『アキはハルとごはんを食べたい』の公開記念舞台挨拶が6月3日(土)に東京・シネマート新宿で開催され、オフィシャルレポートが到着した。
舞台挨拶には赤澤遼太郎、高橋健介、川野浩司監督が登壇。
拍手に迎えられて登壇し、最初の挨拶を終えるやいなや、高橋は「ちょっと(顔を)キメてなかったのでもう1回、いいですか? サムネイル用に」と前列に並ぶカメラマンに追加撮影をリクエスト! キリっと顔をキメて会場を沸かせると、それを見た赤澤さんも「ズルい(笑)! 僕もお願いします」と負けじと(?)キメ顔を披露し会場は笑いと歓声に包まれる。
“BL”דごはん”を組み合わせた人気漫画を原作とした本作だが、赤澤は最初にオファーが届いたときの心境について「BL作品ということで、僕自身、あまりなじみのないジャンルだったので、新しい境地となる経験ができそうだと楽しみでした。相手役がすごく気になってたんですが、健介さんとお聞きして、以前から親交もあったのですごく楽しみだなと思いました」とふり返る。
一方の高橋は「正直なことを言うと、最初は迷いました。こういうジャンルの作品をやったことがなかったので」と明かすが「勝手な先入観もあったんですが、原作を読ませていただいて、僕が思い描いていたものと大きく違っていました。すごく素敵な世界観で、しかも相手は遼太郎(赤澤)ということも聞いて、ぜひやらせていただきたいと思いました。ふたを開けてみればすごく楽しかったし、素敵な作品に仕上がって、やってよかったなと思います」と充実した表情を見せる。
川野監督はあまり“BL”という部分を意識しなかったようで「以前1度、女の子同士の恋愛作品を撮ったんですが、そのときに人が人を好きになるのに“性別”が邪魔だなと思った瞬間があったんです。今回も性別を気にせず、アキとハルが仲が良いということを軸に、先入観なく2人の生活が撮れたと思います。」ふり返る。
その話を聞いて、高橋は撮影を述懐。「原作のたじまこと先生がよく現場に見に来てくださったんですが、我々が原作から飛び出した派生の部分を先生は非常に好意的、肯定的に見てくださったのがうれしかったです」と明かす。その一方で、たじ先生は、アキとハルの暮らす“家”に関してはこだわりをみせ、当初、撮影が行なわれる予定だった家から別の家への変更がなされたそう。
この点について川野監督は「いま思い返すと、最初に選んだ家は、こちらの都合で撮影しやすい場所を選んでたんです。先生が『違います』と言ってくださって良かったなと思います。ものづくりの魂というか、そういうものを積み重ねていかないといけないなと。(家を変更したことで完成した作品の出来栄えが)全然違ったと思います」とたじ先生からのアドバイスへの感謝を口にした。
また、撮影を通じてゼロ距離での関係性の中で互いにキュンとした瞬間はあったか? という質問に赤澤は「正直、あったかも(笑)。撮影期間を通して、赤澤遼太郎が思う、高橋健介の良いところ、素敵なところを、アキが思うハルの素敵なところにトレースしながらできて、日を重ねるごとに好きになったし、健介さんの手の温度を感じると自然とニヤっとしてしまうところはありました」と告白。
それを聞いた高橋は「僕からすると、こういうことをボケずにまっすぐな気持ちで言えるところにキュンとします!」とニッコリ。「自分で、よく冗談で『いまの俺の顔、メッチャカッコよかったなぁ』とか言うんですけど、遼太郎はそれをすごくキラキラした目で『本当にカッコいいです!』と言ってくれて、ある意味、リアクションに困っちゃいます(笑)。ドギマギしちゃう」と照れくさそうに語る。
赤澤はさらに「(高橋は)カメラが回ってないときは本当に目が死んでるんで、そのギャップもあるかも」と高橋の魅力を熱く語り、舞台上でのちょっとしたボディタッチにも「いま、こうやって触れられてもなんかうれしいんだよね」と明かし会場を沸かせていた。
カメラが回っているときは、互いに見つめ合うのは全然平気だが、撮影以外では急に恥ずかしくなってしまうようで、赤澤は「何でなんでしょうね(笑)。アキとハルの気持ちでなら全然、見つめ合えるし触れ合えるんですけど…」と語り、高橋も「雑誌のインタビューとかで『見つめ合ってください』とか言われると1秒が限界(苦笑)!」と恥ずかしそうに戸惑いを口にしていた。
それを聞いた川野監督が監督の“権限”を駆使して「ちょっといま、見つめ合ってみてください」と指示するも、2人は「無理! 無理! 無理(笑)!」と照れくさそう。高橋は「こっぱずかしいんですよ! 安易に『ひっつけ』とか言い過ぎだよね(笑)。こっちだって役者として覚悟を持ってやってるんだから!」と苦笑交じりに語っていた。
おいしいごはんももちろん、本作の大きな見どころだが、劇中に登場する料理の中からお気に入りを尋ねると、赤澤は「餃子がメッチャ好き。この映画に出て、餃子好きだなって思いました」としみじみ。
一方、高橋は「僕はシンプルにデザート。パフェとかうれしかったです」と明かす。また、アキがつくり、ハルがそれを食べるという関係性について「アキはいつもハルの『いただきます』を待っていて、(赤澤の)見た目も犬っぽいので、いつも飼い主の気持ちでした(笑)」とふり返る。
さらに、赤澤と高橋の胃袋を掴むならどんな料理が有効か? という質問に、赤澤は「オムライスかな? オムライスをうまく半熟でつくって、ケチャップでかわいく書かれたらズッキュンですよね」と語る。一方、高橋の答えは意外にも「りんごあめ」。「りんごあめって最後まで食べることないじゃないですか? 最後までおいしく食べられるりんごあめをつくってくれる人がいたらうれしいです」とその意図を明かしてくれた。
そして、舞台挨拶の終盤に「重大発表」が2人の口から明かされる! 赤澤は「公開したばかりですが、続編が決定しました!」と発表し、高橋が「なんなら、もう撮り終わってます」と明かす。このうれしいサプライズに会場には大きな拍手と歓声がわき起こった。
つい先週まで撮影が行われていたそうで、赤澤は「やっと言えた!」と安堵の表情。高橋は「怖いのは、みなさんが盛り上げてくれないとお蔵入りになるかも…(苦笑)」と公開中の本作への応援を呼びかけた。
最後に高橋は「役者として、ハルとして、何かを届けられていたらいいなという気持ちで臨みました。観ていただいて、ちょっとでもほっこりしたり、明日から頑張ろうと思えたり、家でごはん作ってみようとか、家族の会話が増えたり、ちょっとでも何か届いてたらいいなと思います」と語る。
赤澤は「撮影期間は10日でしたが、メチャメチャ密度が濃くて、暖かく、笑いにあふれた撮影でした。そんな雰囲気が映画に出ていると思っていて、見た人がほっこり、ニコニコする映画になっていると思います」とアピールし、温かい拍手の中で舞台挨拶は幕を閉じた。
映画は6月2日(金)よりシネマート新宿ほか2週間限定公開中。
(C)たじまこと/竹書房・「アキハル」製作委員会
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