若手俳優が現代風にアレンジした古典落語を披露する「『ハンサム落語』2ndシーズン」が、7月20日、東京・赤坂RED/THEATERで開幕した。
19日、公演に先駆けて行われた公開ゲネプロの様子をお届けする。
若手俳優11人、ペアで軽快な掛け合い
本舞台では、「ハンサム」「二つ目(につめ)」「真打(まうち)」にチーム分けされた若手俳優11人が2人1組になり、「天狗裁き」「狸の賽」「鴻池の犬」「子別れ」の演目を披露する。テンポのよい掛け合いが見どころだ。
ゲネプロには、チーム「ハンサム」から河原田巧也、深澤大河、横井翔二郎、チーム「二つ目」から和合真一、寺山武志が登場した。
▲横井翔二郎と河原田巧也が演じた「鴻池の犬」
緊張の新メンバー 「楽しさが伝わるように」
「天狗裁き」では、寝ていた喜八(深沢)が、妻(河原田)に起こされ、どんな夢を見ていたか尋ねられる。「夢は見ていない」と答えたことから予想もしない展開に。
河原田は妻以外に複数の役柄を演じる。必死に主張を繰り返す喜八の演技にも注目だ。
「ハンサム落語」に初参加となる深澤は「歴史ある舞台。ド緊張しています。でも稽古をやっている段階だと、ものすごく楽しい。その楽しさがお客様に伝わっていけばと思います」。
河原田も「チーム『ハンサム』が先頭でやることが多いと思うので、緊張感に負けずに地に足ついてやっていきたい」と意気込んだ。
▲河原田巧也と深澤大河が演じた「天狗裁き」
笑いあり人情あり 「ハンサム落語は『格闘技』」
ゲネプロの最終演目は人事ばなしの「子別れ」。笑いを随所に散りばめながら家族の縁を描いていく。
腕はいいが酒癖の悪い大工の熊五郎とその妻を、寺山が見事に演じ分ける。そして、子供ながら大人びた言動をとる息子の亀吉を演じる和合が、声と表情でほろりとさせる。
和合は「ハンサム落語は『格闘技』ですから。素敵な試合を一回一回皆様にお届けでできれば嬉しいなと思います」と話す。
▲シャッターチャンスでカメラに目線を向ける和合真一。右は寺山武志
出演者の組み合わせにも注目
出演者は公演ごとに変わる。
横井は「一日の中で組み合せが必ずしも一緒でなくなるので、その化学反応の違いが見どころだと思います。同じ演目をやる中でもいろんな違いが出るのはハンサム落語ならでは」とアピールした。
寺山は「僕ら『二つ目』チームは中間管理職みたいな感じで、新しい風が下からがっと来るのに、上のレジェンドチーム「真打」の技術には及ばないという、とっても辛いポジションです。今回の目標は「真打」の林明寛を引きずり落として、僕がそのポジションに入るというトレード革命を起こすというだけであります」と笑いを誘った。
▲大喜利では出演者たちが会場を笑いの渦に巻き込んだ
5人のほかに、磯貝龍乎、輝山立、林明寛、平野良、米原幸佑、宮下雄也が出演する。
演出・脚色は初演に続き、なるせゆうせいが担当。7月31日(水)まで上演される。
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