百貨店を舞台にした喜劇「上にいきたくないデパート」が2019年8月21日、東京の三越劇場で開幕した。同日公開されたゲネプロの様子をレポートする。
元お笑い芸人で俳優の今野浩喜が主演を務め、ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」菅原孝支役で好演した猪野広樹、「あんさんぶるスターズ!オン・ステージ」に出演した注目株の小松準弥、「おそ松さん on STAGE」などで人気を集める和合真一、2.5次元ダンスライブ「S.Q.S(スケアステージ)」に活躍した日向野祥らが舞台を彩る。
小木曽茂(今野浩喜)は、人当たりがよく、誰からも好かれているデパートのコンシェルジュ。ある日、部長の中曽根聡(モロ師岡)に呼び出され、「君を部長に推薦しようと思っている」と告げられる。
昇進を望まない小木曽は、昇進に向けた「試験」であえて失敗しようと試みる。
そんな折、お得意様である松金綾乃(岸本鮎佳)が、デパート内のアパレル店「ランヴィーヌ」で購入した商品に不備があったと乗り込んでくる。
▲松金の担当外商、海老沢弘樹(小松準弥)の余計な一言で松金の怒りを買ってしまう
海老沢たちは、「50万円を返金しなければ一切デパートには来ない」と松金から言われてしまう。海老沢の先輩で、以前松金の担当外商だった神山樹(猪野広樹)が自ら解決しようと動き出す。
▲神山(右)と海老沢(左)に何かと絡んでくる意識高い系のフロアマネージャーの能見誠(中央・伊藤裕一)
一方、返金の対応を巡って、ランヴィーヌ店長である真壁凛子(矢島舞美)は神山と対立する。
さらにランヴィーヌでは仕事への考え方の違いで職場に不和が生まれてしまう。
▲ランヴィーヌ販売員の二瓶護(日向野祥)は、いつもは笑顔だがブラックな一面も見せる
次々と起こる人間関係のトラブルに巻き込まれていく今野。「試験」で失敗するはずが、事態は思わぬ方向へ進んでいく。
▲潔癖性で職業ゲイの錦戸。色気のある演技にも注目
ビューティーアドバイザーとして働く、有名インスタグラマーの錦戸伊織(和合真一)に対し、勝手にライバル心を燃やしている先輩の戸川晶(谷戸亮太)。だが、錦戸のあカミングアウトがきっかけで二人の間に新たな関係が芽生える。
▲整形した過去を語り出す錦戸(右)と、聴き入る戸川(左)
▲周囲から完璧な人間と思われている神山だが、彼なりに悩みを持っていた
神山は自分の中の「不器用」を見つけ出そうとする。
そして、誰もがコンプレックスを持っていると気づき始める。
▲出演者がミュージカルを披露する場面も
全編ジャズバンドのCalmera(カルメラ)が生演奏で作品を盛り上げる。
小木曽は昇進を避けられるのか、ランヴィーヌの人間関係はうまくいくのか。最後まで見逃せない展開が待っている。
上演は2019年8月29日(木)まで。
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