2019年5月30日(木)、『銀河英雄伝説 Die Neue These ~第二章 それぞれの星~』の東京公演の幕が開いた。
2018年10月に上演された第一章では、アスターテ会戦で互いの存在と才覚を認めあった銀河帝国軍のラインハルトと自由同盟軍のヤン・ウェンリー。
今回上演される第二章では、そんな2人がそれぞれ歩みだした道が描かれている。
『2.5ジゲン!!』では本作のゲネプロ及び初日舞台挨拶の様子をお届けする。
もくじ
ラインハルトとキルヒアイスの絶対の絆に秘められた過去
▲優雅にお茶をする姿が観られるレアなシーン
物語はラインハルト(永田聖一朗)とキルヒアイス(加藤将)が、ラインハルトの姉・アンネローゼ(杉本有美)を訪れるシーンから始まる。
指揮官として厳しい表情を浮かべていることが多いラインハルトの、珍しく柔和な表情が観られる貴重なシーンだ。
ラインハルト姉弟がキルヒアイスと知り合い、やがて姉が運命のいたずらに翻弄されていくまでの過程が回想シーンで表現される。
幼き頃のラインハルトの決意、そしてそんな彼の夢物語のような野望に付いていくと決心したキルヒアイス。
▲絆の握手を交わすキルヒアイスとラインハルト
なにがあっても揺らぐことのない2人の関係。その大事な根っこの部分が垣間見えるシーンである。
新キャラクター続々!無理難題に挑む自由同盟軍
ラインハルトが天才的なカリスマオーラを放つ一方で、ヤン(小早川俊輔)は相変わらずののらりくらりとした食わせ者感を漂わせている。
▲ヤンの空気感を見事に演じている小早川俊輔
前作でコンビネーションの良さを魅せてくれているキャゼルヌ(米原幸佑)やアッテンボロー(伊勢大貴)とのやり取りは、どこかホッとさせてくれるので不思議だ。
アスターテ会戦での功績のおかげか、それとも功績のせいとでも言うべきか。ヤンは半個艦隊でのイゼルローン要塞の陥落という任務を行うこととなっていた。
この無理難題とも思える任務のため、ヤンのもとには新たに副官としてフレデリカ(福永マリカ)やローゼンリッターの連隊長シェーンコップ(大高雄一郎)らが集う。
▲副官となるフレデリカとヤンには意外な接点が……
▲ローゼンリッターの連隊長シェーンコップ
新キャラクターの登場が多く、自由同盟軍のシーンは新鮮な気持ちで楽しめるだろう。
もちろん和めるシーンとしておなじみのヤンとユリアン(小西成弥)とのシーンもお楽しみに。
▲いつでも純粋無垢でまっすぐなユリアン
無言で放つ曲者の存在感、オーベルシュタイン役藤原祐規
新キャラクターといえば、銀河帝国軍にも強烈な個性を放つオーベルシュタイン(藤原祐規)がついに登場する。
▲藤原祐規の怪演が光るオーベルシュタイン
前作には声のみの出演だった藤原。ファンお待ちかねの動くオーベルシュタインがようやく今作で観ることができる。
底の知れぬ不気味な彼の様子を、ひと言も発せずただそこに立っているだけで表現してしまう姿に、筆者はぞっとした。
彼の演じるオーベルシュタインに恐怖感を抱く観客が続出するのではないか。
そんなことを思うほど、見事な存在感で銀河帝国軍に新たな波紋を生み出していた。
今後、同軍の“双璧”であるロイエンタール(畠山遼)やミッターマイヤー(釣本南)、そしてラインハルトやキルヒアイスらとどんな展開が待っているのか。
▲双璧をなす2人の関係性にも注目して欲しい
10月に上演が決定した第三章の初日が待ち遠しい。
宇宙を感じる観劇体験を
▲背後には壮大な宇宙が広がる
長い間、様々なメディアで愛されている『銀河英雄伝説』。壮大な物語ゆえ、初心者にとってはどこから触れたらいいか分からなかったりもする。
しかし本作は初心者にもとても優しい。
アニメのオープニング同様にナレーションでしっかり解説が入るうえに、第一章の振り返りもしてくれる。
なんの心配もせず、客席に広がる宇宙空間を堪能してほしい。
▲ラインハルトの野望が動き出す……
初日舞台挨拶レポート
ここからは、ゲネプロに先立ちおこなわれた初日舞台挨拶の様子をほぼノーカットでお届けする。
観劇前のファンは、ぜひ彼らのコメントで期待値をグッと上げてから劇場に向かってみてはどうだろうか。
――舞台への意気込みをお願いします。
小早川俊輔(ヤン・ウェンリー役):
いよいよ初日という日を迎えることができました。
第2章の稽古を思い返してみると、前回よりも稽古時間外でみんながキャラクターやシーン、物語について話す時間が増えたなと実感しています。
みんながこの作品をより良いものにしたいという気持ちがその行動につながっていたし、自分の自信にもつながっていると思います。
それをお客様に最良のものとして新鮮にお届けするのが私の役目だと思っています。
舞台上で時間を共にするキャストはもちろん、カンパニー一同で初日から千秋楽まで頑張っていこうと思います。よろしくお願い致します。
永田聖一朗(ラインハルト・フォン・ローエングラム役):
こうしてまたラインハルトとして舞台に戻ってこれたこと、幸せです。
今作は2作品目なんですけど、追加キャストの皆さんも加わってさらにさらにパワーアップした作品になっていると思います。
「銀英伝」を知らない方でも楽しめるような作品になっていると思いますし、知っている方はより楽しめるんじゃないかなと思っています。
各々の関係性が深掘りされていたり、僕にとっては皇帝を目指すきっかけなども描かれているのでぜひ注目して頂ければ嬉しいです。
今回は大阪公演もあるので、「銀英伝」の世界を大阪のみなさまにも楽しんでいただけたらと思います。
米原幸佑(アレックス・キャゼルヌ役):
前回に引き続き2回目の登場なんですけど、新しいキャストも加わり、各々がキャラクターや同盟軍・帝国軍などを掘り下げパワーアップした「銀英伝」を届けられるんじゃないかと思います。
ぜひ劇場に来て楽しんでほしいなと思います。
加藤将(ジークフリード・キルヒアイス役):
今回の見どころは、作品に入る前から、2回目ということでキャラクターの土台があり、演出の大岩さんと「こういう風にやっていきたい」というトークからはじまり、前回の作品より、よりパワーアップした同盟軍・帝国軍が楽しめるんじゃないかと思います。
個人的に、ラインハルトが出世していくんですが、ここでキルヒアイスが不安になったりとかどう思っているか、普段のラインハルトとのやりとりでどう感じているのかが描かれているシーンが多いです。
注目ポイントとして観てください!
そして、さっきも(ラインハルト役の)聖一朗が言ったように皇帝を目指すきっかけのシーンもあるので、それも楽しみにしていてほしいです。
伊勢大貴(ダスティ・アッテンボロー役):
今回は新キャストが加わり、同盟軍は仲間が増えました。とても嬉しいなと思いながら稽古をやっておりました。
個人的にこの作品で好きなのがイゼルローン攻略なので、個人的に観てて楽しいなと思っています。
少人数での鮮やかな戦略が、どうみなさんの目に映るのか楽しみです。
アッテンボローとしても回顧録をさらに書き加えてメモがどんどん汚くなっていますので、そこも楽しんで演じられたらなと思います。
ぜひ劇場に来てください。
畠山遼(オスカー・フォン・ロイエンタール役):
歴史ある作品のなかで舞台として登場人物たちを演じさせていただいていますので、原作が好きな方にも、舞台が好きな方にも『銀河英雄伝説』を好きになってもらえるよう、千秋楽まで駆け抜けていきますので舞台を観に来ていただけたら嬉しいな、と思っております。
小西成弥(ユリアン・ミンツ役):
今回も引き続きこの役を演じられることを幸せに思います。
第1章を観てないという方も楽しんでいただけるようなつくりになっていると思います。
迷っている方もぜひ遊びに来て頂けたら嬉しいです。
釣本南(ウォルフガング・ミッターマイヤー役):
半年ぶりにまた『銀河英雄伝説』の世界に帰ってこれて、幸せな気持ちでいっぱいです。
畠山遼演じるロイエンタールとミッターマイヤー、双璧と呼ばれる2人を、大好きな彼と演じることができて幸せです。
半年ぶり演じるということで、成長した姿を皆さんにみせられたらと思います。
大高雄一郎(ワルター・フォン・シェーンコップ役):
今回初参加ということで、緊張していたんですが……。みんなお芝居に対してとても真面目で、紳士的で、とても充実した稽古が出来たなと思っています。
ローゼンミッターの隊長の役なんですが、ローゼンミッターのメンバーは稽古終わった後に、みんなで集まって筋トレなどをしてチームワークを高められたかなと思います。
そのへんも注目して観ていただけたら嬉しいなと思います。
杉本有美(アンネローゼ・フォン・グリューネワルト役):
今回アンネローゼという役を頂きとても幸せですし、同時に責任感もあります。
私にしか出来ないアンネローゼをお届けできればいいなと思っております。
福永マリカ(フレデリカ・グリーンヒル役):
私も今回からの参加になるんですけど、座組の皆さんが懐の深い方ばかりだったので安心して飛び込むことができました。
「銀英伝」の物語そのものも老若男女、どんな時代の方にも届くものがあるような、古典のような作品だな、と思います。
劇場に入ってからスタッフさんの力のおかげで、客席全体が宇宙のようになっていますので、体感するような気持ちで劇場にお越しいただければと思います。
藤原祐規(パウル・フォン・オーベルシュタイン役):
僕も今回から初参加ということで、オーベルシュタインというとても難しい役を頂きまして、本当にアニメ、原作を見てみましてもクセの強い人物だな、と。
そこは演出の大岩さんと、稽古場から試行錯誤を繰り返してきましたので、今日本番初日ということで、お客さんにどういう反応で迎えてもらえるのかというのが、とても楽しみであり不安でもあります。
ですが、やってきたことは変えずに千秋楽までより良いものを目指してやっていきたいと思います。
DVDも嬉しいんですけど、ぜひ劇場で、生でご覧いただければと思っております。
『銀河英雄伝説 Die Neue These ~第二章 それぞれの星~』は6月2日(日)までZepp DiverCityにて、6月8日(土)・9日(日)はZepp Nambaにて上演。
さらに2019年10月に新作となる第三章の上演が決定している。
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