崎山つばさら出演　実在の死刑執行人が描かれる『サンソン —ルイ16世の首を刎ねた男—』再始動、主演は稲垣吾郎

『サンソン —ルイ16世の首を刎ねた男—』が4月14日（金）～30日（日）に東京・東京建物 Brillia HALL、5月12日（金）～14日（日）に大阪・オリックス劇場、5月20日（土）、21日（日）に長野・まつもと市民芸術館 主ホールで上演される。

本作は、2021年4月に初演の幕を開けるも、新型コロナウィルスの感染拡大の影響により、わずか数公演で東京公演の中断、大阪公演の中止を余儀なくされ、今回再始動する。

18世紀のフランス・パリに生きた、実在の死刑執行人、シャルル＝アンリ・サンソン。時には忌まわしい存在として人々に疎まれながらも、国家と法を重んじ、職務を遂行し続けた彼は、敬虔（けいけん）なカトリック教徒で医者でもあり、その内心には常に、死刑廃止論者としての死刑制度に対する葛藤があった。あまりに過酷で、あまりに非情な時代を生きた男の本当にあった数奇な運命の物語が描かれる。

主演のシャルル＝アンリ・サンソン役には稲垣吾郎が務める。ルイ16世役には大鶴佐助、トビアス・シュミット役には崎山つばさ、ジャン＝ルイ・ルシャール役には佐藤寛太、ナポリオーネ・ブオナパルテ役には落合モトキ、ルイ＝アントワーヌ・サン＝ジュスト役には池岡亮介、エレーヌ役には清水葉月、デュ・バリー夫人役には智順、マチュラン・ルシャール／アントワーヌ・ルイ博士役には春海四方、グロ役には有川マコト、ラリー＝トランダル将軍役には松澤一之、ジョゼフ・ギヨタン役には田山涼成、シャルル＝ジャン＝バチスト・サンソン／マクシミリアン・ロベスピエール役には榎木孝明が出演する。

『サンソン』再始動の話を聞いたときは素直にうれしく思いました。白井さん、中島さん、三宅さんという素晴らしいクリエイターの方たち、そしてフレッシュなメンバーも加わるキャストの皆さんと、改めてこの作品に向かい合えることに感謝しています。“死刑執行人”という非情な宿命を背負ったサンソンに再び向き合い、彼のような人物がいたという事実を、舞台を通して皆さまに伝え、未来につなげていければと思っています。いろいろなお仕事をさせていただく中で、舞台は自分が自由に羽ばたけるような貴重な場所です。初演時は中止になってしまった公演も多く、ご来場が叶わなかったお客さまもいらっしゃると思います。今回は多くのお客さまと時間を共有できることを楽しみにしています。

2021年4月の突然の中断から2年。再び『サンソン』が動き出す。私は、今回の公演を再演とは捉えていない。あの日の憤りからこの作品はずっと続いている。だから、再演ではなく再始動である。2年間という時間の中で私たちは多くのことを学んだ。不安の蔓延、虚偽と真実の不確かさ、価値の変化。だからこそ、今、フランス革命の中心にいて、時代の波に翻弄されながらも、使命をまっとうすることで自己の存在を見出そうとした「サンソン」の姿が崇高に思えてくるのだ。

『サンソン』が再始動する。2021年に唐突に中断され、その公演の大半を中止せざるを得なくなり、それでもなんとか神奈川公演で大千穐楽にだけはたどり着けた。だが、そこにいた誰もが不完全燃焼な思いを胸に「もう1度」と熱く願っていた作品だ。2年の時を経て、新しいメンバーを加えて、ようやく胸の燻り（くすぶり）に火をつけることができる。暗く辛い時代の重い使命を抱えた男の物語だが、しかし、その炎があれば、闇の先の光にまでたどりつけると信じている。

世襲の『死刑執行人』という宿命、動乱の時代がもたらす過酷な試練、シャルル＝アンリ・サンソンをめぐる数奇な史実を知って、僕は震撼（しんかん）した。彼が責務を執行した現場の多くは、パリの住まいから徒歩圏にあり、街が今までとは違って見えてきた。サンソンの生きた時代、カオスとデカダンス、彼の美学とリリシズムを、白井晃さんの音楽構成案に繰り返し登場する「重低音」というキーワードと、どのように交差させるべきか、試行錯誤したのが今回のスコアだ。この作品の初演はコロナ禍に翻弄され、余儀なく中断されたが、僕にはそれすらも物語の背景にある動乱の時代の事象に見えてきてしまっていた。今回の再演に際しては、中断された悔しさのエネルギーが昇華され、さらにすごみのある舞台になることを期待している。

フランスには友人も多く、実際にフランス人を演じたこともあり、縁深いものを感じています。フランス革命という歴史の象徴でもある題材、そして首を切られてしまうルイ16世の心情などまだまだ未知の部分も多く、改めて勉強してお稽古に入りたいと思っています。

お話をいただいたときは喜び、不安、緊張、楽しみなどが入り混じり、背筋が伸びる思いでした。18世紀という特別な世界観に入り込めることにワクワクしています。多くのことを吸収して1日も早くなじめるように稽古に励んでいきたいと思っています。

『銀河鉄道の夜』でご一緒させていただいた白井さんの演出ということで、演目を聞く前に「やりたいです！」と伝えました。初日から千穐楽に向けて変化することを楽しみながら、たくさん怒られて成長していきたいと思います。

今回のような時代の作品に出演するのは初めてですが、物語の裏側を探ることが好きなので“死刑執行人”という題材に隠されている見えない部分を追求できればと思っています。役者の心情までしっかり見てくださる白井さんの期待に応えられるよう、嘘のない演技をお見せしたいです。

舞台『サンソン ールイ16世の首を刎ねた男ー』2023年再始動

チケットは東京公演が3月26日（日）10:00より、大阪・松本公演が4月9日（日）10:00より一般発売開始予定。