舞台「珈琲いかがでしょう」が足立区のカフェとのコラボ企画が決定し、4月21日(金)に記者会見が行われた。
会見には、校條拳太朗、太田奈緒、花陽みく、脚本・演出の菅野臣太朗が登壇。
菅野は「僕が演劇を作るコンセプトに『演劇で日本を元気にする』という思いがあります。今回、珈琲を題材にすることで、飲むということと人の心がやわらぐということは通じるのだと感じました。観た方が珈琲を飲みたくなり、劇場を出た後に家族や人に優しくなる。そんな広がりがある作品だと思いました」と本作への思いを語った。
さらに菅野は、「本物の車を改造して、舞台上に用意してもらい、実際に校條くん演じる青山が珈琲を淹れられるような演出を考えています」と演出についても明かした。そして、「演劇が映像作品と違うのは、そこに人がいてお客さんがいる、同じ空間を共有するということです。珈琲の匂いを感じていただけるような空間を作ろうと思っています」と言及した。舞台化にあたっては、原作者に相談して脚本も新たに作り、「コミックの全部のストーリーを再現するのではなく、各登場人物をピックアップして舞台版として描いています。舞台ならではの表現、舞台でしかできないものがありますので楽しみにしていただけたらと思います」とアピールした。
主人公の青山一を演じる校條は「青山一と出会う人々には、それぞれ事情がありますが、(青山と出会ったことで)ホッとした気持ちになっているという共通点があります。現実の世の中でも、仕事の合間に休憩して、珈琲を飲むと思いますが、そんなひと時のような舞台になれたらいいなと思います」と挨拶し、「青山は珈琲そのものに近い存在かなと思いますので、珈琲を飲んで癒されたときの感情や空気感を青山の中に作っていけたらと思います」と意気込んだ。
青山のもとを訪れた心が疲れたOL・垣根を演じる太田は、「垣根が感じていることに、学校や仕事で何か辛いことがあった人や心が疲れている人は共感できる部分がたくさんあると思います。そうした気持ちを舞台上で繊細に表現できればと思います」とコメント。
礼役の花陽は、「画家になりたいという意思があり、礼は東京に出てきたのですが、挫折し、いろいろな経験をして心が荒んでしまったときに、青山さんと出会い、ドロドロしたものが一気に流されていくという役です。今回、オムニバスで、いろいろな人たちが青山さんに助けられていくのですが、その気持ちを礼と一緒に私も体感して表現し、お客さまにも一緒に体感していただけたら」と呼びかけた。
なお、今回のコラボ企画は、足立区を盛り上げたいという主催者の想いに舞台上演地である千住の地元の喫茶店やカフェが応えて実現したもの。出演者の1人であり、バリスタ資格を有する、元宝塚歌劇団所属の花陽が、公演1カ月以上前から協力いただく17店舗を巡り、それぞれの店の特徴をInstagramで紹介する。
花陽は、今回、1週間をかけて17店舗を周ったことを明かし、「どの店舗の方々も皆、暖かくて、お店に込める思い、1杯に込めている思いを語ってくださり、お客さんや先のことを考えている方がすごく多かったんです。それぞれ店内の作りもテーマも違う店舗です。自分の勉強にも人生の勉強にもなりました。『皆さん、17店舗に寄ってください!』と言いたいほど、素敵なお店ばかりで千住が大好きになりました」と笑顔で話した。
SS席とS席を購入の方には、花陽がブレンドした舞台オリジナルコーヒーの特典も用意されている。花陽はこのオリジナルコーヒーについて「私はブレンドを作るときに、『シチュエーションを考える』ことを大切にしています。誰が、何時に、どこで飲むのかと、想像を膨らませて作るんですが、今回は、青山さんがたこ爺さんのコーヒーを飲んで衝撃を受けた味で表現したくて、原作にちょっとでも出てくる豆をすべて取り寄せて作りました」と説明した。
最後に太田は「(本作を通して)疲れている気持ちが癒される物語に触れていただきたいですし、そうした物語をお届けできるようにしっかり頑張りたいと思います」と力を込め、花陽は「劇場を出たときに暖かいものが芽生えていたらうれしいなと思います。その流れで喫茶店によってもらえたらと思うので、稽古頑張りたいと思います」と意気込みを語った。
そして、校條は「キッチンカーの前で珈琲を待っているような距離感で身近に感じていただける、体感型の舞台になると思います。舞台の良さを踏まえながら、しっかりとお届けしたいと思います」と話して、会見を締めくくった。
公演は5月17日(水)~21日(日)に東京・シアター1010で行われる。
(C)コナリミサト/マッグガーデン
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