「舞台とアプリゲームの連動」という、新しい企画が始まっていることをご存知だろうか。
2020年1月29日から2月2日までIMAホールで上演される舞台『SHINOBI NOW!!』は、舞台の新しい可能性を切り開く作品になるかもしれない。
現代の忍者養成学校を舞台にした本作は、「ANFiNY」のリーダー・SHOYAと歌やダンス、芝居と幅広く活躍するエンターテイメント集団「VOYZ BOY」の小松ゆうが主演として起用された。
その他4月にメジャーデビューを控えたダンスボーカルユニット「BUZZ-ER.」のメインボーカルSHUNなど、初々しさを感じる彼らを経験豊富な役者たちが支えている。
様々な分野で活躍しているメンバーが揃った座組だからこそ、舞台の演出にも期待が高まる。
キャスティングが話題となった今作品だが、筆者はやはり「舞台とアプリゲームの連動」という点にも注目したい。
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— 『SHINOBI NOW!!』公式 (@NOW_SHINOBI) January 29, 2020
今作品は、俳優たちが舞台上の役柄そのままに、ゲームの世界でキャラクターのボイスを担当するのだ。ゲーム内では舞台の後日談やサイドストーリー、更にifストーリーも追体験することができるのだという。
舞台が面白かった! だけで終わらず、その後も楽しみが続くというのは、ファンにとってありがたい仕様ではないだろうか。
今回は、1月29日に行われたゲネプロの内容をお届けする。
※本公演のネタバレも一部含むため、まっさらな気持ちで舞台に臨みたいという方は、観劇後に読むことをおすすめする。
平和な日常が一転 時空を越えた策略とは?
堀部香也(演:SHOYA)は、君主の水戸光(演:小松ゆう)や同じく忍の楯岡熊乃助(演:柏木佑介)、鉢矢叉吏(演:竹田亮)たちと日々を過ごしていた。
現代の忍を養成する学校『忍ノ学園』に通う香也たちは修行や任務に勤しんではいるが、彼らが過ごす日々は平和そのもの。
「今任務中! SHINOBI NOW!!」という現代っ子の雰囲気が漂う台詞からも伝わってくるように、血生臭い戦いとは無縁である。
▲正反対の性格の香也と熊乃助は、よくケンカをしている
しかし、平和な日常は一通の招待状をきっかけに一転する。
▲東京行きに反対する熊乃助だが、他は全員乗り気
招待状の差出人は、『忍ノ学園 東京校』。この世のために協力をしたいという提案に乗り、はるばる東京までやってくる香也たち。
東京に着くなり突然謎の奇襲を受けるが、無事に東京校に到着することができた。
任務のあいうえお作文(お題:「こんな忍は嫌だ!」)などに挑戦し、しばし和やかな空気が流れる。
▲お土産を持参する水戸校
▲何やら不穏な空気…?
しかし、その提案は、実は将軍の光を亡き者にしようとする風魔衆真田隊の罠だった。
隊長の真田義幸(演:安東秀大郎)、出浦豪(演:坂垣怜次)、横谷星宙(演:松本ひなた)ら風魔衆真田隊の策にかかってしまった香也たちだが、そこに伊賀愚連隊も参戦。
▲伊賀愚連隊の隊長、藤林蓮司 クールなリーダー(演:岩佐祐樹)
▲伊賀愚連隊の鵜飼笑悟 風魔衆憎し! が生きる原動力(演:SHUN)
▲伊賀愚連隊の柘植灯希 人なつっこい笑顔がかわいい(演:小俣一生)
さまざまな思惑が絡み合う、三つ巴の戦いが始まる。
▲圧倒的な力の差の前に倒れる香也
▲自分を守ろうとする主君光の姿に、香也は何を思うのか…
三つの陣営の戦いが続くかと思われたが、突如登場した幻魔忍軍に全員追われることになってしまう。
命からがら逃げだした面々は、共通の敵のために協力をすることに……。
それぞれの戦いが始まる 香也が戦う意味とは?
星宙の能力により、敵の正体は服部半蔵正成(演:江本光輝)南光坊天海(演:緑川睦)たちと判明。
すでに死んでしまっているはずの者たちに、全員驚きを隠すことができない。しかも香也は、服部半蔵の血を引いているのだ。
自分の先祖と戦うことにショックを受ける香也だったが、光を守りたいという気持ちから再び立ち上がる。
▲服部半蔵の強大な力を前にして、初めて本気で修行に取り組む香也
強くなりたいという願いは、光も同じだった。守られるだけではなく、香也たちを守れるようになりたいと新月の夜に語る香也。
▲友達でもある二人の絆がよくわかる
忍を使い捨ての駒にするのではなく、大切な存在として接する光の姿が、周囲の心を動かしていく。
来る幻魔忍軍との戦いに備え、それぞれの役目を果たす忍たち。
戦いを経て、時空を越えた謀略の数々が明らかになっていく。
死んだはずの者たちと、今を生きる者たち。彼らが戦う理由がひとつひとつ紐解かれていく瞬間には、胸が熱くなるものがある。
▲光に隠された謎とは…?
なぜ、光が狙われるのか? 死んだはずの者たちが、今も生きて戦い続ける理由とは? 最後に、香也が忍として選んだ道とは――……?
▲光の手を取る香也 物語はクライマックスへ
物語の結末は重大なネタバレになってしまうため伏せるが、あっと驚く展開になっているということだけ伝えさせて欲しい。
手に汗握る戦闘シーン、王道を裏切ってくれるストーリーも魅力的!
舞台は、多くの戦闘シーンを軸に展開されていく。
今作では、舞台初挑戦のキャストも多い。経験豊富なキャスト陣が座組を引っ張り、場を引き締めてくれる殺陣はそれぞれの個性が出ており迫力がある。
舞台上で数個の戦闘が同時に繰り広げられることもあり、目が足りなくなってしまうほどだった。
いくつもの戦闘を経て、敵同士だった者たちが手を取り協力する姿は、少年漫画のようなわくわく感がある。仲間と衝突しながらもラスボスに立ち向かっていくというストーリーは、いわゆる王道の展開だろう。
しかしこの『SHINOBI NOW!!』は、そうした王道を見事に裏切ってくれた。
ネタバレのため詳しく記すことができないのが残念だが、いい意味で邪道を行くこの作品の結末を、ぜひ劇場で見届けて欲しいと思う。
余談だが、筆者は舞台後のストーリーが気になり過ぎて観劇後に早速アプリをダウンロードした。
「ごめん! 今ゲーム中! Play now!!」汎用性が高いこの台詞、しばらく使ってしまいそうだ。
キャストコメント
――観客に注目してほしい、本作の見どころを教えてください。
SHOYA(ANFiNY):殺陣のシーンが沢山あるので注目していただきたいです。僕を始め殺陣経験がない方が沢山いたので居残り練習などもしました(笑)みんなの努力を生で体感してもらえたらなと思います。
小松ゆう(VOYZ BOY):今回SHOYAは初主演、初アクションなんですが初めてとは思えないくらい堂々としていて終始目が離せません。またスピード感、迫力のある殺陣は見ていて飽きないと思います!ゲーム連動企画なのでゲームもプレイしてもらえたらありがたいです!
柏木佑介:沢山ある殺陣ももちろん見所ですが、物語が終盤に差し掛かるにつれて、成長していく、香也。初舞台とは思えない堂々した座長の姿に、刺激を貰っています。
緑川睦:今回の作品の『SHINOBI NOW!!』は、舞台だけではなくゲーム連動企画でして、舞台キャストがゲームのCVも担当するんです。キャストが両方演じますので、舞台もゲームも、いつも以上に、両方楽しんで頂けるかなと思います。また舞台にしか出来ない事もありますので、生を楽しんで頂けましたら幸せです。
――開幕に向けての意気込みをお願いします。
SHOYA(ANFiNY):初主演という事でプレッシャーはありますが、座長らしく引っ張っていこうというよりは、周りのキャストの皆さんと一緒に素敵な舞台にしていけたらいいなと思っています。
小松ゆう(VOYZ BOY):忍術や体術を組み合わせた殺陣で迫力満点なので初めて舞台を観る方でも楽しんでいただけると思うのでたくさんの方に来ていただきたいです。水戸家の将軍としてみんなを支えられる優しい将軍として最後まで走り抜けます!
柏木佑介:忍びの儚い生き様を。出せる限りの熱量を込めて、お客様へ届けます!
緑川睦:いよいよ、幕が開きました。舞台とゲームの連動企画舞台だからこその面白さ。それぞれの楽しみ方があると思います。カンパニー皆で最後まで、それぞれの役を作品を大切に、皆様にお届けさせて頂きたいと思います。ぜひぜひ劇場にてお待ちしてます。
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