映画「その恋、自販機で買えますか？」の完成披露上映イベントが7月15日（土）、東京・アニメイトシアターで開催された。
イベントでは、映画の上映と、小岩井歩役の松田凌、山下諒真役の田鶴翔吾、谷健二監督によるトークイベントが行われた。第1部の模様をレポートする。
イベントではまず映画の本編を初公開。観客はスクリーンに熱心に視線を注ぎながら、ときおり現れるコミカルなシーンにクスリとし、また原作を忠実に再現した胸キュンシーンに身悶える様子を見せていた。
上映後はキャストの松田、田鶴、監督の谷が割れんばかりの拍手に迎えられながら登場。超満員の客席に驚きつつ、30℃を超える気温の中集まった観客を気遣った。
メイキングトークのコーナーでは映画の場面写真をスクリーンに映しながら、撮影時のエピソードや本作への想いを各々がふんだんに披露。田鶴演じる山下が、松田演じる小岩井を初めて食事に誘う場面は、松田いわく、朴訥とした山下がストレートに思いを伝える「山下の魅力が引き立つシーン」。クランクイン直後に撮影を行ったといい、松田は「小岩井くんと同じ、初々しい気持ちだったことは覚えています」と話した。田鶴は緊張していた自分に温かい言葉をかけてくれた松田を「すっごい方」と評し、おかげで安心して演じられたと感謝。
「僕の山下どうでした？」との問いかけに会場から拍手が届くと、「ということは僕の小岩井も良かったってことですよね？」と松田が続き、役さながらの息の合ったトークでファンを湧かせた。撮影は「小岩井と山下の関係性を自分たち2人が作っていった感じ」だったという。
続いて、小岩井と山下がレストランで急接近するシーンがスクリーンにアップで映し出されると、松田は田鶴を「お前かっこいいね、やっぱり」と絶賛。田鶴が「ちょっと録音しといて、誰か」と大喜びする様子に、会場はますます温かい雰囲気に。さらに田鶴は過去にエキストラの経験があることから、松田のエキストラに対する感謝とリスペクトに感心したといい、「好き」と告白。「今山下くん？ それともお前？」と松田を照れさせた。
最後に紹介されたのは、小岩井がカミングアウトをするシーン。カメラが回っていないときでさえ松田が「葛藤」を見せていたことに田鶴が触れると、松田は過去に友人にカミングアウトをされた経験を思い出しながら演じたと明かした。田鶴は、柳ゆり菜演じる小岩井の同僚・大石の「簡単じゃないよね。恋とか愛とかって。真剣になればなるほど」のセリフを挙げ、「（性別に関係なく）人間の真理って変わらないんだなって思った」と真剣な面持ち。2月に極寒のなか行われた撮影を振り返りつつ、谷が「2人ともセリフをまったく間違えない」と高く評価する場面もあった。
続くQ＆Aトークタイムのコーナーでは、「本作の役作りにおいて一番大切にしたことは？」という質問に対し、田鶴は素の明るく軽快な自分が出てしまいそうになるのを抑えつつ、山下らしい不器用さやテンポ、「何考えてるんだろうっていう間」を意識し、松田との共演を通して現場で役を作り上げていったという。松田は「山下くんにどれだけ恋できるか」と回答。さらに会社員のような実生活に近しい役どころを演じた経験があまりないといい、「隣にある恋」を意識したと話した。
次に「撮影中に、お互いがお互いに思わずキュンとしてしまったシーンは？」という質問をされると、2人が艶かしくハグを交わすシーンが話題に。身長185cmの田鶴の大きさに松田はドキドキし、「別の扉が開きそうになった」。田鶴も同じく、グッときたと撮影時の心境を赤裸々に明かした。さらに谷が「思いのほか（積極的に）いくな」と評したキスシーンについては、松田も田鶴に対し「情熱的で良かったですよ」。田鶴は照れつつ、松田の提案で実現したという小岩井からキスを返す演技も「ぜひ見ていただきたい」と紹介した。
3ショットチェキ撮影の抽選会の後は、新情報が初解禁。田鶴もファンだというシンガーソングライター・ヒグチアイによる新曲「自販機の恋」が主題歌となることが発表された。
最後に松田は「皆さま、本日は完成披露上映イベントにお越しいただきましてありがとうございます。皆さまのお力もお借りして、未来につなげられればなと思いますので、この作品のことをこれからも応援していただければなと思います」と挨拶。
田鶴も本作を「新しいジャンルに出会えるきっかけになった作品なのですごく思い入れもあります」とし、「こんなにたくさんの方に見ていただけてすごい嬉しいです、率直に」と気持ちを述べた。3人は続編の可能性にも触れ、改めてファンに対し「応援よろしくお願いします」と締めた。
また、この後行われた第2部にて、映画は10月1日（日）より公開予定と発表された。
主題歌はヒグチアイが歌う「自販機の恋」に決定した。
(C) 2023『その恋、自販機で買えますか？』製作委員会
(C)吉井ハルアキ／メディアソフト
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