念に注目してみてほしい。
▲イケシリレギュラーキャストともいえる荒 一陽演じる那須与一。今作では弓使いに。
▲義経に忠義を尽くす武蔵坊弁慶(演:松川大祐)の重い愛(!?)にも注目
▲那須与一の、とある想いも明らかに……
義経と契りを交わし、彼を付かず離れずの距離感で見守るのは烏天狗の鞍馬(演:橋本全一)だ。肩や胸など、意外と肌が見える衣装に思わずドキッとしてしまうが、彼の放つ人外のオーラは迫力満点である。
▲鞍馬(演:橋本全一)の人外の存在感たるや。衣装にも思わず目が奪われてしまう
次は征夷大将軍・頼朝率いる軍をみていこう。
▲征夷大将軍・頼朝(演:伊阪達也)。陽のオーラをまとったカリスマ性が魅力的
まずは参謀としてインテリ眼鏡をキラリと光らせている梶原景時(演:宮城紘大)。クールな彼とはまた違った可愛らしい一面もお見逃しなく。
▲梶原景時(演:宮城紘大)の甘味に対する本気度がかわいい
みんなのまとめ役なお兄さん・安達盛長(演:瑛 あきら)は、仲間内で話しているときの温和な雰囲気と豪快な殺陣のギャップが魅力。柔らかな笑みからの相手を射抜く冷笑への変化は鳥肌モノだ。
▲瑛(あきら)らしい柔らかな空気感が生かされている安達盛長
そして貴公子のような儚い見た目とは裏腹に毒舌ツンデレキャラの平重衡(演:東 将司)。お兄さんたちに囲まれてからかわれ、プイッと外を向いてしまう姿がなんとも可愛らしい。
▲こちらはクールビューティーな瞬間の平重衡(演:東 将司)。劇中に登場する可愛らしいツンの姿もお楽しみに。
由乃との契りをきっかけに頼朝サイドに身を寄せるのは、九尾の狐の玉藻(演:谷 佳樹)だ。自由奔放で人たらしの雰囲気を持つ彼を、谷が妖艶な笑みで軽やかに演じている。
▲玉藻(演:谷 佳樹)がとにかく楽しそうでニコニコしてしまう。
頼朝の周りでみんなでわいわいとしているシーンも多く、イケメン武将の競演に目が足りなくなること必至である。
▲格好良さとかわいいのバランスが絶妙な頼朝軍
その輪からは一歩離れ、我が道を行くのが天才陰陽師の安倍泰親(演:石渡真修)。天賦の才を秘めたカリスマ的なオーラを放ちつつも、腹の中は読ませてくれない。本作随一のミステリアスな役どころを石渡が好演している。
▲陰陽師という難しい役どころを好演。安倍泰親(演:石渡真修)の笑みの真相とは……
曲げられぬ信念と、貫きたい想い……苦悩の末につかみとる“えにし”とは
それぞれの果たしたい思いや、新しく生まれる想い、目指したい道が、戦いのなかで複雑に交差していく。命のやりとりのなかで、義経と由乃はどんな恋のえにしを結ぶのか。その結末をぜひ劇場で味わってほしい。
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